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公開日 2026/01/26 11:00
VGP「審査員特別賞」を獲得した理由とは

B&W「707 Prestige Edition」レビュー。日本企画で誕生した「音も外観も上質な小型スピーカー」

林 正儀


高性能な小型スピーカー。「707 Prestige Edition」(以下PE)が、映えあるVGP2026の審査員特別賞に輝いた。Bowers&Wilkins(以下、B&W)史上、最もコンパクトなスペシャルエディションだ。ベースモデルの「707S3」からどこが進化し、どんな理由でアワードをとったのか。そのポイントを解説したい。


仕上げやパーツを吟味して明るくハイスピードな音を実現


B&Wは1966年に創立されたイギリスの名門ブランドだ。素材へのこだわりと最先端の音響解析を得意とし、その卓越した音質によりアビーロード・スタジオをはじめ世界の音楽スタジオで、モニタースピーカーとして採用されてきた。


B&Wの小型スピーカーといえば、あの大ヒット作CM1が浮かぶだろう。2006年に発売されたミニモニターだが、その後700シリーズに受け継がれ最小サイズの707S3が登場。そのプレミアムバージョンが今回の707PEだ。



B&W「707 Prestige Edition」


707PEは日本のオーディオファイルのために誕生したスピーカーだ。日本人はミニマムで高性能なものを好む国民性がある。そんな嗜好にあわせたモデルとして、日本のディーアンドエムホールディングスがB&Wにリクエストしたもの。


これまで特別仕様のモデルは、シグネチャーシリーズに代表されるトゥイーター・オン・トップ構造の上位機種だけというのが通例だ。箱型のスピーカーが採用されるのは、今回の707PEが初である。


気になる販売台数だが、日本と中国に合計4,000ペアが割り当てられているようで、国内は1,000ペアが投入される予定だ。33万円/ペア(税込み)のお手頃価格。限定モデルなので購入は早めがよいだろう。


707S3との違いは「仕上げ」「トゥイーターグリル」「ターミナル」


実物に触れると高さ300mm、横幅165mmのサイズは予想以上にコンパクト。仕上げや細部にこだわるPE仕様らしく、ルックスが素晴らしい。伝統と格式のある上質な仕上がりだ。


カーボン・ドームトゥイーターと135mmウーファーによるバスレフ2ウエイというユニット構成は707S3と共通で、違いは仕上げとトゥイーターグリル、ターミナルの3点のみだ。



「707 S3」と同様、コンティニュアム・コーンを採用した130mmコーン型ウーファーを採用


まず外観はラグジュアリーなサントス・グロス仕上げ。顔が映るようなつやつやした光沢だ。天然木の突き板にクリアラッカー塗装を12回重ねている。


これまでの9回から厚みと硬度も増し、響きの深さが高まったはずだ。バッフル部の湾曲と木目が美しい。



サントス・グロス仕上げは、光沢による高級感に加え透明感のあるサウンドにも寄与


次はトゥイーター前面のグリル。800シリーズ・シグネチャーと同じ開口率を高めたグリル・メッシュで、FEA(有限要素分析)という手法で再設計。これによって高音の通りがよく開放的で、解像度と空間表現を高めたという。 



トゥイーターのグリルメッシュはFEA(有限要素解析)で最適化。開口率と剛性のバランスを詰め、開放感と解像度、空間表現の向上を狙う


最後が新型のターミナルだ。スピーカーへの信号の流れを高めるべく、高品質の真鍮コアを採用を採用している。これら特別な仕上げとパーツの採用により、全帯域のサウンドを磨き音楽再現力を高めているわけだ。



スピーカーターミナルは低鉛・ハイグレード真鍮を採用した端子を搭載


音質レビュー:「立体的な音楽の拡がりはこのサイズとしては驚き」


宝石のようなスピーカーといおう。スタンドにセットした本機が放つ音は、明るくハイスピードで抜けがよい。正確なピストンモーションが印象的でピアノやギター、ヴォーカルなど、一音一音が実にキメ細かくクリアーなもの。小型スピーカーならはの自然な空間描写が際立つ特徴だ。


違いは3点だが、的を絞った適切なリファインだと思う。部屋の空気をこの小さなスピーカーが動かしていることを実感させた。


音源は主にCDで、北欧ジャズの「LIVE/ア・ハート・フル・オブ・リズム」はまさに実演さながら。熱気たっぷりにリズムセクションが躍動し、女性ヴォーカルやフルートの柔らかな余韻が包み込む。


驚くのは演奏の交代劇(入れ替わり)が目に見えるほど生々しいことだ。遠近のグラデーションまでわかり、ステージや空気感を重視した現代的なサウンド。その中にB&Wならではの伝統が聴けた。


楽劇「ワルキューレ」は小型スピーカーむきとはいえないが、707PEは引き締まった低音をほどよく響かせる。45Hz-33kHzの周波数レンジで、金管楽器の勇壮なファンファーレに乗って戦乙女が天空をかけるようだ。


ここで改良点が三位一体で総動員される感じだ。弦楽器群のキラキラした輝きは、キャビネットに施されたサントス・グロス仕上げの効果だろう。低音の量感はバスレフポートのスポンジで適度に加減して欲しい。


707PEは日本の狭い部屋のために生まれてきたスピーカーだ。ここでは広い試聴室での音出しだったが、サウンドの生々しさや音数の多さ、立体的な音楽の拡がりはこのサイズとしては驚きである。見た目の印象が大きいかもしれない。


だが音質的な評価も高まっておりハイコスパさも魅力的。それがB&Wらしいとこころだ。  



日本の住空間を想定した同製品はコンパクトサイズながら、音数豊かで生々しい表現と立体的な音場の広がりを聴かせる


狭い部屋にマッチしたこんな高音質スピーカーを待っていた。伝統と格式ある美しさで、見た目もサイズもいうことなし!このサイズで音楽にのめりこませるだけの表現力をもつPEモデルだ。VGPアワードに相応しい。




※本記事は『VGP受賞製品お買い物ガイド 2026年冬版』内の記事を再構成したものです。


(提供:ディーアンドエムホールディングス)

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