公開日 2019/09/27 06:00

映像の進化を体感できるプロジェクター、BenQ「HT3550」で4Kシアターを楽しむ

【特別企画】人気モデルを置き換えグレードアップ


実際の映像は、まず特性を把握するため、4K版のベンチマークソフト『The Spears & Munsil UHD HDR』で確認。MaxCLLが1,000nitsのHDRコンテンツ再生時、「HDR輝度」調整を「-1」に設定すると、中間調が引き締まりコントラスト感の高いルックにできた。ちなみにMaxCLLが4,000nitsのように高い場合は、「-2」の方向に調整すると適正な映像が得られる。

4KやHDRコンテンツを中心に視聴

MaxCLLが600nitsと低い場合は原則、プラス方向に調整すべきだが、明るいシーンが多いコンテンツは「-2」で締まりが良くなる。暗いシーンでは黒が潰れてしまうが、コンテンツに応じて使い分けると、本機の能力をより多く引き出せるだろう。また、このHDR輝度の設定が、本機の評価を左右することもあり、必ず調整して欲しいポイントだ。

HDR輝度を-2から+2の範囲で調整可能。コンテンツに合わせて使い分けることで、より作品の魅力が引き出せる

暗室なら中間部から暗部を少し沈めるのがオススメだ。色乗りはOLEDのような最新の直視タイプに比べると薄めだが、この価格帯のプロジェクターとしては立派である。シャープネスは出荷設定が少し強めなので、マニア的に画質を重視するなら、「0」に調整すると良い。エッジやディテールのジラジラ感が低減して柔らかく上質な画に生まれ変わる。

UHD BDは映画『マリアンヌ』で確認。チャプター2の日没後の街は、中間よりも暗いトーンで階調表現が求められる。本機では黒がわずかに明るく感じるが、HT2550と比べるとDMDデバイスが1世代新しいらしく、白く浮くほどではない。暗めの中間色によるレトロな雰囲気も忠実に再現できている。

ピクチャーモードはHDRコンテンツを視聴する場合、「HDR10」が推奨されており、自動で選択される。一方、2K作品などでは「Cinema」や「D.Cinema」などが選択できる

特筆すべきは、違和感を覚えやすい表情の色再現が的確なこと。適度な赤味を帯びつつ、赤過ぎてくどくなることもないのは優秀。BenQの提唱する正確な色再現「Cinematic Color」が理解できる部分で、DCI-P3対応の高色域だけでなく、色の精度が高いカラーホイールの採用や綿密なチューニング、出荷時調整などの成果が感じ取れる。

ほか、夜の空襲シーンは適度なディマー感で薄暗さを的確に表現し、直視型テレビのように色を感じ過ぎないのも視覚特性に合っていて自然に感じる。明転して芝が広がる明るいシーンは解像力が試されるが、先述の通り画素のキレが活きる。HT2550よりも進化したワンランク上の解像感は4Kプロジェクターとして好ましい。

最後にひと言加えたいのは、内蔵スピーカーの音質の良さ。筐体の振動によるビビりがなく、スパッとキレの良い高音質。低音も適度に伴い、カジュアル用途な充分に役立ちそうだ。

手軽な4K/HDRプロジェクターとなると、実質、BenQのHT2550か本機HT3550のどちらかを選ぶことになるだろう。絶対的な価格ならHT2550が有利だが、画質差を考えると本機のコストパフォーマンスは高く感じる。また機能面ではHLG対応も大きな魅力。予算が許せば、本機を選ぶと満足感が高いだろう。

なによりW1070ユーザーなら、そのままHT3550に置き換えて、プロジェクターの進化を体感してほしい。きっと驚くはずだ!

(企画協力:ベンキュージャパン株式会社)

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