公開日 2025/12/29 07:00

【今年の素敵なお買い物】歌う電源ケーブル、念願のティグロン“White Tiger”を入手。園田洋世さん

音場の奥行きを深く深く聴かせる

PHILE WEBのライター陣の今年の購入した「お気に入りアイテム」を披露!毎週月曜日更新の<オーディオアクセサリーひとくちレビュー>でお馴染み、園田洋世さんのお気に入りはティグロンの電源ケーブル“白虎”。ホワイトとブラックのシースもかっこいい、フラグシップ・電源ケーブルの効果のほどは?

TIGLON 電源ケーブル「TPL-3000A-WT “White Tiger”」(価格:363,000円/1.2m、396,000円/1.8m・以下税込)

3回試聴して、やっぱり欲しい電源ケーブル

オーディオ評論家にとってオーディオ製品の試聴はもちろん仕事である。ただ言い方を変えれば仕事と称して色々なオーディオ製品を試せるわけでもあるので、お察しの通りオーディオマニアとしては毎日が楽しくて仕方がない。

だが製品のなかには、仕事でも気安く聴かない方が身のため、というものもある。価格が高いのですぐに買うのは難しいのにも関わらず、音が素晴らし過ぎて外したあと寂しくて仕方がなくなるもの(=つまり欲しくて仕方がなくなるもの)、がそれだ。聴いたが最後、というやつだ。

そういう製品を仕事で試聴できることというのは果たして役得なのか、それとも…? 私はときどきわからなくなる。しかし去年(2024年)自宅試聴してしまって以来ずっと欲しくて仕方がなかったそういう製品のひとつ、ティグロンのフラグシップ電源ケーブル「TPL-3000A White Tiger」(以下White Tiger)を、今年になってやっと念願果たして自宅に導入することが叶った私がいま、幸せに浸っていることだけはたしかである。

White Tigerは2024年の発売以降3回、自宅で試聴していた。3回とも「この音に耳が慣れたら大変なことになる」と慌てて外している。そもそもWhite Tigerは、以下のように内容からしてティグロン入魂の凄まじい電源ケーブルだ。

(1)導体は幻の導体とも言われるディップフォーミング無酸素銅(米国GE社が開発したディップフォーミング製法の無酸素銅で、かのウエスタンエレクトリック製アンプの内部配線に採用されていた)
(2)シールドは外部からのノイズを強力に遮蔽する世界特許取得の「マグネシウムシールド」
(3)安定したエネルギー伝送を実現する特許申請中の新技術「Photon Technology」と、複合共振を抑制する「D-REN シース」を搭載
(4)プラグ・IECコネクターにはフルテックのフラグシップ「FI-50 NCF(R)」・「FI-50M NCF(R)」を採用
(5)完成したケーブルには最新技術「H.S.E. exclusive」によるバーンイン処理

…導体のクオリティから電磁波・振動・静電気対策に至るまで、すべてがまさに究極なのである。

アナログ盤を聴くような深い奥行きが生まれる

音も究極。とにかく素晴らしい。White Tigerを繋ぐと、デジタルを再生しても音場にアナログのオリジナル盤で聴くようなあの深い深い奥行きが生まれる。私が特に重視する音場と音像の立体感は、音場の深い奥行きなしには実現しないのだが、White Tigerほどに音場の奥行きを深く、そして音場と音像の見事な立体感を聴かせる電源ケーブルは実際稀有である。

マランツのSACDプレーヤーの電源ケーブルとして使用

さらに、超絶高解像度ながら耳障りな成分は皆無。S/Nも抜群に高く、音色の明暗レンジ・質感の硬軟レンジはきわめて広い。

だから何を聴いても実に楽しい。例えばTokimonstaのアルバム『You're Invited』。White Tigerを繋いでこのアルバムを聴けば、どの曲でも多彩な電子音が驚くほど立体的に造形されかつ立体的に定位することに驚かれるだろう。

あるいは、陽性の曲にのってピンポン球や石ころ他色々な物体が硬い床に落ちては弾む音が続くYosi Horikawa「Bubbles」のような曲は、各音像の立体定位するさまが文字通りエンターテイメントとして楽しめるほどである。

また、古楽特有の子音成分のキツさをどうにかしようとすると空間を狭くしたり響きをデッドにしたり、さらには解像度まで落としてもしまいがちなキアロスクーロ四重奏団のハイドンを聴けば、スカーッと拡がる録音空間に満ちる実に生々しいエアー感と、ノイズに由来する耳障りな成分だけが取り除かれつつ古楽本来の豊穣な音色と質感が一切のぼやかしや欠落なくヴィヴィッドに伝わるさまに、強く心震わされることだろう。

電源タップへの接続部分

古い録音を再生しても素晴らしい。ディップフォーミング無酸素銅は元来ヴィンテージ的なダークな音色と柔らかい質感を特徴とすることもあって、古い録音を現代ハイファイシステムで再生したときにともすればありがちな、いわゆる録音のアラばかりが目立つ妙に明るくて硬い音にすることはない。

しかしそれだけではない。White Tigerは、おそらく上記した「H.S.E. exclusive」によるバーンイン処理が相当効いているのだろう、音色の明暗レンジと質感の硬軟レンジが広大で、音色の明暗バランスと質感の硬軟バランスが暗方向・軟方向にのみ偏ることがない。なので例えば古いジャズの強くて硬いシンバルを軟弱にして台無しにしたりするようなことも決してないのである。そしてアナログでオリジナル盤を再生すればその音場の深い奥行きがよりいっそう深いのだ…。

かくして、我が家の音は大幅にグレードアップを果たした。日増しにほぐれて伸びやかに歌うようになっている。新しい地平が開かれた。開かれてしまった。

園田氏の自宅リスニングルーム。White Tigerの設置の全体図

いまWhite Tigerは上流機器に繋いでいるが、もう1本加えてアンプにも繋いだらどうなるだろう? 新しい地平線のさらに向こうに行きたい。もっと遠くへ行きたい。困った。もう1本買いたい。

園田洋世さんの今年の注目記事!

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