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公開日 2020/01/20 06:15
【連載】ガジェットTIPS

Wi-Fiがどうしても遅くなる場所、「PLC」なら届くかも?

海上忍
いまどきの家庭内ネットワークはWi-Fi(無線LAN)が主流ですが、壁や床など障害物に弱いのが困りもの。2.4GHz帯は5GHz帯に比べて障害物に強いものの、多くの家電製品にも使われているため混雑で速度が低下しがちです。

そんなとき有効な代替策となるのが、電力線を利用してデータ通信を行う「PLC(Power Line Communications)」。Wi-Fiの高速化もあり、一時に比べると影が薄くなっているものの、なかなかどうして、鉄筋コンクリート造りの家屋など電波を通しにくい環境では便利に使えます。Wi-Fiではどう工夫しても通信速度が数十Mbpsしか出ないところ、PLCにしたら100Mbpsを超えた、という例は珍しくありません。

I-O DATA「PLC-HD240E」シリーズ

しかし、PLCにはいくつかの"お約束"があります。電力線を利用する都合上、その影響を受けるからです。

ひとつは、ノイズの影響を受けやすいこと。電化製品は多かれ少なかれコンセントを通じて電力線にノイズを放出しますが、スイッチング電源は特にノイズ量が多く、PLCの通信速度低下を招きます。ACアダプタやUSB充電器に搭載されている安価なスイッチング電源は盛大にノイズを出しますから、ノイズフィルタータップを使うか影響がない(離れた部屋の)コンセントに挿して使いましょう。

もうひとつは「分電盤の配線」です。PLCを利用して異なる部屋間の通信を行う場合、信号は分電盤(ブレーカーボックス)を経由して伝達されますが、一般家庭でよく見かける上下2段にブレーカースイッチが並ぶ分電盤の場合、上段と下段では系統が異なり導線を1本しか共有できないため通信速度が低下します。

分電盤の上段と下段では系統が異なります

かんたんにいうと、分電盤の上段/下段にスイッチが分かれている部屋にPLC子機を設置すると、期待した速度が出ません。この特性を理解したうえで設置しましょう。

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