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公開日 2026/08/14 06:30
大型モデル「SIGMA Pro」と合わせてレビュー

ドングル型では得られないパワーと機能。電流モードアンプ搭載の“弩級ポタアン”Questyle「M18i Max」を聴く

高橋 敦

「VGP 2026 SUMMER」ヘッドホンアンプ/ポータブル部門の各価格帯にて、Questyle「M18i Max」「SIGMA Pro」が受賞と金賞を獲得。コンパクトでシンプルなドングル型が中心の同部門において、大きめの筐体にバッテリー内蔵かつBluetoothレシーバー機能も搭載の両製品が高評価を得たことは特に注目に値するだろう。



M18i Max



SIGMA Pro(左から、ブラック、シルバー)


内容やサイズの印象としては、前者は「ポータブル機として最大級の内容とサイズ」、後者は「据え置き機級の内容にバッテリーまで追加した上でポータブル運用も可能なサイズに凝縮」だ。機能面での重なりは多くありつつも、その製品特性、フィットするユーザーはやや異なる。


であるがいずれも弩級、超弩級のポータブルアンプだ。ドングル型では得られないパワーと機能。それを必要とするユーザーの方々はぜひ目を向けてみてほしい。


M18i Max


今年6月発売で実売税込55,000円前後の「M18i Max」は、ドングルよりは大柄だが十分にポータブルの範疇なサイズ感には収めつつ、Bluetoothレシーバー機能搭載&バッテリー内蔵のマルチロールポタアンだ。 



 M18i Maxは手のひらサイズながらクリアさとパワフルさを両立


バッテリー駆動には、スマホ等のバッテリーを消費しない、電力供給の余裕を確保できるといった強みがある。また本機はメインと充電専用、2系統のUSB-C端子による「インテリジェント電源管理システム」も採用。普段は自宅の据え置きシステムに組み込んでおけば外出時にはバッテリーは充電済み!という、据え置き&ポータブルの二刀流運用もやりやすい。



上部の端子部分。3.5mmシングルエンド、4.4mmフルバランス出力にUSB-Cでの充電も可能


多機能と操作性の両立も万全だ。動作モードやゲインの切替には専用のスイッチとボタンが用意されており、メニュー操作や長押しは不要。動作状態や設定は高精細ディスプレイでいつでもさっと確認できる。



本体側面の操作スイッチ。シンプルな配置で直感的な操作が可能


そしてアンプはもちろん同社独自の電流モードアンプで、DAC部はESS ES9219Q×2のデュアル構成。DAC、プリアンプ、パワーアンプを一体設計する「TTA」構造により、トータルでも性能も引き上げられている。


サウンドについて様々な組み合わせで確認して総じて印象的だったのは、「艶やかなクリアさ」と「引き締められたパワー感」だ。


高域のシャープさに優れるイヤホンとの組み合わせでも、その強みをうまく活かしてくれる。例えば女性ボーカルの息の成分の鋭さはそのままに、しかし嫌な刺さり方にしてしまうことはなく、鋭さと柔らかなほぐれを併せ持つ声の魅力もしっかりと再現。ギターやシンセ等のエレクトリックなエッジの描写でも同じくだ。その「艶やかなクリアさ」の音像表現が全体の空間表現の豊かさと素直さにもつながっている。


中低域においては音に込めるエネルギー量が多く、しかしそのパワーで音像を膨張させてしまうことはないのが好ましい。極低音程まで使われるベースラインも引き締まった音像でくっきりと描写。この「引き締められたパワー感」は、強靭なグルーヴの再現はもちろん、音像を大柄にしないことで空間の余裕も生み出してくれる。


音の傾向は同社のドングル型ポタアンとも共通。しかしサイズの余裕とバッテリー駆動を活かしてひとつ上のステージに到達。


Questyleに期待される音を、その期待を超えて提供してくれるポタアンと言えるだろう。



Type-Cケーブルと Type-C to Type-A変換アダプタが付属



SIGMA Pro


対して去年11月発売で同143,000円の「SIGMA Pro」はハイエンド大型DAP的なサイズ感で、ポータブル運用には気合いが必要ではある。だがもちろんその気合に応えてくれるだけの超強力アンプだ。Bluetooth機能、バッテリー駆動とインテリジェント電源管理、電流モードアンプにTTA構造といったところはM18i Maxと重なる。その上でSIGMA Proならではの性格や位置付けは、端子周りを見るとわかりやすい。



 SIGMA Pro(右)とM18i Maxのサイズ比較


出力は3.5mmシングルエンド/4.4mmバランスに加え、6.35mmシングルエンドも用意。ハイエンドヘッドホンとの組み合わせも想定ということだろう。



本体下部の端子部分。3.5mmシングルエンド/4.4mmバランスに加え、6.35mmシングルエンドに対応


入力はUSBの他に3.5mmアンバランス/4.4mmバランスのアナログと光/同軸デジタルも用意。本機自体がES9069×2による充実のDAC部を持つ上に、外部DACの接続も想定されている。出力にはヘッドホン/IEMに加えてラインレベル出力への切替も用意。逆に本機をDAC/プリアンプとするパターンでも扱いやすい。これらは据え置き的な運用に向けた仕様と見てよいだろう。



本体上部の端子部分。 3.5mmアンバランス/4.4mmバランスのアナログと光/同軸デジタルも用意


そしてサウンドはシンプルに、M18i Maxと同傾向でさらに一段上のグレード!と表現できる。つまりまさにQuestyleポータブルアンプの音であり、その最高峰ということだ。


エネルギーの込め方については向上が特に著しい。ベースやドラムスの音は「高密度なエネルギー感」という感触にまで到達。一見すると普通の体格に、見せ筋ではなく実用的な筋肉が詰め込まれている、武の達人の肉体のような力感であり存在感だ。その力感が5弦ベースのローポジション、30Hz〜40Hz付近の超低域にまで及んでいる。大柄とはいえ、ポータブル機でだ。


ポータブルの範疇にギリ収まるサイズで、ポータブルの範疇を明らかに超えるサウンド。ポタアンというより「ポータブル含めて万能なアンプ」と考えるのがよいかもしれない。



本体下部には操作ボタンとディスプレイを配置



さて、では最後にもう一点、付け加えておこう。


両機は共にはAppleのMFi認証、SonyのLDAC認証、QualcommのSnapdragonSound認証の全てを取得している。




 パッケージのMFi認証(M18i Max)



SnapdragonSound認証 (M18i Max)



現状から将来までの安定動作という基本中の基本。そこをおろそかにしないQuestyleの製品だからこそ、M18i Max、SIGMA Proは特段の信頼に値する。




 

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