【第203回】田村ゆかりさん誕生日ライブ直前企画！ゆかりん楽曲の魅力を引き出す “5,000+円” イヤホン

ルックス的にはそのコンパクトさや金属素材など、E3000と似たところもあるが、実はサウンド的にはほとんど反対。しっとりしなやかなE3000に対して、S500はややドライかつシャープで硬質な音色が持ち味だ。5,000円クラスにおける超キレキレ系イヤホン最右翼のひとつ。

そのキレっぷりがこの曲では実に気持ち良く発揮される。シンセの電子音ならではのエッジ感、クリスタルなチャイムやベル系のサウンドの硬質な輝き、そしてゆかりさんの声も切れ込んでくるようなシャープさで脳に来る。

あっちにもこっちにも音が散りばめられている曲なので、その音の数を処理しきれないイヤホンで聴くと全体の印象がごちゃごちゃしてしまうが、このイヤホンはそこにも余裕がある。音と音の繋がりや重なりよりも、クリアな分離をしっかりと表現するのが得意なタイプ。どれだけ音が詰め込まれてきても余白を残して音をすっきりと配置して届けてくれる。

そのクリアさとバシッした音のキレのおかげで、リズムのキメやブレイクも綺麗に決まる。ブレイクして静かになったところに台詞的なニュアンスでぶち込まれる、
「早く触れたいな……」
「好きです」
といった部分が、全体の音数とのコントラストも鮮やかに、素晴らしく見事に炸裂する。

なお、この曲に超特化してセレクトしたS500 Universalだが、シャープでクリアな音が好みという方であれば、他の曲をこのイヤホンで聴くのもぜんぜんアリ！例えば『Lost Sequence』をこのイヤホンで聴くと、装飾的なエレクトロサウンドが際立ち、ベースのディープな響きがより明確になって、曲のまた違った表情を感じられたりもする。

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今回は、田村ゆかりさんミニアルバム「Princess ♡ Limited」からピックアップした3曲に特にフィットするおすすめイヤホン3モデルを紹介させていただいた。どれも間違いのない組み合わせ！なはずだ。

とはいえ冒頭に述べたように、とにかく「田村ゆかりさんの楽曲を良い音で聴いてみたい」という、企画の主旨を感じてもらえたのなら良し！今回紹介したものの他にも、高いクオリティと豊かなキャラクターを備えたイヤホンは、同じ5,000円の価格帯にも、またその上下の価格帯にもたくさんある。

この記事で取り上げたイヤホンをそのまま試すも良し、この記事もヒントに他のイヤホンにまで目を向けてみるも良し、とにかく何かしらのきっかけになることができれば幸いだ。

高橋敦　TAKAHASHI,Atsushi 趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。