【PR】“部屋づくりのプロ”アコースティックラボに学ぶ

こんなときこそ考えたい、オーディオでの『部屋』の重要性。“高音質な部屋”構築のポイントとは?

編集部:小野佳希
2020年04月22日
新型コロナウィルス感染拡大予防の外出自粛により、オーディオファンはいつも以上にオーディオに向き合う時間も増えているのではないだろうか。ここであらためて考えたいのが、オーディオにとっての部屋の重要性だ。オーディオファン向け物件の防音工事を多数手掛けるアコースティックラボの解説を振り返りながら、“高音質な部屋づくり”のポイントを考えていこう。

アコースティックラボの防音ショールーム「蔵前ヴィレッジ」

■「部屋はオーディオの一部」

まず、なぜオーディオにとって部屋が重要なのか。それは、オーディオシステムから発せられた音が鳴り響く空間だからだ。オーディオ機器のポテンシャルがどれだけ高かったとしても、最終的にその音が鳴り響く部屋が悪影響を及ぼしてしまっては台無しというもの。アコースティックラボも「部屋はオーディオの一部」だと主張しているが、オーディオシステムの最終段に部屋があると言えるかもしれない。

なお、アコースティックラボは前述の通りオーディオファン向け物件の防音工事を多数手掛けるほか、プロのミュージシャンやエンジニアも使う音楽スタジオの設計なども手掛ける会社。音楽に関わる部屋づくりの豊富なノウハウを持っており、その知見を一般のオーディオファンに伝えるイベント「Acoustic Audio Forum」を定期的に開催している。

ちなみに「Acoustic Audio Forum」は、月一回のペースでこれまで69回もの開催を重ねてきた。社会情勢を考慮して現在は開催休止中だが、同社代表の鈴木氏は「また開催できるタイミングが来たら皆さんに満足してもらえる内容でなるべく早く再開したい」と意欲を見せている。

■部屋の“寸法比”がオーディオの音質に大きく影響

“高音質な部屋”づくりにおいてまず考えるポイントのひとつが、「部屋の形」。縦幅、横幅、天井高の比率だ。

なぜ“部屋の形”が重要なのか。それは部屋の形によって定在波の分布形態が決まってしまうからだ。例えばブーミングなどは定在波の分布が偏ることが原因。部屋の形が悪いと、このようなオーディオ的な悪影響が出やすくなってしまい、しかもそれはルームチューニングアイテムなどでは根本的に解決できるものではないという。

形がいい部屋では定在波が各帯域で偏らず満遍なく存在している

「部屋の形が変だったらどう対策しても駄目だと言えるくらい、部屋の形は重要だ」と同社は説明。「例えば8畳の部屋は、音響的にはかなり不利な条件だ。(縦幅・横幅・天井高の)寸法比の関係から定在波の分布が偏りやすく、防音をしっかりすればするほど厳しい」と解説した。

望ましい寸法比、避けたほうがいい寸法比はいくつも存在している

このように“部屋の形がいい”、つまり“部屋の寸法比がいい”ことによって、部屋の響きは大きく変わる。寸法比のいい部屋では、低音の膨満感がなく音が明瞭であったり、中高音も響きが素直であったり、さらにリスニングのスイートスポットも広いなど、オーディオ的なメリットを多い。

部屋の形がよければオーディオでのメリットも大きい

■オーディオ同様に部屋も“剛性”が重要

また、「部屋の剛性」も重要なファクターだ。

まず、現代の一般的な住宅は、「中空二重構造」と呼ばれる外壁と内壁の二重構造をとっている。外壁と内壁の間に電気の配線や配管、断熱材を入れることで高気密高断熱、快適な家をつくりやすいメリットがあるのだが、オーディオ的な観点から考えると音質に悪影響を与える一因でもある。

現代建築の中空二重構造はオーディオにとって悪影響を与えやすい

これは、その名の通り“中空”、つまり内部が空洞であることが音質に影響を与える原因。太鼓のような構造になっているため、剛性の低い壁や天井が音で振動すると低音域での共振が起こり、中低音域が必要以上に吸音されてしまったり、低音共振に伴う副次共振による歪音が発声してしまうのである。

現代建築における壁のミニチュアモデル。中空構造のため剛性が足りないと太鼓のように鳴ってオーディオの音質に悪影響を与えてしまう

例えば壁の剛性はどのように音質へ影響するのか。壁の内装材に使われる石膏ボードのような軽い面材では、振動が原因の「コインシデンス効果」が起こって遮音性能が低下するばかりか、二次音源として空間に放出される。そして、それが特に中高音域のカラーレーションにつながるのだ。

壁材の石膏ボードを3枚張りにするだけでも振動が大幅に減少したという実験データも紹介

そして、これは壁だけではなく床や天井でも同様。これに対し、壁、床、天井に通常よりも厚みがある素材を用いることなどで剛性を上げることで、防音性能とともに反射音の質も向上させられる。

加えて、同社の防音工事では、建物の躯体と部屋の内壁とが直接的につながらない“縁を切った”状態にする「防振浮二重構造」にする。この構造と、壁/床/天井の面密度を上げて制振することで、オーディオの音質が向上するのである。制振が音質にとって重要であることはオーディオファンには馴染み深い話だが、実はそれは部屋にも言えることなのだ。

防音天井と一般的な天井の構造の違い

■「響きの長さ」で音の印象も変わる

そして、「響きの長さ」も考えるべきポイント。部屋の残響時間をどれくらいにするかで音楽の印象も違ってくる。

“残響時間”とは、音のエネルギーが60デシベル減衰するのにかかる時間のこと。建築の世界では残響時間や部屋の容積をもとに計算する“平均吸音率”という指標も用いられるが、日本の住宅ではこの値が0.3程度であることが一般的。0.4など数字が大きくなるほど“デッド”(音が響かない)、数字が小さいほど“ライブ”(残響が長い)だと表現される。

過去の「Acoustic Audio Forum」では、吸音材やカーテンの有無による違いのデモも実施。残響時間にして0.3〜0.4秒とほんのわずかな変化でも音楽の印象が意外と大きく変わることが体験できるようにもしていた。

過去の「Acoustic Audio Forum」の様子。吸音材の着脱で残響時間による音質の違いをデモ

また、残響時間のなかで特に音質へ影響するのが低音の残響時間。「一般的な部屋は低音が多めに吸音されるケースが多い。そのような環境で音楽を聴くと、音が痩せたように感じたり、どこか物足りなさを感じるようになる」と鈴木氏は語り、「きちんと防音工事をすると低音の響きが豊かになるため、オーディオ機器は変えていないのに音の印象がまるっきり別物に感じられるほどになる」と言葉を続けた。

なお、オーディオ趣味のような音楽再生空間には平均吸音率0.18〜0.28ほどでの部屋づくりが向いていると言われるが、残響時間が短いか長いかで音の良し悪しが決まるわけではない。部屋の形や剛性といったポイントを踏まえた上で、好みの残響時間に調整するわけだ。「デッドなのかライブなのかではなく、歪音など余計なものが発生しないことが大切」だと同社は説明している。

このように、部屋とオーディオは切っても切り離せない関係にある。部屋にいることが多いこんなタイミングだからこそ、じっくりと部屋のことを考えてみるのもよいのではないだろうか。前述のように「Acoustic Audio Forum」もこの社会情勢を受けて定期開催を休止中だが、同社の鈴木代表も“第70回”の開催に向けて強い意欲を見せている。再開された際にはファイルウェブでも情報を逐次お伝えしていく。こちらも楽しみにお待ちいただければ幸いだ。

(協力:アコースティックラボ)

関連記事