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PR“定番モデル” のバージョンアップで上位機「Px8」に肉薄

「ワイヤレスヘッドホンの音も遂にここまで来たか」。Bowers & Wilkinsの新モデル「Px7 S3」速攻レビュー

公開日 2025/04/25 06:30 高橋 敦
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英国を代表するオーディオブランドBowers & Wilkins(B&W)より、ワイヤレスヘッドホン「Px7」シリーズの最新モデル、「Px7 S3」が発売される。初代、S2、S2eの好評を経ての第4世代であるが、今回の進化、紹介するべき内容は特に超充実。であるので早速その紹介に進ませていただこう。記事後半では前モデルPx7 S2e、上位シリーズPx8とのサウンドの違いについてもチェックする。

「Px7 S3」オープン価格(市場想定価格:税込68,200円前後)

 

振動板以外を刷新した外観。ハウジングの薄型化がもたらす効果とは

では外観から見ていこう。その外観の変更が機能や機構の変更に由来していたり、操作性の向上につながっていたりもする。

前提として基本的なデザインフォーマットは継承されており、遠目からS2eとS3を一目で判別できるほどの違いはない。逆に言えばどちらも「『B&W Px7』だと一目でわかる」わけだ。Px7らしい姿というものが確立されている。

しかし手にとって間近で見ればむしろ違っている部分の方が多い。実際のところ両機の共通パーツは振動板のみとのことだ。

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「Px7 S3」インディゴ・ブルー
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「Px7 S2e」オーシャン・ブルー。同じブルー系のカラーリングでも色味を大きく変えてきている

まず大きな違いはハウジング全体の薄型化。おかげで装着時のヘッドバンドの広がりが抑えられ、装着シルエットがよりスマートになった。

そしておそらくはその薄さを受けて、操作ボタンの配置にも変更がある。S2eのボタンはハウジング最外周部に配置されていたが、本機ではハウジング中央部の周囲に移動。外周部が薄くなり、操作しやすいサイズ等を維持してボタンを置くことが難しくなったからのようだ。

「Px7 S2e」(写真左)と「Px7 S3」(写真右)との比較。薄型化に伴って装着時のシルエットがよりスマートに


また従来はアクティブノイズキャンセリング(ANC)操作ボタンのみ左側ハウジング、他のボタンとUSB端子は全て右側という割り振りだったが、本機では電源ボタンとUSB端子が左側に移動。中央部は外周部と比べスペースが狭いので、左右への振り分けが必要になったのだろう。これまで右に密集して存在感を主張していたボタンが左右にばらけたことで、ルックス的にもすっきりした印象となっており、一石二鳥か。

そのハウジング中央部をさらに見ていくと、ボタン等が移ってきた代わりに、これまでそこにあったパンチングによる通気部がなくなっている。そこにはANC&通話用のマイクが仕込まれていたはずだが……。

左ハウジングに電源ボタンとUSB Type-Cコネクターを備える
外周部に施されるスリット内にマイクを移設。マイクの存在を目立たせないデザインに仕上げた

もうお気付きだろう。本機では外周部に新たにスリットが施されているが、マイクはそこに移設されているのだ。従来のパンチングよりマイクの存在を目立たせない仕上がりになっている。その上でマイク搭載数は、S2eではANC用と通話用合わせて左右各3基だったところ、本機では左右各4基に増加。ANCと通話の性能向上も図られている。

ちなみにS2eでも本機でもボタン類とマイクは片方が外周部ならもう片方は中央部と離して設置してあるのは、操作時の機械ノイズがマイクに届きにくいようにそうしているとのこと。

ほか、ヘッドバンドとハウジングをつなぐアームは薄型化に合わせてよりスムースなラインに。ヘッドバンドの配線スリットは、S2eではバンドの表裏両面に露出していたが、本機では裏側だけの露出になり装着時には見えなくされている。こういった細部の変更も外観のよりスマートな印象に貢献。

ハウジングの薄型化に伴いアームのデザインも刷新。スマートな曲線を描く

 

機能面ではUSB接続時に96kHz/24bitまでのハイレゾ再生に対応したことと、本機のマイクを使った通話が可能にというのがちょっとしたトピック。バッテリー駆動時間は従来通りの30時間を維持。不足を感じることはまずないだろう。

 

「Px7 S3」音質レビュー:抜け感/空間表現に秀でた「よりB&Wらしい音」

サウンド周りにおいてまず気になるのはドライバーユニット。「振動板の他は全て別パーツ」となれば、ドライバーも振動板だけ引き継いだ新規品だ。詳細は明かされていないが、薄型と高音質の両立のために様々な工夫が投入されているのだろう。

「Px7 S3」キャンバス・ホワイト

 

コーデック周りではaptX Adaptive対応が強化され、それに内包されるaptX Losslessにも対応。スマホ等の送信側も対応していれば44.1kHz/16bitまでの信号はロスレス伝送となる。ほか、アプリから利用可能なイコライザーは従来の2バンドからより細かく調整できる5バンドに。

では実機の試聴インプレッションをお伝えしていこう。コーデックはaptX Adaptive、屋外使用を想定してNCオンで試聴した。

次ページ「Px7 S2e」「Px8」とも比較試聴を実施!

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