公開日 2025/12/18 15:28

「ゴジラAR ゴジラ VS 東京ドーム」を体験。目の前に実物大で現れる“圧倒的ゴジラ”の臨場感

東京ドームシティで展開中
出水 哲
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(株)東京ドームとGraffity(株)は、世界初の巨大ランドマーク一体型ARアトラクション「ゴジラAR ゴジラ VS 東京ドーム」を共同開発した。東京ドームシティ アトラクションズのバイキングゾーンで体験可能だ。

ゴジラAR ゴジラ VS 東京ドームは、最新のAR(拡張現実)技術とヘッドマウントディスプレイを用い、目の前に実物大のゴジラが出現するアトラクションだ。東京ドームシティに設けられた屋外スペースで、視界いっぱいに広がり、見上げるほどの巨大なゴジラ。大気を震わす咆哮、大迫力の熱線―― “現実” と “仮想” が重なり合うことで生まれる、映画のワンシーンに入り込んだかのような臨場感と緊張感を体験できるという。

さらに、本アトラクションのゴジラの3Dモデルおよびアニメーション制作は、『ゴジラ-1.0』『シン・ゴジラ』を手掛けた(株)白組が担当。同社の上西琢也氏が製作した『ゴジラ VS メガロ』『ゴジラ VS ガイガンレクス』に登場するゴジラを採用しているそうだ。

全長100mの “自分の視点で見上げる” ゴジラが、ARで再現されている

「本物を作りたい」 3年の月日をかけて開発

アトラクション提供開始に先駆け、「ゴジラAR」についてのメディア向け発表会が開催された。

発表会では、(株)東京ドームの代表取締役社長 COO長岡 勤氏と、新規事業室 下山大輔氏、さらにGraffity(株)代表取締役CEO 森本俊亨氏が登壇し、「ゴジラAR」開発の背景と狙いや協業の経緯等について紹介してくれた。

長岡氏は、「個人的には、やっとこの瞬間が訪れたなという気がしています。というのも、この企画を始めてから3年ぐらい経っています。もともと東宝さんと協議して、ゴジラを使ったXRのアトラクションを作ってみたいというところから始まりました」と説明。

さらに続けて「Graffityさんと製作を進めていく中で、“本物をつくりましょう” という提案が出てきて、白組さんにも参加いただきました。皆さんゴジラについて映画のイメージはお持ちだと思いますが、具体的な大きさはなかなか実感できていないと思います。そこについて今回は、ARでどれくらい大きいかを感じていただけます。さらにその大きなゴジラを最大10人で体験してもらえる、ここが一番のポイントになっています」と、アトラクションの魅力を解説してくれた。

左から、(株)東京ドーム 代表取締役社長 COO 長岡 勤氏、同 新規事業室 下山 大輔氏、Graffity(株) 代表取締役CEO 森本俊亨氏

テクノロジーを用いて熱狂体験の場を創出

続いて下山氏は、「東京ドームは、野球やライブといった体験を通じて、人と人の繋がりを生み出してきました。近年はAI等の登場もあり、日常の中に行動や感動が入り込む余地が少なくなっていると感じています。そこでは熱狂体験が重要で、今回はテクノロジーを用いて思い出に残る場を提供することを考えました」と、「ゴジラAR」の狙いを解説してくれた。

なお東京ドームではこれまでも「XRミッション バトルワールド2045」「Space Travelium TeNQ」といった没入型LBE(ロケーション・ベース・エンターテインメント)やロケーションベースXRも開発してきている。今回の「ゴジラAR」もXR戦略の一環とのことで、今後も新たな挑戦を続けていくとのことだった。

今回のアトラクションでARを選んだのは、現実の建物と対比することでゴジラのサイズ感を知ってもらいたいという思いからとのこと。開発陣は何回も東京ドームシティに足を運んで、現場の風景を確認したそうだ

“そこにゴジラがいる” という空気感を目指した

ARによる表現の狙いについては、Graffityの森本氏が紹介してくれた。Graffityは「空間ゲーム事業」「AR技術を活用した新規事業・施策支援」「Apple Vision Proアプリ開発支援」などを手掛けている会社だという。

森本氏は「今回は、“圧倒的な臨場感” と “そこにゴジラがいる” という空気感を目指しました。ARを使って現実世界と対比をすることで、ゴジラがどれくらい大きいかを直感的に体験してもらえるはずです。その “デカいゴジラ” が近づいてきて、こちらに敵意を向けると怖さも倍増します。

今回はヘッドセットの「Meta Quest 3」によるAR映像とヘッドホンの立体音響で視覚と聴覚を、同時に振動デバイスも体感いただくことで、現実世界とゴジラを連動させます。10人まで同時にプレイできますから、友人や家族と同じ空間、同じ臨場感を体験していただけます」と、コンテンツの中身に応じた技術の使い方にも言及していた。

“ゴジラの空気感” を体験してもらうために、AR映像と立体音響、振動デバイスの3つのアイテムを組み合わせている

一足先に「ゴジラAR ゴジラ VS 東京ドーム」を体験!

森本氏の紹介側も分かる通り、今回の企画で特徴的なのは「AR」を使っている点だろう。体験者はヘッドセットとイヤホン、さらに振動デバイスを首から下げてはいるが、いずれも外界を遮断するわけではない。現実世界にいることを意識しながら、同時にゴジラのスケール感や咆哮、足音まで体感できるのは、確かに新しい提案だろう。

ということで、発表会に続いて行われた「ゴジラAR」体験会にも参加させてもらった。担当スタッフから注意事項の確認があり、その後ヘッドセットやイヤホン、振動デバイスを装着する。

Meta Quest 3のディスプレイには自分の周囲のパススルー映像が表示されるので(輝度や色調は変化するが)、ヘッドセットを付けた状態でも、自分が東京ドームシティにいること/周囲に同じくアトラクションに参加している仲間がいることが認識できた。

全員の準備ができると、いよいよアトラクションがスタート。今回は海から上陸したゴジラを撃退する地上部隊の一員という設定で、最前線(ゴジラの足下!)に立っていることになる。

ゴーグルのMeta Quest 3(左)と振動デバイス(右)。これにヘッドホンを加えた3点セットで、没入感に優れたAR体験を実現している

現実の建物を超える巨大ゴジラが出現!胸元の振動も臨場感を演出する

AR画面上に表示される本部からの司令を確認していると、胸元の振動デバイスが揺れ、ヘッドホンからも足音が響いてきた。見上げてみると東京ドームホテルをはるかに超える高さからゴジラがこっちを見下ろしているではないか!

今回のゴジラは全長100mということで、確かにとんでもないサイズと迫力だ。上空を飛ぶ迎撃用ヘリも高さ感があって、臨場感をサポートする。また、ゴジラの熱線がジェットコースターに触れるとそこから炎が上がるあたり、ARのメリットが活かされている。

アトラクション自体は10分ほどで、コンテンツの一部では迎撃部隊のメンバーとして積極的に参加するパートもあるので、思わず引き込まれてしまう。ゴジラの造詣は『シン・ゴジラ』のイメージに近く、ゴジラファン同士で参加したら、体験後に色々語り合いたくなるだろう。

オーディオビジュアル的には、もう少しゴジラのディテールを見たいという気もしたが、ここはMeta Quest 3の解像度の問題かもしれない。しかしこの臨場感、没入感はなかなか味わえないもので、“熱狂体験” としてARの可能性を強く感じさせてくれる。ゴジラファン必見のアトラクションだ。

「ゴジラAR ゴジラ VS 東京ドーム」の体験イメージ。ゴジラファン同士で出かけたら、盛り上がること間違いなし

「ゴジラAR ゴジラ VS 東京ドーム」

●場所:東京ドームシティ アトラクションズ内 バイキングゾーン(屋外)
●料金:1,300円(税込)※ワンデーパスポート・ライド5・アトラクション1回券・イルミライド3・東京ドームシティ まるごとパスポート対象
●体験時間:約10分
●利用規定:10歳以上(10 - 12歳は保護者の同意と同行が必要)
●利用定員:10名

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