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公開日 2020/01/21 06:40
自動車・AV機器両方に明るい評論家、会田肇氏がレポート

トヨタ/ソニー/Amazonらの注目展示に“空飛ぶタクシー”も。CESで見えた「5G時代のオートモーティブ」

会田 肇

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例年、新年が明けた1月初め、米国ラスベガスは世界最大のIT家電ショー「CES」の熱気に包まれる。今年の「CES 2020」の会期は1月7日〜10日の4日間。総面積290万平方フィートの会場に4,400社が出展し、20万人近くの来場者で賑わった。

なかでも伸長著しいのがオートモーティブの分野だ。CESと言えばかつては「コンシューマ・エレクトロニクス・ショー」の略称であったわけだが、会場に行けばそんな時代の面影はほとんど見当たらない。まさにCESは新たな時代に向けて大きく変貌を遂げていたのだ。

■狼煙をいち早く上げたのはトヨタ

そんななかでスタートしたCES 2020。その狼煙をいち早く上げたのはトヨタだった。トヨタは今年のCESで「Toyota Woven City」というコネクテッドシティ構想を立ち上げたのだ。それは単にクルマだけでなく、それとつながる街や人々とがすべてネットワークでつながり、クラウドAIによって管理される街作りをトヨタ自身が始めるというのだ。これには世界中が驚いた。これまで政府や自治体が同様な構想を進めることがあっても、一企業がここまで具体的な構想を提示することはなかったからだ。

トヨタが静岡県裾野市に建設する“コネクテッドシティ”「Toyota Woven City」では自動運転をはじめ、MaaS、パーソナルモビリティ、ロボティクス、スマートホーム技術、AI技術などの導入や検証が行える

このプロジェクトでは、人々が生活を送るリアルな環境の下で、自動運転をはじめ、モビリティ・アズ・ア・サービス(MaaS)、パーソナルモビリティ、ロボット、スマートホーム技術、人工知能(AI)技術などの導入や検証が行える実証都市のスタイルとしている。つまり、この街は新たな価値やビジネスモデルを生み出し続けられることを最大の目的としてるのだ。

建設地も2020年末に閉鎖予定のトヨタ自動車東日本の東富士工場(静岡県裾野市)跡地を利用すると決まっており、2021年初頭より着工される予定。初期はトヨタの従業員やプロジェクトの関係者をはじめ、2,000名程度の住民が暮らすことを想定し、将来的には175エーカー(約70万8000平方メートル)の規模で街づくりを進める。折しも2020年は5Gの本格商用化がスタートする年。コネクテッドによって実現する未来の街がトヨタの手によって具体化するのだ。

■世界をアッと言わせたソニー「VISION-S」

もう一つ、世界をアッと言わせたのがソニーが試作した電気自動車(EV)「VISION-S」だ。この試作車では、ソニーが自動車などモビリティ分野での新たな取り組みを、わかりやすく捉えられるようにすることを目的としている。その核となるのがイメージセンサーで、この試作車にはそれを含む計33個のセンサーを搭載。車内外の人や物体を検知・認識し、高度な運転支援を実現する。ソニーならではの仕様として、フロントシート前方には横長の大型ディスプレーを搭載し、タッチ操作や音声認識による直観的な操作で様々なエンタテインメント系コンテンツを視聴できるものとした。

ソニーが自動車などモビリティ分野での新たな取り組みを、わかりやすく捉えられるようにすることを目的に試作した電気自動車(EV)「VISION-S」

アマゾンのブースも大きな話題を呼んだ

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