音楽表現のダイナミズムに効く!フルテックの電源アクセサリー3機種を7人の評論家がクロスレビュー
福田雅光/林 正儀/井上千岳/鈴木 裕/炭山アキラ/生形三郎/園田洋世フルテックの電源関連アクセサリー3モデルが、オーディオアクセサリー銘機賞2026にて栄えある “グランプリ” を獲得した。インラインフィルター「Flow-28 NCF」、電源ケーブル「Origin Power NCF(R)」、電源ボックス「e-TP609 NCF-N1」について、7人の審査員による評価レポートをお届けしよう。
電源関連製品3機種がグランプリを受賞(福田)
フルテックのインラインフィルター「Flow-28 NCF」は、予想以上の効果に驚いた。エソテリック「K-07Xs」の電源入力部に装着して試聴すると、スカッと透明感を高め、すっきり高音も冴えて純度の高い空間を広げる。
この製品は内部にメタルシールドされたフィルターユニットが装着されている。フルテックでは、このようなタイプのノイズフィルターが5製品あり、最上位から2番目になる。
今回はプラグにNCFを採用したものにしてバージョンアップ。その効果は見違えるような製品になった。サウンドは透けるように空間の中に浮き出る。トランジェントに優れ輪郭描写力は素晴らしい。高SN比で明瞭に表現してくる。使ってみたくなる製品である。
次に電源ケーブル「Origin Power NCF(R)」は、15万1800円(税込)。このモデルは格段に優れた性能を持っていた。なぜ突然こんな電源ケーブルが誕生したのか。
電源プラグはNCFを採用した特殊仕様の「FI-28M NCF(R)」を採用。総合的には、NCFマルチ・マテリアル・ハイブリッド構造による制振効果と静電気抑制作用などが効果を発揮しているようだ。高い透明感と力のあるレスポンスによる優れた音像構成力。帯域は低域高域へ広く明瞭に解像力が高い。混濁が少なくすっきりした繊細な表現力も備えている。
フルテックの電源関連製品、今年の優秀な三羽がらすの最後は、電源ボックス「e-TP609 NCF-N1」である。50mm厚のアルミブロックを切削加工したボックス。コンセントはロジウムメッキ「GTX-D NCF(R)」。
中低音の骨組みをしっかり描き、帯域歪みを排除、SN比の高い性能を達成している。インレットプラグからコンセントにパラレルに配線するため、太いケーブルを接続可能なインレットを採用。トップカバーには非共鳴コーティングが施されている。また、コンセントの振動を対策するため中央底部をおさえるロックネジが使われている。
3機種のNCF効果が随所に見られる(林)
まず電源ケーブルの「Origin Power NCF(R)」。ケーブル内部にNCFを調合したのはこれが初めてだ。昨年の金メッキバージョンよりもハイスピードでクールな音調。ロジウムの質感とマッチするようで、より静寂かつ透明になった。
フルテックのノイズフィルターの歴史は長い。今回「Flow-28」がNCF仕様にリニューアルだ。フィルター性能が向上、独自のアースジャンパー機能によるダブルの効果で、流入するノイズによる悪影響のない立体的で清々しい音場が得られた。
電源ボックスの「e-TP609 NCF-N1」は天板部分の非共鳴コーティングが効いた。有害ノイズや振動の走りを抑え、システム全体に深みと透明感、音楽の躍動をもたらしてくれる。
高い完成度を誇る電源関連アイテム(井上)
大変充実した電源関連3モデルである。どれも完成度が高い。
「Flow-28 NCF」はノイズフィルターにありがちな音質の変容がなく、ノイズだけをきれいに除去することで静寂感に富んだ再現を可能にする。音のエッジがきれいになり、刺や濁りが取れて澄んだ質感と響きが表に浮かび上がってくるのである。
「Origin Power NCF(R)」も同様に変質がなく、エネルギーをしっかり捉えて強固な土台としながらディテールの隅々まで緻密に拾い上げている。情報量が増し、上下に伸びやかな音調が頼もしい。
そして「e-TP609 NCF-N1」は音数と解像度が飛躍的に向上する。静かで細かな彫りが深く、エネルギーを豊かに開放するのである。
いずれも値段以上の価値を感じた(鈴木)
電源ボックスの「e-TP609 NCF-N1」の音は、高いエネルギー感を持っているが振動コントロールが良く利いているようで、音像に滲みがなくオーガニックな音色感に高い魅力を感じた。
電源ケーブルの「Origin Power NCF(R)」も高いエネルギー感を持っているが、背景が静かなこともあって、ダイナミックレンジがより広くなったように感じさせる。ボーカルに温かみを感じさせる音色感も魅力だ。絶対的には安くないが、値段以上の価値を感じさせてくれた。
電源ケーブルは几帳面で理知的な表現(炭山)
電源ボックスはクールな音がどこまでも伸び、活気にあふれる音が好ましい。音像の生々しさは第一級で、歌手の内面に灯る静かな炎まで描写するように聴こえる。
混濁しがちな音場を鮮明に分解し切ることにも驚く。ツチノコ型フィルターは電源周りのノイズに起因する音のバリ、歪みをきれいさっぱり取り去り、さらにノイズフロアが大幅に下がるのは、NCFの効用であろう。音像は音場の中からすっくとその姿を現し、朗々と歌う。
電源ケーブルは、大河の趣を感じさせる悠然さと情報量の多さ、そしてそれを整然と音楽へ組み立てるような、几帳面で理知的な表現が素晴らしい。脳髄を直に刺激するような歌の魅力にも痺れる。とてつもない器の大きさだ。
Flow-28 NCFの濃度の高い美音を堪能(生形)
初めてケーブル本体にまでもNCFを配合した電源ケーブル「Origin Power NCF(R)」のロジウムメッキ・バージョンは、円やかさを帯びた上品な質感の中に、プレゼンス豊かなボーカル帯域を楽しめる。
ハウジングやプラグがNCF化されたインラインフィルターユニット「Flow-28 NCF」は、フィルター効果によって、鮮明な音像表現と、程よくマイルドな口当たりによる濃度の高い美音を堪能できるアクセサリーだ。
同じく、筐体やアウトレット端子にNCFが盛り込まれた電源ボックス「e-TP609 NCF-N1」も、より一層の静けさを獲得し、豊かな低域表現や瞭然とした音楽描写にさらなる磨きがかかっている。
3機種とも音楽表現のダイナミズムを高める(園田)
「Origin Power NCF(R)」は同NCF(G)と同様スケールが大きく豊かな低音表現がとても魅力だが、(R)は(G)よりニュートラルな音調なのでこちらを好まれる方もあろう。
「Flow-28 NCF」は効果の大きさに驚かされる。音の抜けが違う。中低域が明瞭だ。ノイズフロアがググッと低くなり、立体感をそれぞれに増した各音像間の混濁が解消する。
「e-TP609 NCF-N1」は音場の静寂と低域の沈み込みが深い。歌手は肺活量が大幅にアップしたかのような朗々とした歌い方をする。ソプラノとメゾの音域・声質の違いが明瞭だ。静電気対策と不要振動対策が行き届いたこれらの3機種は音楽表現のダイナミズムを高めてくれる。
(提供:フルテック)
※本記事は『季刊・オーディオアクセサリー 199号』からの転載です。