公開日 2022/09/09 11:30

第2世代「AirPods Pro」ハンズオン!強力ノイキャンを実感、サウンドにも変化

アップル本社のイベント会場で試聴
アップルが9月7日に開催したスペシャルイベントで、第2世代の「AirPods Pro」を発表した。会場で短時間だが本機を試聴する機会を得たので、ファーストインプレッションを報告しよう。

AirPods Pro(第2世代)

まず新しいAirPods Proはユーザーが “紛失しにくく” なるよう、特にケースのデザインと機能を大きくアップデートしている。

側面にストラップホールが新しく設けられた。一般的な形状のストラップホールなので、ユーザーが使いやすいストラップを付けることもできるが、AirPods Proのパッケージにオリジナルのストラップループも付属する。

充電ケースの側面にストラップホールを設けた

パッケージに同梱されるストラップ

もはやAirPods Proは完全ワイヤレスイヤホンの中ではプレミアムクラスといえる値段になってしまったので、せめて付属品を充実させようという心配りなのかもしれない。それはともかく、ストラップを付ければ外出時には充電ケースをバッグに結びつけておくこともできる。

充電ケースには好きな絵文字が刻印できる

そして「探す」アプリからイヤホン本体だけでなく、充電ケースも検索できるようになる。ケースにスピーカーが付いたと聞いて、最初はまさか音楽リスニング用に使うつもりだろうかと身構えたが、「探す」アプリで充電ケースを検索した時にブザー音を鳴らす目的のスピーカーだと聞いて安堵した。検索時はどんなふるまいになるのか実機レポートの際に試したい。

充電ケースのボトム右側が、ブザー音を再生するためのスピーカー

充電ケースについて補足すると、第3世代のAirPodsに続いて第2世代のAirPods Proも本体と充電ケースの両方がIPX4等級の耐汗耐水性能を持った。充電ケースの見た目や触り心地などは、初代のものと区別がつかない。

新しいAirPods Proはバッテリーの持ちが良くなる。フル充電から、ANC機能をオンにした状態での連続音楽再生時間は初代モデルが最大4.5時間。第2世代機は6時間に伸びる。充電ケースによるチャージを繰り返せば最大30時間の再生が楽しめる。

またApple Watchを充電するためのスタンドを使って、ケースの充電ができるようになる。毎度Lightningケーブルを挿して充電するのが面倒という方には朗報だ。

イヤホン本体は、見た目には第1世代機から変わっていない。ステムがほんのわずかに細くなったようにも見えたが、近く実機を入手した後に比べて報告したい。

イヤホン本体は第1世代のAirPod Proとほぼ見分けがつかない

なおステムを指で上下にスワイプすると、再生しているコンテンツの音量がアップダウンする。待望の機能がAirPodsシリーズに初めて載った。タッチコントロールに対する感度がよく、正確に操作を反映する。

新しいAirPods Proには、アップルの独自開発によるApple H2チップが搭載された。チップの演算処理能力が高まったことで、ANC機能のノイズ低減効果は最大2倍まで高まり、外部音取り込みモードがよりクリアに抜けるようになったという。

実機で確かめてみたところ、確かに消音効果は第1世代のAirPods Proよりも強力になった印象がある。発表会場では主に人の声の帯域に含まれるノイズの消音効果しか試せなかったので、あらためてロードノイズなど他の種類の環境音でも実力を確かめる必要がありそうだ。

装着した状態。これも見た目は第1世代機とほとんど変わらない

ステムをクリックして外部音取り込みモードに切り換えると、今度はまるでイヤホンを耳に着けていないように感じるほど外の環境音が自然に聞こえてきた。

発表会場では用意されていた空間オーディオのデモコンテンツを試聴した。初代機からのニュートラルな音のバランス感は基本変わっていないが、低音域の肉付きが少し良くなったようだ。ANC機能の遮音効果が上がったことも影響しているのだろう。細かな音の粒立ちがよく、空間オーディオのデモコンテンツを聴く限り、立体感はとても充実していた。

iPhone 14で空間オーディオコンテンツを試聴した

残念ながら、デモは普通の音楽コンテンツや映画を試聴する内容ではなかったため、一般的な音源のリスニング評価はこの次の機会に譲ろうと思う。

またApple Musicのロスレスタイトルが、新しいiPhone 14シリーズと第2世代のAirPods Proを組み合わせてロスレス音質のまま聴けるようになるのか、現時点でまだ取材し切れていない。実現すればそれなりに大きなアナウンスメントになるはずなので、スペシャルイベントの基調講演で触れられなかったことはつまり非対応ということなのかもしれないが、わかったことがあればまた追加で報告したいと思う。

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