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公開日 2025/11/21 06:30
Sound by Bose開発秘話から実機による音質レビューまで

この価格はホント? Sound by Boseで高コスパ、Baseus最上位イヤホン/ヘッドホン「Inspireシリーズ」まるごと聴いた

山本 敦

Baseus(ベースアス)から気合いのこもったフラグシップ “Inspire(インスパイア)シリーズ” が誕生した。米国の老舗オーディオブランドであるBose(ボーズ)と、サウンドチューニングに加え、多方面に渡る技術協力を図った「Sound by Bose」のエンブレムを冠するプロダクトだ。



“Inspireシリーズ”ワイヤレスイヤホン「Inspire XC1」(左下)/ワイヤレスヘッドホン「Inspire XH1」(上)/ワイヤレスイヤホン「Inspire XP1」(右下)


デジタルアクセサリーのブランドとして今もヒット商品を連発するベースアスは、2011年に創立、2010年代に急成長を遂げた。


その間、中国に自社工場を構えて、世界トップクラスのオーディオブランドから信頼を勝ち取り、OEM受託企業として経験と実績を積む。2019年にはオーディオ事業部を立ち上げ、自社ブランドでグローバルにオーディオ製品を展開。自国で高い評価を受けた後、満を持して2024年から日本市場に本格進出を果たした。


ベースアスのオーディオ製品は、時代の最先端にあるテクノロジーを積極的に取り込みながら、専任のオーディオエンジニアリングのチームが音質から使い勝手まで、入念に練り上げながら開発している。製造を自社工場で行えるため、ハイグレードな製品をライバルよりも安価に商品化できることが大きな強みだ。




2024年上半期には、ベースアスは完全ワイヤレスイヤホンの世界出荷シェアの約3%を獲得 ※出典:Canalys Smart Personal Audio Analysis



中国に5つの工場を構え、さまざまなデジタルガジェットを自社製造



技術力を活かして「Sound by Bose」を高次元に実現した


そんなベースアスのフラグシップ、インスパイアシリーズの構成は、ANC搭載のワイヤレスヘッドホン「Inspire XH1」、アクティブノイズキャンセリング(ANC)搭載のワイヤレスイヤホン「Inspire XP1」、そしてイヤーカフ型のワイヤレスイヤホン「Inspire XC1」の3モデルとなる。


Sound by Boseを展開する製品はベースアスの他からも発売されているが、多くの場合はサウンドチューニングとマーケティング戦略における協業がメインだ。ベースアスの場合、ボーズが求めるサウンドやANCの厳しい基準を満たしつつ、さらに小さな部品のエンジニアリングまで含む、製品設計のあらゆる面に渡る深い技術協力を行っている。


ボーズとの初めての協業を成功させるために、ベースアスのエンジニアリングチームは米国のボーズの開発拠点に長期間身を置いて、膝を突き合わせながらコラボレーションをやり遂げたという。Sound by Boseの厳格なガイドラインに従いながら、ベースアスは音づくりとものづくりの双方に独自の創意工夫を盛り込んだ。



「Inspire XC1」(コズミックブラック/スターライト オフホワイト)




「Inspire XH1」(コズミックブラック/スターライト オフホワイト)




「Inspire XP1」(コズミックブラック/スターライト オフホワイト)


たとえば、ボーズから提示されたオーバーイヤー型ヘッドホンのリファレンスには折りたたみ機構が含まれていなかった。ベースアスのエンジニアは、ポータブルヘッドホンの携帯性をより高めるために、よりコンパクトに折りたためる機構をXH1に盛り込んだ。ヘッドバンドのスライダー部分の金属パーツは肉抜きを行い、剛性を保ちつつ軽量化した。


ANC搭載ワイヤレスイヤホンのXP1は、耳のサイズが比較的小さなアジア人のユーザーも快適に身に着けられるように、チャンバーのサイズを小さく設計している。耳にストンと収まるような装着感がいい。



XH1はコンパクトに折りたためる機構を備えている




XP1は何千回もの人間工学シミュレーションを経て本体前後の空洞比率を設計。耳から外れにくく快適にフィットするデザインに仕上げた


3モデルそれぞれの音づくりと注目ポイントをチェック


インスパイアシリーズの3モデルの実力を試した。XC1、XH1がLDACによるハイレゾワイヤレス再生に対応しているので、リファレンスのスマホは「Google Pixel 10 Pro XL」に統一している。


繊細なボーカルと広大な音場を描くイヤーカフ型「XC1」


XC1はイヤーカフ型のワイヤレスイヤホンとして世界で初めてデュアルドライバーを搭載。10.8mm径のダイナミックドライバーとBAドライバーを1基ずつ載せ、鋭くパワフルな低音と抜けのいい中高音を両立している。



低域用にダイナミックドライバー、中高域用にKnowles製のBAドライバーを搭載した独自の「ハイブリッド2Wayサウンドエンジン」を採用


Amazon Music UnlimitedでOfficial髭男dismの『I LOVE...』を聴いた。ボーカルの音像が立体的に描かれる。ハイトーンの余韻がきめ細かく、質感がとても艶っぽい。熱気に満ちたベースラインが足もとを固め、パーカッションの音色が軽やかで粒立ちも鮮明だ。広大なサウンドステージに広がるシンセサイザーの和音に柔らかく包まれる。オープン型のイヤホンで聴いていることが信じられないほど、バンドの演奏がぶ厚く充実している。


機能面では4マイクのAIノイズリダクションにより明瞭な通話音声が得られる。長時間の装着をサポートするエアクッションにより、ビデオ会議の間イヤホンを装着し続けても疲れにくい。IP66の防水対応により、ワークアウト中の使用で汗をかいたとしてもメンテナンスが簡単だ。最大40時間の連続バッテリー駆動も頼もしかった。



本体はイヤーカフ型。肌にやさしいリキッドシリコン製のエアークッションや、耳の形状に合わせてフィットするアダプティブリング構造で、装着感を高めた


「XH1」はパワフルながら自然なバランスのヘッドホン


ワイヤレスヘッドホンのXH1は飛行機に乗って試した。ANCはパワフルでありながらプレッシャーがキツくない。本家であるボーズのノイズキャンセリング機能を搭載するヘッドホンよりも消音感のバランスが自然で、映画や音楽の音場がくっきりと見晴らせる手応えがあった。ボーカルの繊細な表情にもフォーカスが合う。



高感度バイオセルロース振動板を搭載した、35mmダイナミックドライバーを採用


再生するコンテンツ、リスニング環境によっては低音の線をもっと太くして聴きたい場面があった。専用モバイルアプリのEQを立ち上げて、プリセットの「低音強化」「ジャズ・ロック」を選ぶと音の輪郭が鮮やかさを増す。ユーザーが任意に設定/保存できる8バンドカスタムEQも上手に併用して、好みのバランスに追い込める。



専用の「Baseus」アプリにてEQプリセット6種と、ほぼ無段階に調整が可能な8バンドカスタムEQを用意


ANC搭載、多彩な描写力と装着のフィット感が心地いい「XP1」


XP1はインスパイアシリーズの中で、唯一LDAC非対応のイヤホンだ。しかしながらサウンド傾向は、シリーズ他モデルと丁寧に揃えられている。Official髭男dism『I LOVE...』を聴くと、活き活きとしたメロディの躍動感がとても気持ちいい。ボーカルの輪郭表現は繊細で、多彩な表情を描き出す力はボーズのANC搭載ワイヤレスイヤホンと比べて勝るとも劣らない。



高感度PEEK層がクリアな高音域を、柔軟なPU層が力強い低音を再現するPU+PEEK複合振動板を搭載した10mmダイナミックドライバーを採用


ベースアスのエンジニアがこだわったというXP1のフィット感は期待以上に心地よかった。長時間リスニングの疲労感とも無縁に過ごせる。アプリからアダプティブANCを設定すれば、自動で環境に合わせて最も心地よい消音バランスに整えてくれる。



アダプティブANCはアプリから調整できる。トランスペアレンシー(外音取り込みモード)との切り替えはタップ操作で可能なほか、ほかのジェスチャー操作も自由にカスタム可能


ベースアスのインスパイアシリーズに触れると、Sound by Boseという枠を超えて、貪欲に進化を続けるベースアスの底力が伝わってくる。ぜひ多くの方々にこの体験を味わってもらいたい。





[SPEC]
Baseus「Inspire XC1」:税込23,800円
●通信方式:Bluetooth Ver.6.1 ●対応コーデック:SBC、AAC、LDAC ●連続再生時間:約8時間(充電ケース併用で40時間)●質量:約6g(イヤホン片耳)


Baseus「Inspire XH1」:税込31,800円
●通信方式:Bluetooth Ver.6.1 ●対応コーデック:SBC、AAC、LDAC ●連続再生時間:約65時間(ANCオン)/100時間(ANCオフ)●質量:約273g


Baseus「Inspire XP1」:税込22, 800円
●通信方式:Bluetooth Ver.6.1 ●対応コーデック:SBC、AAC ●連続再生時間:約8時間(充電ケース併用で45時間)●質量:約5.8g(イヤホン片耳)




(提供:ベースアステクノロジージャパン)

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