PR 公開日 2025/08/08 06:30

【レビュー】Bowers & Wilkins「Px7 S3」が“薄型”と“高音質”を両立できた理由。VGPヘッドホン大賞受賞モデルの魅力を深堀り!

イギリス本社R&Dチームに訊いてわかった

Bowers & Wilkinsのヘッドホン「Px7 S3」はVGPヘッドホン大賞を受賞した注目モデルだ。そこでイギリスの本社R&Dチームに開発意図などメールインタビューを実施。薄型と高音質という設計セオリーでは相反するともいえる難解なテーマを解決できた理由を伺うことに成功。VGP審査員であるジャーナリストの山本 敦氏に魅力を深堀りしてもらった。

英国サウスウォーターにある本社R&Dチームの回答を取りまとめてくれたプロダクトマーケティング担当のAndy Kerr氏 

ドライバー設計も含めて、すべてを刷新したからできた

Bowers & Wilkins(B&W)のポータブルヘッドホン、Pシリーズは2010年に発売したP5の上質でナチュラルなサウンドが話題を呼び、2017年にはアクティブノイズキャンセリング(ANC)搭載モデルのPxシリーズに拡大した。15周年を迎えたPシリーズの集大成として、大胆なフルモデルチェンジを遂げた「Px7 S3」が登場する。

世界で最も注目されるスピーカーブランドのひとつであるBowers & Wilkinsでは、常に「音質最優先」の思想に基づきながらすべての製品を丁寧につくってきた。もちろんポータブルヘッドホンもその例外ではない。

新しいPx7 S3は2023年に発売したヘッドホン、「Px7 S2e」の後継機だ。Bowers & Wilkinsが理想とするサウンドの核心部であり、実績も証明済みの独自開発によるダイナミックドライバーは、その振動板をバイオセルロースと樹脂による軽量で剛性の高い複合素材としている。

口径は40ミリ。コーンとエッジの素材と形状を個別に最適化する設計アプローチは、Bowers & Wilkinsのスピーカーシステムの開発を発端として、その後も1966年の創業時から全製品が踏襲する。

ドライバーユニットの振動板は共通だが、コイルや磁気回路、シャーシ、サスペンションに至るまで新規設計している。写真左がPx7 S3で右がPx7 S2eのもの

Px7 S3では振動板以外の設計を全面的にブラッシュアップした。軽量化されたボイスコイルにより応答性能は改善。マグネットを強化した磁気回路がサウンドの足もとを安定させる。ドライバー前面のグリルはメッシュをハニカム形状として開口率を高めた。

ドライバー前面のグリルはハニカム形状のメッシュにすることで開口率を高めている

音質レビュー:「前モデルから鳴りっぷりがさらにレベルアップ」

Px7 S2eと聴き比べてみた。言うまでもなくPx7 S2eも見事なヘッドホンだが、新しいPx7 S3は鳴りっぷりがさらにレベルアップした印象を受ける。

ボーカルは細やかな表情の変化をつぶさに描き、音像を立体的に浮かび上がらせる。アーティストが歌に込めた思いも顕わになる。アコースティック系の楽器による演奏がリアリティに富んでいる。鮮やかな余韻が耳から身体に染み渡るようだ。

比べるとS2eの余韻は温かく、S3は対称的な清涼感が心地よい。アップテンポなロックやジャズの楽曲もS3は期待を超える熱いサウンドを楽しませてくれた。低音のビートは余計な付帯音が少なく切れ味鋭い。音がグンと迫り来るような緊張感に鳥肌が立った。

Bowers & Wilkinsは原音再生をひたむきに探求してきたオーディオブランドだ。スピーカーシステムのフラグシップモデルである「800 Series Diamond」と同様に、Px7 S3も余計な色づけのないニュートラルなサウンドを特徴としている。すべての音楽、映画やゲームのサウンドから作り手であるアーティストの思いを引き出して伝えてくれるだろう。

ユーザーが自身の好みに合わせてPx7 S3のサウンドをさらにカスタマイゼーションしたければ、モバイルアプリには緻密な調整が楽しめる5バンド対応のADVANCED EQがある。

このアプリには近い将来に実施するアップデートにより、Bowers & Wilkinsが独自に開発した空間オーディオ技術「トゥルー・イマージョン」が載る予定だ。どのような機能とリスニング感になるのか楽しみだ。

シリーズ史上で最も完成度の高いノイズキャンセリング機能

Px7 S3にはBowers & WilkinsのPシリーズ史上、最も完成度の高いANC機能が搭載された。ヘッドホン本体にはハンズフリー専用のマイクを含む、合計8基のマイクを内蔵する。ANCをオンにするとFF/FBの役割を担う、左右で合計6基のマイクがスマートに連携しながらノイズ成分をモニタリングする。

さらにPx7 S3には、高度な演算処理をこなすCPUを統合するクアルコムのBluetoothオーディオ向けチップも搭載する。チップとマイクの連携、そしてPxシリーズ独自のANCアルゴリズムが加わることでリスニングに不要なノイズ成分だけが選り分けられて消える。

 “ノイキャン由来のプレッシャー” がなく、パススルー(外音取り込み)モードに切り替えてもサウンドがブレない。ANCモードの消音効果は「強さ」を主張するタイプのヘッドホンではないが、それでも十分に高い効果が得られる。

前モデルのPx7 S2eに比べると、高音域から低音域まで静寂の密度が一段上がった印象がある。上質な静寂の中で、鮮やかに煌めく音楽にのめり込む贅沢な時間を味わった。

音楽ファンにもビジネスパーソンにも「最良のパートナーになる」モデル

Px7 S3の消音性能が向上した理由には、本機がもう一つ大きく進化した「デザイン」とも結び付きがありそうだ。Bowers & WilkinsのエンジニアはPx7 S2eを発売した直後から、約2年をかけてPx7 S3のよりスリムなハウジングを開発してきた。

少ない容積でさらに充実した音を鳴らすための新しい内部構造を採用した。現在特許を出願中であることからBowers & Wilkinsはその詳細を公開していない。

ハウジングの厚みが前モデルよりも大幅にスリム化され、顔の輪郭と自然に馴染む。Px7 S3はイヤーカップの内部がわずかに浅くなったようにも見えるが、装着感は存外ゆったりとしている。

柔らかなイヤーパッドによるパッシブな遮音性能も高いことから、ANC機能との合わせ技による上質なリスニング体験が得られる。

見た目にもかなり薄型化されているが、DSPをBluetooth SoCとは別に搭載するほか、今回は同社オーバーヘッド型ヘッドホンとして初めて独立したヘッドホンアンプも搭載し、音質を磨きあげている

左右に1基ずつ搭載する通話専用マイクにより、ハンズフリーコールの音声もクリアに聞ける。先述したBluetoothオーディオのチップとは別に、専用のDSPとDAC、アンプを独立構成で内蔵したPx7 S3はすべてのサウンドを最上の音質で再現する。

機能面ではBluetoothオーディオはaptX Adaptiveに対応するプレーヤー機器に組み合わせると最大96kHz/24bitのハイレゾワイヤレス再生が楽しめる。

USB-C接続による有線リスニングも最大96kHz/24bit対応だ。3.5mmアナログ入力もサポートしているので、スマホにPC、機内エンターテインメントまで組み合わせる再生機器を選ばない。

洗練されたサウンドとデザインを求める音楽ファンから、最も機能性に富んだコミュニケーションツールを求めるビジネスパーソンにも、Bowers & WilkinsのPx7 S3は最良のパートナーになるだろう。

(提供:ディーアンドエムホールディングス)

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