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公開日 2007/01/08 19:24

<CES2007:HD DVD>3層51GBディスクが登場 − ネット利用の新サービスやオンキヨー/メリディアンの参画も

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現地時間の1月7日に相次いで行われた、CES開幕直前のプレスカンファレンスのラストを飾ったのは、北米HD DVDプロモーショナルグループ。午後8時30分からのスタートというスケジュールだったが、日中に開催された他社のカンファレンスと同様か、それ以上の盛り上がりを見せていた。

●3層51GBのHD DVD-ROMを発表


3層51GBのHD DVD-ROMが発表された
カンファレンスの中で(株)東芝は、記録層が3層で、記録容量51GBのHD DVD-ROMディスクを開発したと発表。地上デジタル放送レベルの、約17Mbpsの映像の場合、約7時間のハイビジョン映像を記録できる。同社では、この新しいディスクを、HD DVD-ROMのハイエンドディスクとして、2007年の第4四半期を目途にDVDフォーラムに提案し、年内の規格化を目指していく。

従来、HD DVDの1層分の記録容量は約15GBだったが、今回、原盤記録技術を改良することで、記録ピットをより細かくすることに成功。17GBまでの記録が可能になった。ディスク構造はこれまでと変わらず、0.6mmディスクの2枚貼り合わせ構造となる。

この新ディスクは、現地時間8日から開幕するCESの東芝ブースに展示される予定。追って詳しくレポートしたい。

プレスカンファレンスは、人気司会者のBilly Bush氏が司会進行を担当。ゲストスピーカーには、米マイクロソフト HD DVDエバンジェリストのKevin Collins氏、同じくマイクロソフトのコーポレート・バイスプレジデントを務めるAmir Majidimehr氏、(株)東芝 上席常務の藤井美英氏、Universal Studios Home EntertainmentのプレジデントであるCraig Kornblau氏が相次いで登壇した。

司会を担当したBilly Bush氏


Universal Studios Home EntertainmentのKornblau氏は、主にHD DVDのソフト戦略について説明。2007年には、全世界で300タイトル以上の映画タイトルが発売され、年末には累計で600を超えると推定。北米のソフト売り上げだけで、6億ドル以上を見込んでいるという。新たなタイトルとして、スター・トレックのリマスター版や、スカーフェースなどを紹介した。また、国内で既に発表のあった、バンダイビジュアルのHD DVD参入も改めてアナウンスされた。

Universal Studios Home EntertainmentのプレジデントであるCraig Kornblau氏

バンダイビジュアルからもHD DVDソフトが登場する

●東芝・藤井氏「2007年のプレーヤー販売目標は180万台」


(株)東芝 上席常務の藤井美英氏
東芝の藤井常務は、同社がこれまで発表・発売してきたHD DVDプレーヤーやHD DVDドライブを改めて紹介。プレーヤーでは、2006年4月に北米で発売した「HD-XA1」「HD-A1」を「HD-XA2」「HD-A2」にバージョンアップしたほか、本日の同社プレスカンファレンスで発表された、599ドルのミドルクラスプレーヤー「HD-A20」も紹介。これからもプレーヤーの進化を加速させる、とアピールした。また同氏は、「ディスクの原盤製造装置メーカーやディスク量産メーカー、コンテンツ・ホルダー、オーサリング・スタジオなどのインフラが整備され、“エコシステム”が動きはじめた」と成果を強調した。

PC用のHD DVDドライブについては、国内でも発表のあったデスクトップ用のHD DVD書き込みドライブを紹介し、「スリムサイズ、ウルトラスリムサイズ、ハーフハイトサイズのフルラインナップが揃う」と説明。PCでのHD DVD普及拡大についても自信を見せた。

東芝の、2007年のHD DVDプレーヤー目標販売台数は180万台。藤井氏は、「周囲には難しいと言われたが、私は極めて保守的な目標設定だと考えている。ミニマムでこの台数は達成したい」と述べた。

●オンキヨーやメリディアンからHD DVDプレーヤーが登場予定


オンキヨーやメリディアンなどが、新たにHD DVDメーカーとして加わった
さらに、HD DVDのメーカーとして、オンキヨー、中国Shinco、中国Alcoが新たに加わると発表。さらに、詳細は不明だが、マイクロソフトから後日、これら以外のメーカーについても発表があるという。AVマニアにとって嬉しいのは、これらのメーカーに加え、英メリディアンの参入も発表されたこと。ピュアオーディオやハイエンドAV分野で名機を数多く送り出している同社が、どのようなHD DVDプレーヤーを発表するのか期待したい。上述のメーカーのHD DVDプレーヤーは、2007年末までに発売されるという。

このほか、アルパインが車載用HD DVDプレーヤーを開発し、CESに参考出展するという。また、マイクロソフトが開発したデザインモデルを用いて、Lite-Onなどからもプレーヤーが発売される見込みだ。

●インタラクティブ機能「U-Control」や「MY SCENES」を公開


米マイクロソフト HD DVDエバンジェリストのKevin Collins氏
MicrosoftのHD DVDエバンジェリスト Kevin Collins氏からは、HD DVDの新たなインタラクティブ機能について説明があった。デモに使われたソフトは『ワイルドスピードX3 TOKYO DRIFT』。

まず、「U-Control」という機能では、映画を再生中にメニューから機能を選択すると、画面右端にU-Controlの操作バーが現れ、子画面表示を行える「PICTURE IN PICTURE」や、クルマの情報を表示する「TECH SPECS」、映画内で走行中の地図を表示する「GPS」、絵コンテを表示する「STORYBOARDS」など、様々なインタラクティブ・コンテンツを表示できることを説明。これらのコンテンツは、すべてメイン画面の上に重ねて表示されるほか、複数のコンテンツを同時に表示することもできる。

U-Controlでピクチャー・イン・ピクチャーを立ち上げたところ。画面の右奥に、写真のように別シーンを表示することができる

U-ControlでGPSを表示したところ。走行中の地図が表示されるという変わった趣向

U-Controlで立ち上げた機能は、いくつかを同時に表示することもできる

次にCollins氏は、「MY SCENES」という、ユーザーがソフトの気に入った場面を自由に選択することができる機能を紹介。シーンは、リモコンからIN点とOUT点を指定して選択する。あとで選択したシーンを消すこともできる。

MY SCENE機能にはメニューのEXTRAから入る

作成したMY SCENEは、閲覧したり、削除したり、友人に送ることなどが可能

MY SCENEはIN/OUT点を指定して選択する

ユニークなのは、自分が設定したシーンを、友人に送ることができること。メニューから「Send Clips」を選ぶと、HD DVDのサーバーにシーンの情報が送られる。シーンを送られた友人の方は、サーバーのDownload Centerにアクセスし、シーン情報をダウンロードすると、設定されたシーンを再生することが可能になる。これらの機能は、ソフトが対応さえしていれば、これまで発売されたすべてのHD DVDプレーヤーで使用することができるという。また、Download Centerからは、HD DVDソフトのトレーラー映像をダウンロードすることもできるという。

作成したMY SCENEを友人に送ろうとしているところ

MY SCENESやトレーラーなどをダウンロードできる「ダウンロードセンター」

ダウンロードセンターでは、HD DVDソフトのトレーラー映像をダウンロードすることもできる

カンファレンスの最後に登壇したMicrosoftのMajidimehr氏は、上述した数々のトピックや新機能を概括しながら、さらに同社が開発したビデオコーデック「VC-1」にも言及。同氏によれば、前年に比べ30%の画質向上を果たしたとのことで、「95%のハリウッド映画がVC-1を選択している」とアピール。さらに、HD DVDのインタラクティブ機能については、「U-Controlは始まりに過ぎない」とも述べ、さらに進化を続けていく姿勢を強調し、カンファレンスを締めくくった。

マイクロソフトのコーポレート・バイスプレジデントを務めるAmir Majidimehr氏

(Phile-web編集部・風間)

ces2007

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