PR 公開日 2024/08/22 06:30

AVIOT「TE-ZX1」はクラシック音楽をどう表現する? 専門家・飯田 有抄さんが聴き込んだ

クラシック3作品で率直にレビュー!

「TE-ZX1」のクラシック試聴レビュー! 演奏編成の異なる3作品を聴く



それでは試聴インプレッション。今回はそれぞれ演奏編成が異なる3つの録音作品を、実際にTE-ZX1で聴いた印象をレビューしてみたい。

なお、再生デバイスにはGoogleの「Pixel 7」を用いて、高音質コーデックLDACで試聴。また通常のTE-ZX1に加えて、ロックバンド「凛として時雨」のピエール中野氏がデザイン/チューニングを監修したモデル「TE-ZX1-PNK」も合わせて聴いてみたので、そちらの印象もお届けしたい。

ピエール中野氏監修モデル「TE-ZX1-PNK」(49,500円/税込)も合わせて試聴した

【ピアノ独奏『リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S178』吉見友貴(ピアノ)】


演奏時間におよそ30分を要するピアノソナタの傑作。ヒロイックな曲想、悪魔的な超絶技巧、夢見るように甘いモノローグなど、1曲の中に多様なキャラクターが存在する。

TE-ZX1で聴くと、冒頭の緊張感あふれる弱音表現の中に、ダンパーペダルの繊細な使用による音のわずかな滲みも感じさせ、デリケイトな表現力で驚かせてくれた。低音域の音色が深く、芯のある響きを聴かせてくれる。

次第に音数が増え、各音域のパッセージが多層的に鳴り響く場面では、全体的にバランスの良さが感じられた。また、奏者のタッチコントロールのスピード感にも応じ、温かみのある音色作りから硬質なアタック、伸びやかな和音などの音色の変化を、精細に描き分けてくれた。

温かみのある音色作りから硬質なアタック、伸びやかな和音など音色の変化を精細に描き分ける

やや気になった点を挙げるとすれば、強音側におけるダイナミクスの頂点で、若干の「頭打ち」を感じるところ。響きそのものは立体的であり潰れてはいないのだが、量感的にはどこか “ならされている” 印象も受けるかもしれない。

あわせて、TE-ZX1-PNKでも聴いてみた。TE-ZX1とは外観や音質チューニングが異なり、ロックやポップスなどのバスドラムの重低音が厚く表現され、メリハリの効いたサウンドを楽しめるモデルである。

クラシックで使用される楽器の低音域は、ロックのバスドラムよりも上の帯域となるのが実情だ。よって、重低音効果はロックほど明確には捉えられないものの、高音域の音色の質感はZX1と大きく変わり、全体的に硬質系のサウンドとなった。ダイナミクスは全体的に引き締まった印象だ。

【ピアノ三重奏曲(ピアノ/ヴァイオリン/チェロ)『ブラームス:ピアノ三重奏曲 第1番 ロ長調 Op.8 第1楽章』Z.E.N.トリオ】


ドイツ・ロマン派の作曲家ブラームスが、若き日に作曲したみずみずしくも情熱あふれるピアノ・トリオ。TE-ZX1で聴くと、3つの楽器の定位が程よく感じられ、それぞれの音色の分離がよい。

低域がもたつかず、なおかつ深みがあってまろやかな音色であるため、チェロがまるで人の声のように感じられる。ヴァイオリンの高音域に抜け感はあまりないが、耳あたりよく上品なサウンドで再生してくれた。

なおTE-ZX1-PNKでの再生は、この編成の低音域でのチェロは強調されすぎることなく、全体的に重心はやや上に行く印象。ヴァイオリンの音色には抜け感と艶やかさが増した。

【交響曲(オーケストラ)『モーツァルト:交響曲第40番 ト短調 K.550 第一楽章』タルモ・ペルトコスキ(指揮)】


オーケストラといっても、モーツァルトの時代は比較的コンパクトな編成である。奏者一人ひとりのソリスティックな機微を引き出し、全体を軽快にドライブさせていく指揮者も多い。フィンランド出身の若き俊英タルモ・ペルトコスキもその1人だ。

TE-ZX1で聴くと、各楽器の音色の分離が非常にクリアで、弦/木管/金管それぞれのサウンドの持ち味が精細に伝えられる。とりわけ、木管楽器(フルート/オーボエ/ファゴット)のアンサンブルが伸びやかで美しい。低音弦(チェロ/コントラバス)のバスのアタックも、程よく音圧を感じられて楽しい。やはり全体的にはまろやかなサウンドで、快速な演奏だが急いだ感じを受けない。

TE-ZX1-PNKでは、オーケストラにおける低音域が、比較的落ち着きが感じられたのは意外だった。高音域もシャープなので、楽器そのものが発するアタック時のノイズが浮き立つ箇所もある。好みの問題もあるが、こちらの音作りが自然だと感じられる人はいるかもしれない。

◇◇◇


以上、3つの編成・ジャンルによるクラシック作品を聴いてみたが、TE-ZX1は十分に楽しませてくれることがわかった。

率直なところイヤホンという機材の特性上、どうしても強音側のダイナミックレンジや音場感に限界がある感じは否めない。しかし、その弱点を上回るほどに、各帯域の楽器が織りなすカラフルな音色を鮮やかに描き出す力、まろやかな音作りでありながら奏者が「何をしているか」を精細に伝える解像力、そして楽器間・声部間の分離の良さが魅力的だった。最初に挙げた3つのクラシックの特性のうち、2つ目の「編成の多様性」にも十分応えてくれた。


TE-ZX1-PNKは、クラシック試聴においては、より高域寄りのバランスに感じられたのは意外だった。オーケストラであまりドスドスと響く低音が好みでない人や、クリスタルな硬質な響きでピアノを聴きたいといった人にオススメできる。両モデルともそれぞれ異なった魅せ方で、クラシック音楽を十分に楽しませてくれるイヤホンだ。


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〈対象期間〉
2024年8月15日(木)〜2024年9月14日(土)に対象商品をご購入いただいた方

〈対象製品〉
・TE-ZX1
・TE-ZX1-PNK

〈対象店舗〉
・AVIOT ONLINE MALL
・AVIOT公式ストア(Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング)


キャンペーンサイトはこちら


(協力 : プレシードジャパン)

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