トップページへ戻る

ニュース

HOME > ニュース > モバイル/PCニュース

公開日 2022/08/01 15:40
バックアップはこまめに取りましょう

米議会襲撃に関するメール、政府機関による紛失は「アップルの暗号化」原因か【Gadget Gate】

多根清史
iPhoneのiMessage(メッセージアプリ)は厳重な暗号化によりプライバシーを保護しているが、それが仇になることもあるようだ。米シークレットサービスが、2021年1月6日の連邦議会襲撃事件に関するテキストメッセージを紛失してしまい、その原因の1つがiMessageを使っていたためだと報じられている。

Image:oasisamuel/Shutterstock.com

米政治メディアPoliticoによると、原因の1つは同機関が導入した新型のモバイル端末管理システムが、iMessage内の暗号化されたメッセージにアクセスできなかったためだという。このシステムは各職員のモバイル端末内にある電子メールや写真などのデータを自動的にバックアップして一元管理するものだが、アップルの暗号技術は突破できなかったようだ。

そのため、それぞれの職員がiPhoneをリセットする前に手動でバックアップを取っておく必要があった。しかし、多くのメンバーがこれを怠ったまま、新たな管理システムへと移行した。その結果、iMessageを通じたすべてのテキストメッセージが永遠に失われてしまったわけだ。

シークレットサービスは、今後このようなことが起こらないように、全職員に支給したiPhoneでiMessageの使用停止を検討しているという。もっとも、同機関の広報担当者は「どのような措置を執るのであれ、我々の警護や捜査の任務に悪影響を与えないようにしたい」と述べ、「他の技術的な解決策も検討している」とも付け加えている。つまり、決定事項ではないようだ。

実際にシークレットサービスがiMessageを無効にすると、他の機関との緊急連絡に支障が出るとの懸念も伝えられている。実際、1月6日の当日にも議会警察の署長がシークレットサービスの職員に助けを求めるメッセージを送っていたそうだ。

シークレットサービスは、大統領の警護という広く知られた任務に加え、多くの複雑きわまるサイバー犯罪の捜査を指揮する部署でもある。そうした立場にありながら、重要なデジタルデータのバックアップを取っていなかったことに対して、サイバーセキュリティの専門家らも驚きを露わにしている。

米政府のセキュリティ部門でさえ破れないアップルの暗号技術は、あらためて堅牢性が証明された格好だ。もっとも、まさに1月6日の暴動に参加した人物がiPhoneを海に投げ捨てたものの、iCloudデータが裁判の証拠として採用されたこともある。アップルのエコシステムは、政府にとっても犯罪者にとってもままならないようだ。

Source: Politico
via: 9to5Mac

テック/ガジェット系メディア「Gadget Gate」のオリジナル記事を読む

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 Apple Musicも聴ける高コスパ ネットワークプレーヤーeversolo「DMP-A8」。音質と使いこなしを徹底検証
2 Amazon Prime Videoの人気8チャンネルが2ヶ月間99円に!GW期間中キャンペーン
3 「キャリブレーション」で4Kテレビの真価を引き出す!有機ELと液晶モデルで実践してみた結果
4 『鬼滅テレビ -柱稽古編放送直前SP-』5/4 13時25分から無料配信
5 オスカー受賞『ゴジラ-1.0』4K UHDをフラゲ!特典盛りだくさんのパッケージ開封の儀
6 Beats、ブランド史上最小の完全ワイヤレス「Solo Buds」。ケースにバッテリー非搭載
7 ソニー、4スピーカーで立体音響を実現するシアターシステム「HT-A9M2」。新スピーカーで高音質化
8 コンパクトでハイコスパ、そして音が良い! Kanto Audio「YU2」がデスクでのスピーカー再生を楽しくする
9 明るく低遅延な4Kプロジェクター「X300G」がゲームプレイに最適!映像モードもゲームジャンルに最適化
10 クリプトン、内部配線材と吸音材を強化したピアノ仕上げ・密閉型スピーカー「KX-0.5P II」。バイワイヤリングも対応
5/1 11:17 更新

WEB