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NADACとのペアでDSD256出力

<HIGH END>Merging、同社初となるディスクトランスポートを開発発表

オーディオ編集部・浅田陽介
2019年05月11日
Mergingは、現在ドイツ・ミュンヘンで開催中のMunich HIGH END 2019 会場にて、CDトランスポートを開発発表した。

今回、開発発表となったMergingのディスクトランスポート(写真最上段)。名前やディスプレイも含め、まだ開発中のプロトタイプとなる

スイスに拠点を置くMergingは、主にDSDレコーディング等で圧倒的な支持を獲得するDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)ソフトウェア「Pyramix System」やDSD256(11.2MHz)レコーディングに対応したネットワークコンバーター「HAPI」や「HORUS」を手がける企業。コンシューマー向け製品として発売したNADACのリリースを皮切りに毎年着実に新製品を発表し、そのサウンドで日本でも着実に人気を獲得してきたブランドである。

昨年のTIASでも、同社の最新ラインアップとして「CLOCK」を発表。NADACと接続した場合はOCXOから再生成した625kHzで同期させるほか、クリスタル自体より、優れたシステムの方が重要として、一般的なOCXOではなく、RF製品の設計経験を必要とする、高周波発振器をベースとしたクロックを搭載した。そのユニークな構造が大きな話題を集めたことは記憶に新しい。

そんなMergingが次に手がけることを発表したのが、同社が採用するAudio Over IPのプロトコル、Ravennaでの伝送に対応したディスクトランスポートだ。名前はまだ最終決定ではないものの、このHIGH END 2019では「DISC」というネーミングでデモンストレーションが行われている。

DISCに採用された機能として非常にユニークなのは、RJ45端子によるRavenna出力の際は、全てDSD 256にアップデートした上でNADACに伝送されるということ。これによりCD再生時も、高いS/Nを確保した、よりナチュラルなサウンドが得られる。また、Ravennaの他にはAES/EBUやS/PDIFにも対応し、他社のDAコンバーターにも接続が可能。前者の場合は352.4kHz、後者の場合は176.4kHzへとアップサンプリングされる仕組みとなる。こうしたアップサンプリング処理は、Mergingのお家芸ともいえる、FPGA内に書き込まれた独自のプログラムで行われる点も大きな特徴だ。

本機のリアパネル。DSD256へアップコンバートされた上で伝送されるRavenna接続は、写真奥のRJ45端子を用いる。現時点ではクロック入出力も用意する

また、ディスクのローディングについては、ディスクドライブからダイレクトに出力するリアルタイム再生と、一度内部メモリーに貯め込むメモリーロード再生の2つのモードを採用予定とのこと。クロック入力はワードクロックと10MHzの双方に対応し、もちろん前述の「CLOCK」と組み合わせて使用することもできる。

なお、今回の開発発表に用いられた試作機ではCDのみの再生対応となっていたが、今後SACDへの対応も積極的に検討を進めていくとのことだ。

値段や発売時期はまだ未定ではあるものの、現在鋭意開発が進めらているDISC。Mergingならではのアプローチが存分に盛り込まれた本機は、ディスク大国と言われる日本でも特に大きな注目を集めそうだ。

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