今年から小社がオフィシャルメディアに

「HIGH END」はいかにして世界最大のオーディオショウになったのか? 主催者がその歴史と展望を語った

公開日 2019/05/12 14:14 オーディオ編集部・浅田陽介
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ーー 今年の開催の手応えは例年比べていかがでしょうか?

Dreischärf まず、これは現時点での肌感覚になりますが、来場者は昨年よりも多いのではないかと思います。HIGH ENDでは来場者のパスをスキャンして各日来場者数を正確に把握しているのですが、最終日の午後に集計を始めます。まだあと1日を残していますが、いまから結果が楽しみですね。

ーー 毎回、木曜日から日曜日までの4日間開催として、初日はプレスデイとなさっています。例年は10:00〜18:00まででしたが、今年は9:00〜19:00と開始と終了が1時間ずつ延長した形で開催しましたね。

世界的に見てもメッセで行われるオーディオショウはほとんどない。そこからも極めて大きい規模を誇ることが分かる

Dreischärf 毎年、世界中から多くのプレスの方にお越しいただいていますが、とても時間が足りないというご意見をいただいておりました。実のところ1日前倒しして水曜日もプレスデイとすることも考えたのですが、私達はBtoBはもちろんなのですが、一般のオーディオファンの方を対象としておりますので、まずは時間を少しだけ延長することにしました。ただ、9:00からの開催については少々早すぎるというお話もいただきましたので、おそらく来年は、初日のプレスデイを10:00〜19:00という開催時間にすると思います。

ーー ここ数年は中国を始めアジア諸国の好景気もあり、出展者や来場者も多かった印象ですが、実際のところはいかがですか?

Dreischärf 確かに、好景気にある中国やインドネシア、ヴェトナムからの来場者も多いですが、逆に不況と言われる地域からの参加者も多い傾向を感じています。自国が不況だからこそ、もっと頑張ろうという意欲を掻き立てる意味やチャンスを見つけるという意味で、むしろ積極的に来場いただいている印象です。実際に国別の来場者リストを見ると、驚くほどさまざまな国からご来場いただいていることがお分かりいただけるかと思います。

会場内には場所を変えて演奏するアーティストの姿も見られる

ーー 関係者と一般の来場者の割合はどのくらいなのでしょうか?

Dreischärf まず、個人の来場者につきましてはもちろん伸びてはいますが、ある程度、その数は一定しています。それに対して、関係者はどんどん割合が増加している傾向にありますね。最近では、HIGH ENDに行けばビジネスに関係する全ての方に会えるとご評価いただいています。

ーー 一般来場者の年齢層はいかがでしょうか?

Dreischärf 数年前のストリーミングサービスやヘッドホン市場の盛り上がりの際には多くの若いオーディオファンの皆様にお越しいただきました。現在はそこに加え、TIDALやQOBUZなどクオリティ重視のストリーミングなども登場したことも関係して、中高年層の方もふたたび増加傾向にあります。こうした音楽リスニングの変容は、若年層と中高年層をミックスする意味でも大きな意味があったのではないかと思います。私達は市場に変化が常に起きることは、こうした意味でも非常に歓迎すべきだと思います。

ーー デュッセルドルフで開催した第1回目からどのくらい大きな規模となっているのでしょうか?

Dreischärf おそらく、出展社だけで考えてみても、20倍くらいの規模となっています。

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