公開日 2026/05/19 06:30

ストリーミングサービスでも解像度や空間描写性を追求。ネットワークオーディオの楽しみ方 ー角田郁雄氏の場合ー

DEVIALETとPlayback Designsのシステムを構築

「One Speaker, One Amp」を実践

日本でもQobuzが正式にスタートし、続々登場するネットワークプレーヤーが多くの愛好家を魅了している。私もその一人であり、2階の趣味の部屋では、セパレートアンプとプリメインアンプの2つのシステムを切り替えて、ストリーミングサービスを楽しむシステムを構築している。

角田郁雄氏とDEVIALET「ASTRA “Opera de Paris”」

そのメインとなるのは、私が提唱する「One Speaker, One Amp」システム。メインスピーカーはカナダ・PARADIGMの「Persona 7F」、コアとなるネットワーク・プリメインアンプは、フランスのDEVIALET(デビアレ)の最新モデル「ASTRA “Opéra de Paris”」である。

同社の製品が日本に登場して以来ずっと気になる存在であり、この度自宅に導入することとなった。

新たにスピーカーにはParadigmの「Persona 7F」を導入。パワーアンプはBurmesterの「911Mk3」で、後述するJeff Rowlandのプリアンプと組み合わせて使用している

その魅力は、優れたネットワーク制御とデジタルオーディオ回路に加えて、ADHという出力段を装備することだ。これは、A級出力段(DACのフィルター回路を兼ねる)とD級アンプをハイブリッドした独自の出力段である。

これが飛躍的に進化を遂げ、ダンピングファクターは2000。超低歪みと-117dBという高いS/N、DC〜80kHz(±2.3dB)というワイドレンジ再生も実現した。DACからスピーカー端子までの距離は、上下基板を重ね合わせているため、何と5cmという短さ。さらに、スピーカーとのマッチングを調整できるSAM機能により、「Persona 7F」のウーファー制動力を高めている。

肝心なQobuzの音質は、透明度の高い濃厚な音質が特徴で、高出力なA級パワーアンプと同様の豊潤な倍音を再生し、強力にダブルウーファーをドライブしている。中高域の伸びも良く、録音の良い音源を再生すると、眼前に生演奏が展開している感覚となる。

ゴールドの仕上げは目にも美しく、専用リモコンの操作性も品位高い

再生アプリはDEVIALETの専用アプリと「mconnect Player HD」を併用。Qobuzはもちろん、DELAのミュージックライブラリからのローカルファイル再生も活用している。

音楽空間を贅沢に楽しむために、部屋の明かりを消し、中央のスポットライトだけを残す。音量調整は、タブレットを見ずとも、美しいリモコンでも可能だ。

Opéra de Parisのゴールド仕上げの美しさは惚れ惚れするほどで、Duo(モノラル仕様)のためにもう一台増やしたい気持ちになってしまっている。

Playback Designsはアナログテープのように滑らかで豊潤な音

もうひとつのセパレートシステムは、Playback Designsの3筐体システム。ネットワークトランスポート「MPS-X」に、SACDプレーヤー「MPS-5 Limited」をDACとして使用している。

MPS-XからMPS-5へは、同社の光ファイバー接続であるPLINKで接続し、ネットワーク回路と完全に縁を切り、伝送ノイズを排除している。さらに、同社の「Syrah Server」も組み合わせている。

右列がPlayback Designsのネットワーク再生システム。上からネットワークトランスポート「MPS-X」、SACDプレーヤー「MPS-5 Limited」、その下が「Syrah Server」

こちらも再生アプリは「mconnect Player HD」を使用する。プリアンプはJeff Rowlandの「Corus+PSU」、パワーアンプは、Burmester「911Mk3」。

ネットワーク環境で工夫していることは、ミュージックライブラリ、光ファイバー接続のスイッチングハブ(DELA「S100」)などの機器の電源アースをとらない方式にしている。これにより、ネットワーク周辺機器とオーディオ機器の筐体間アースを分離し、伝送ノイズが避けられるのだ。

このシステムの魅力は、Playback Designsの独自アルゴリズムによる50MHz DSD再生に尽きる。すべてのQobuzやダウンロード音源が50MHz DSD再生できることは実に魅力的。

その音は、アナログテープの音のように、滑らかで豊潤な音であり、ワイドレンジ。MPS-X内部のジッター低減回路やリクロック回路の効果により、解像度や空間描写性が格段に高まり、静寂感も増し、音楽にさらなる深みを感じさせている。

Playback DesignsのDAコンバーターでは、入力された信号はすべてDSDに変換、50MHzまでアップサンプリングされたのちに、アナログ変換を行う。それはQobuz等のストリーミング音源についても同様

広く深い空間描写を実現するPARAGIDM

新たに導入したスピーカー「Persona 7F」についても触れておこう。極めてカラーレーションの少ないスピーカーで、ベリリウム振動板を中高域に使っているにもかかわらず、弦楽の響きはソフトドームやペーパーコーンと同等に生音に近い音を実現。オケのヴァイオリン・パートでは、膨らみある木質感やシルク、ビロードのようなきめ細かな響きを鮮明にする。

一方、これとは真逆の金属の響き、例えばトランペット、ホルンなどの金管楽器やシンバルのような金属パーカッションも得意とするところで、私の好きなマイルス・デイビスのトランペットをヴィヴィッドに、朗々と再生してくれる。ドラム表面の質感までリアルに再生するところも特徴。またヴォーカルは肉声のように生々しい。

さすが、長年カナダの研究機関等とコラボして開発されたスピーカーだけのことがあり、可能な限り、振動板の固有音を排除している。さらに理想の低音実現と歪み低減のため、ウーファーの磁気回路(ボイスコイル、マグネットなど)を前後に配置したディファレンシャル(差動)磁気回路を搭載。ウーファーを高速レスポンスで駆動し、量感たっぷりの低音を高い音圧で再生してくれる。さらに、キャビネット構造と形状により、スピーカー背後に広く深い空間描写を実現してくれる。

まさにカナディアン・スタジオモニターの資質を持つスピーカーと言えるだろう。

Jeff Rowlandのプリアンプ「Corus+PSU」 

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 「アナログレコードが一番音が良い」“メタルゴッド”伊藤政則さんの愛聴盤を、現代UKハイエンドシステムで聴く!
2 ネットワークオーディオの音質改善に効く!アクセサリー導入の指針を解説(1)
3 リミックスで新たな魅力を構築した、浜田省吾50周年記念盤。田家秀氏による解説&試聴イベントが開催
4 アッカ、YG Acouticsの「TITAN」「SonjaXV3」など6/15から価格改定
5 Melody Wings、独自の通気機構を備えた6ドライバー/トライブリッドイヤホン「Neptune」
6 フルテック、一部製品を6/1より価格改定。NCFアクセサリーやコネクタなど計102製品
7 Google検索でファイルウェブのニュース記事が見つけやすくなる便利機能。「Preferred Sources」ご登録のオススメ
8 トップウイング、未使用SFPポートを終端・シールドしてえる「SFPmute」
9 BLUESOUND、専用赤外線リモコン「RC1」の価格を8/1より改定
10 Roon、11周年を記念した期間限定"11週間1ドル”キャンペーン。対象は新規ユーザーに限定
5/19 10:09 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー200号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.200
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • analog Grand Prix