PR 公開日 2026/02/26 18:00

”クルマを音で選ぶ時代”という新しい価値を提唱。アウトランダーPHEV、高音質の秘密に迫るトークショーレポート

「ここまで音楽に集中できる例は極めて少ない」
編集部:筑井真奈
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“音でクルマを選ぶ”。そんな新しいクルマの体験をテーマとした新機軸のイベントが、2月10日(火)から16日(月)まで、二子玉川 蔦屋家電にて開催された。

アウトランダーPHEVの「試聴会」が二子玉川 蔦屋家電にて開催された

2024年にマイナーチェンジされた三菱自動車のアウトランダーPHEVには、新たにヤマハと共同開発したカーオーディオシステム「Dynamic Sound Yamaha Ultimate」が搭載されている。“音質”にとことんこだわったカーオーディオとして、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」(WBS)にも取り上げられるなど、クルマへの新しいアプローチとして注目が集まっている。

イベント期間中、蔦屋家電の2FにアウトランダーPHEVの特別仕様車「BLACK Edition」を展示。車に実際に乗り込み、クラシックやJ-POP、EDMなど事前に用意した5つの楽曲から、自由に選択して体験できるようになっていた。

「Dynamic Sound Yamaha Ultimate」や「BLACK Edition」を目当てに来場したアウトランダーファンはもちろん、近隣在住の家族連れなども訪れ、お子さまとともにカーオーディオを楽しむ姿も多く見られた。

なお、「Dynamic Sound Yamaha Ultimate」は、ヤマハのフラッグシップモデル「NS-5000」の設計思想を継承した計12個の専用スピーカーを採用したオーディオシステム。アウトランダーのP Executive Packageに標準装備されており、G、およびPグレードにもメーカーオプションとして用意されている。

また、コンパクトな2Wayシステム(8スピーカー)を採用した「Dynamic Sound Yamaha Premium」も用意。こちらはM、G、Pグレードに標準装備されている。

あらかじめ用意されたジャンルの異なる5つの楽曲から好きな曲を選んで体験できる

アウトランダーPHEVの“こだわりの音質”はどのように実現されたのか。そのサウンドの秘密に迫るトークショーが、週末の2月14日(土)と15日(日)に開催された。以前にレビュー記事も執筆してアウトランダーPHEVの音を高く評価する山之内 正氏と、三菱自動車の音響エンジニア・秋葉一臣氏、ヤマハのサウンドマイスター・疋田智一氏を迎え、純正カーオーディオだからこそ実現できる音世界の背景について熱い議論が交わされた。

アウトランダーPHEVの音質の秘密に迫るスペシャルトークショーが開催

トークショーの冒頭、司会を担当する音元出版の川嶋氏は、「車選びにおいては、通常走りや燃費、安全性といった話が中心となりますが、移動時間を快適に、また豊かに過ごすためには、音の環境も非常に重要です」と問題提起を行う。その上で、「クルマという制約の多い環境の中で、音質を追い込む難しさ、その課題をどのように乗り越えていったかを語っていただきます」と言葉を繋ぐ。

アウトランダーユーザーはもちろん、オーディオへの高い感度を持つ方も多く集まった

続いて山之内氏による「アウトランダーPHEVの音質」についての基調講演が行われた。山之内氏はホームオーディオ製品のアワードの審査員のほか、全国で開催されるカーオーディオコンテストの審査員を長年担当するなど、音質を評価するプロフェッショナル。その立場から、「車内という制約だらけの空間で、ここまで音楽に集中できる例は極めて少ないです」と高く評価する。

カーオーディオコンテストの審査員も担当する山之内氏がアウトランダーPHEVの音質を高く評価

その理由のひとつは、三菱自動車とヤマハが企画の初期段階から共同開発に取り組み、「このクルマの中で音楽はどう聴こえるべきか」をゼロから設計していることにあると指摘する。

三菱自動車とヤマハ、その協業の背景について、秋葉氏は以下のように語った。「2019年頃から、三菱自動車らしい“もっといいクルマ”とは何かを議論してきました。その中で、“移動時間を楽しくすること”“クルマに乗って出かけたくなること”が大きなテーマとなり、そこに音楽が果たす役割は大きいと考えました」。その実現にあたり、三菱自動車が考える理想の音響空間をともに追求するパートナーとして選ばれたのが、楽器メーカー、そしてオーディオメーカーでもあるヤマハであった。

三菱自動車らしいクルマづくりの追求にあたって、「音」というテーマを重視したと語る秋葉氏

それを受けてヤマハの疋田氏は、「アウトランダーPHEVが持つアウトドア性、コンセプトにも掲げられた“威風堂堂”という言葉。それを音でどう表現するか、ということを一緒に考えていきました」。具体的には躍動感、リズムの推進力、気持ちを高める低音、そうした要素をデモカーで検証しながら、実際のサウンドに落とし込んでいったという。

今回体験できるアウトランダーPHEVに搭載されるカーオーディオ「Dynamic Sound  Yamaha Ultimate」には、全部で12基のスピーカーが搭載されている。さらに、低域用と中高域用に分けた2基のクラスDアンプを採用し、それぞれ専用設計とすることで、力強さと繊細さを両立させていると山之内氏は解説する。

車載ならではの取り組みとして、「昇圧設計」があったと秋葉氏は力を込める。通常の日本の家庭用電源は100V、しかし車載用は12Vが標準となる。「アンプの中に昇圧の機能を組み込みまして、電源を新たに生成しています。低域用アンプは約3倍、高域用アンプは約2倍の電圧を作って駆動することで、結果的に力強い低音と繊細な高音を実現しました」。今回は2基のアンプで合計1650Wという強力な出力で、力強いサウンド構築を実現している。

さらに、「ドア剛性の強化」が音質に大きく関わっていると山之内氏は指摘する。低域を担うウーファーが取り付けられるドアは、家庭用スピーカーでいえばいわば“キャビネット”(箱)。薄い鉄板では共振が起き、低音が濁りやすいといった課題がある。

ドアの剛性強化は高音質のポイントのひとつ

「今回のアウトランダーPHEVでは、ドア剛性を約1.5倍に向上しました。そのことで、ドスっとした低音の重みを感じていただけるようになりました」と秋葉氏は胸を張る。「ウーファーから音が出た際に、ドアがどのように振動するかをコンピューターシミュレーションで解析します。そこで判明した振動しやすい部分を効率よく補強しました。実際に補強の有無による比較試聴も行いましたが、ガラリと印象が変わりましたよ」

しかし、ドアの剛性強化は“ドアが重くなってしまう”デメリットとのせめぎ合いだ。「(自動車設計においては)軽量化というのが大きなテーマなので、なかなか音を良くしたいから重く…というわけにはいきません。ですが、今回は音質のためということで、幹部にも実際に試聴してもらい、なんとか許していただきました」(秋葉氏)と会場の笑いを誘う。

だが、その異例の判断が、濁りのない低域表現に間違いなく寄与している、と山之内氏も太鼓判を押す。

スピーカーユニットは、もちろんヤマハの専用開発。Dynamic Sound Yamaha Ultimateのウーファーとミッドレンジには、ヤマハのHiFi向けスピーカーのフラッグシップである「NS-5000」でも使われている“ザイロン”という素材が活用されている。ザイロンの特長について疋田氏は、「非常に堅い素材で、音をタイトかつクリアに届けることができます」と解説する。

Aピラーに搭載されたトゥイーター。金属グリルにはヤマハのロゴ入り

ドアに搭載されたウーファー部。外観からは分からないがドアの剛性も大きく向上している

だが、ホームオーディオ向け素材をそのまま活用できるわけではないことに、車ならではの難しさがある。車載ユニットに求められる条件のひとつに、高い耐熱性能がある。車の中は最大80度近く、冬は氷点下まで下がることもあり、直射日光にもしばしば晒される。その条件下で長期間安定した品質を保てることも必須要素だ。今回はザイロンをベースに、接着剤や構造などを再検討した車載向けの専用設計となっているそうで、「音質と性能の両立」も、共同開発だからこそ実現できたと疋田氏は振り返る。

今回はダッシュボード上の中央と左右に3基、ミッドレンジユニットが搭載されていることも大きな特徴となる。ミッドレンジはドアに搭載されることも多いが、今回はあえてダッシュボード上に設置。特にセンタースピーカーは2024年のマイナーチェンジ時に新たに搭載されたものとなる。

楽器メーカー・オーディオメーカーであるヤマハの強みを活かした音作りを狙ったと語る疋田氏

その理由について疋田氏は、「前方定位」を意識したと説明。ミッドレンジの帯域は、人の声やソロ楽器の旋律など、特に音楽表現において重要な要素が詰まっている。「目の前に演奏者がいて、私たちリスナーがそれを聴く、その自然なシーンを実現したいと考えたのです」と解説する。

さらに、走行中に適度な音量で音楽を楽しめる点についても山之内氏は言及する。実際に一般道や高速道路を運転した体験を踏まえ、「特にEV走行時の低ノイズ性能によって、音量を上げすぎなくても深く音楽の世界に入り込むことができます」と推薦。PHEVならではの静粛性が、カーオーディオの可能性をひとつ高めたと賞賛を送る。

今回の車には、気分やシチュエーションに応じて選べる4つのサウンドモードも搭載されている。楽器本来の音色を忠実に再現する「Signature」、躍動感とビート感を強調する「Lively」、ロックやHIP HOP向けの迫力重視の「Powerful」、会話もしやすい落ち着いた音調の「Relaxing」が用意されている。山之内氏は「Signature」のHiFi的性能も評価しながら、例えば帰り道や、子供が寝落ちてしまった場合は「Relaxing」が活用できるとする。

また、車速・雨・エアコンに連動する音質補正もアウトランダーPHEVならではのこだわりである。走行ノイズや雨音、送風音によって埋もれがちな周波数帯をリアルタイムで補正し、聴感上のバランスを常に一定に保つことができる。いわゆるアクティブノイズキャンセリングではないが、「補正していることが分からない自然さを狙いました」と秋葉氏。純正システムだからこそ追求できる音質のこだわりについて改めて強調した。

エアコン連動や雨天連動など、常に一定の音質を実現できる工夫も凝らされている

最後に質疑応答の時間も設けられた。会場からは「車種ごとに音作りを変えているのか」「サンルーフの有無によって音質は違うのか」といった自動車ならではの音質設計に熱い質問が飛び出してくる。秋葉氏はアウトランダーPHEV以外の音質設計にも携わっており、「音の方向性は一貫性を保ちつつ、車種ごとに微調整しています」と回答。

また、事前登録者からは、「車を走り込むように、カーオーディオも鳴らし込む方が良いのか?」という質問も寄せられていた。これについて秋葉さんは、「どんどん乗った方がいい。どんどん乗って、どんどん聴いた方がいいです!」と力を込める。鳴らし込むことで、アンプもスピーカーも、よりスムーズに、こなれた動きが実現できるようになる(一般的にオーディオの“エージング”と言われる)。山之内氏も、「新しく車を買ったら、ぜひいろいろなところに出かけて車とオーディオを存分に楽しんでほしいですね」と訴えた。

トークセッションを通して、アウトランダーPHEVは単なる「移動手段」ではなく、「音楽を楽しむ空間」としても設計されている、ということが証明された。

車そのものの静粛性が高まっていることに加え、素材性能の進化、デジタル・プロセッサーの進化などによって、車内で音楽を楽しめる環境は刻々と進化を続けている。

「聴く移動空間」と呼ぶのに相応しいアウトランダーPHEVは、“クルマを音で選ぶ”と新しい価値観の時代の到来を強く印象づけてくれた。

なお、試聴体感イベントでのインプレッションを通してのアウトランダーPHEV Dynamic Sound Yamahaの魅力に迫る記事も次回掲載予定だ。こちらにもご期待いただきたい。

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