トップページへ戻る

レビュー

HOME > レビュー > コラム記事一覧

公開日 2026/06/14 07:00
映画『Michael/マイケル』公開記念

マイケル・ジャクソンを“レコード”で聴く意義。世界最高峰の才能が作り上げた、シングル盤・貴重盤も紹介!

栗原祥光

マイケル・ジャクソンの軌跡を描く映画『Michael/マイケル』が全国公開された。この機会に、今一度マイケル・ジャクソンの音楽に触れてみては如何だろうか。できればパッケージメディア、特にレコードで……。



MJをレコード聴くべき理由とは?


なぜ不肖はマイケル・ジャクソンをレコードで愉しむのか。それは『Off the Wall』(1979年)、『Thriller』(1982年)は言うに及ばず、2001年にリリースした最後のスタジオアルバム『Invincible』までレコード盤を販売していたからだ。



『Off the Wall』(エピック/FE 35745)




『Thriller』(エピック/QE 38112)


特に『BAD』(1985年)以降は、アナログよりもCDの方が売り上げが多かったことは想像に難しくない。にも関わらずレコードを出し続けていた。



『BAD』(エピック/OE 40600)


彼が活躍した時代は、パッケージメディアがレコードからCDへと変化した時期でもある。だが、デビューから他界するまでアナログ盤をリリースしていたのだから、彼はレコードに何かコダワリがあったのではないか? それが、レコードで聴いた方が好ましいのではないかと思う理由である。


またレコードのほうがジャケットが愉しめるというのもある。特に『Dangerous』(1991年)は、「ポップ・シュルレアリスムのゴッドファーザー」と呼ばれるアメリカ人画家マーク・ライデンの手による53cm四方のアクリル画で、制作に半年がかけられたという大作だ。



 『Dangerous』(エピック/E2 45400)


12cm四方の小さなCDジャケットよりも、30cm四方のレコードジャケットの方が段違いの美しさだ。


またシングル盤を集めるのも楽しい。これらには、この盤でしか聴くことができないリミックスバージョンが収録されているのだ。



不肖のマイケル・ジャクソンのレコードコレクション(の一部)


そのどれもが一流品であり、オリジナル楽曲とは違う魅力を放っている。こうしたリミックス曲は配信で聴くことができないものが多く、それゆえ見つけたら即買いしてしまう。


MJのシングル盤からフェイバリットを紹介!


ここから先は、個人的に好きな楽曲をご紹介する。1曲目は『BAD』の12インチ・シングル盤「SPECIAL 12” SINGLE MIXES」に納められている「BAD(DANCE EXTENDED MIX INCLUDES “FALSE FADE”)」だ。



「BAD SPECIAL 12” SINGLE MIXES(エピック/651155 6)


不肖はEU盤と国内盤を所有しており、EU盤はこのバージョンとカラオケ、アカペラ(音声トラックのみ)の3曲、国内盤はさらに7インチシングルミックスと「BAD(DANCE EXTENDED MIX INCLUDES “FALSE FADE”)」のショートバージョン「DANCE REMIX RADIO EDIT」が収録されている。


一見国内盤の方がオトクだし厚紙ジャケットで綺麗なのだが、EU盤の方がキレのある音がして好みだ。


「BAD(DANCE EXTENDED MIX INCLUDES “FALSE FADE”)」の魅力は、8分30秒の中に様々なインスト・プレイが織り交ぜられていること。ちなみにオルガンを演奏しているのはジミー・スミスである。


そして“FALSE FADE”(嘘の終わり)の名の通り、フェードアウトしたと思いきや曲が始まるのが楽しい。この楽曲でしか聴けないマイケルの歌声もある。比較的手に入りやすい点も魅力だ。


リミックスにも注目「Remember the Time」


2曲目は『Dangerous』の第2弾シングル「Remember the Time」。アルバムの共同プロデューサーであり、ニュー・ジャック・スウィングの開祖でもあるテディ・ライリーと共に作り上げた、R&Bとヒップホップを融合させた躍動感のあるビートに美しいメロディが乗ったダンスナンバーだ。



「Remember the Time」(12インチシングル盤)(エピック/49 74201)


そのリミックスアルバムは、当時人気のリミキサーであるエリック・ミラー(E-Smoove)とスティーブ・“シルク”・ハーレーによるもの。


このアレンジも当時の空気を漂わせて楽しい。だがメインはB-2に納められたテディ・ライリーの手による12 Main Mix。これこそ彼が作りたかったであろう 「Remember the Time」であると、不肖は勝手に解釈している。とにかく出来栄えが素晴らしいのだ。



リメンバー・ザ・タイムのプロモ盤と12インチシングル盤(エピック/49 74201)


この 「Remember the Time」のシングルカットには、2枚組のプロモ盤が存在する。これにはさらに凄いヴァージョンが入っているのだが……。とにかく手に入らない!


不肖は偶然見つけて手に入れることができたが、一部傷などがあり、もう1セット買わねばと思っている次第。ココまでくると沼なのだが、それがいまだ入口だったりする……。


 超貴重!私家盤 「Man in the Mirror」


個人的に最も好きなマイケル・ジャクソンの曲が「Man in the Mirror」だ。アルバム『BAD』からの第4弾シングル曲で、『BAD』に収録されている曲中、自作ではない2曲のうちの1つである。


作詞は「I Just Can't Stop Loving You」のデュエット相手で、クインシー・ジョーンズの秘蔵っ子であるシンガーソングライターのサイーダ・ギャレット。「Man in the Mirror」でも、その歌声を披露している。


マイケル・ジャクソンはこの曲が気に入っていたようで、『Bad World Tour』、『Dangerous World Tour』、『THIS IS IT』のフィナーレに選んでいた。


そのUS盤12インチ・シングルを長年探し続けているのだが、見たことがない。そこで本稿では私家盤と思われる1枚をご紹介させて頂く。これこそが沼の中の沼である。



私家盤と思われる「Man in the Mirror」(MJMITM01)




 収録曲


この盤には、イギリス出身の世界的DJであるマーク・ロンソン主宰レーベルAllidoに所属するライムフェストによるヒップホップバージョンが収録されており、それもそれで面白いのだが、目玉はサイーダ・ギャレット本人によるアカペラ・バージョン。どこで録られ、なぜ収録されているのかもワカラナイが、これが感動モノの出来栄えなのだ。


ゴスペルのようなバックコーラスを従え、R&B系歌手らしさのある堂々としたパフォーマンス。でありながら、どこかマイケルっぽさを感じさせるところも面白い。ともあれクインシー・ジョーンズの秘蔵っ子と呼ばれる所以も理解できる1曲だ。


◇ ◇ ◇


と、3曲を紹介したが、思うのは「マイケルも凄いが、回りに集まった人もまた凄い」ということだ。


当時の世界最高峰の才能がキングの元に集まり、最高の音楽を創り上げた。それがマイケル・ジャクソンの音楽なのだと思う。レコードを通して、彼の“ヒストリー”を辿ってみてはいかがだろうか。



『HIStory: Past, Present and Future, Book I』(エピック/E3 59000)


関連リンク

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 フォステクス、8cmフルレンジユニット搭載のブックシェルフ型スピーカー「GS83A-VB」
2 180インチスクリーンと三式プロジェクターが共存する理想のシアター兼オーディオルーム。大和ハウスと実現した「三度目の正直」
3 ケンウッド、業界初のガラス振動板完全ワイヤレス「GLASS Core」。上位機「Pro」は「世界最高クラス」ノイキャン実現
4 パナソニックの4Kビエラは”黒の表現”を追求。『沈黙の艦隊』の吉野監督もお墨付き
5 厳格な位相と色づけのないGenelecのニュートラルサウンドで2chとイマーシブを縦横無尽に愉しむ
6 KEF「XIO」「LS50 Wireless II」聴き比べレビュー!テレビの音、強化するならサウンドバー?パワードスピーカー?
7 『ヘッドホンでもスピーカーでもない』新機軸パーソナル・シアター・スピーカー「SWIRE AURBIS」。9月上旬一般発売
8 サウンドクリエイト、伊RIVIERAのプリメイン「LEVANTE」を期間限定展示。6/21頃まで
9 オーディオテクニカ「AT-MCD1」を聴く。スタイラスチップー体型ダイヤモンドカンチレバー採用カートリッジの実力に迫る!
10 sudio、北欧デザインの骨伝導イヤホン「Sudio B5」。税込6900円
6/12 11:22 更新

WEB