公開日 2017/08/01 11:06

【レビュー】ラックスマンの新・最上位ヘッドホンアンプ「P-750u」。さらに進化した“王道サウンド”

「ODNF」は最新Ver4.0へアップデート
ラックスマンは、2002年発売の「P-1」以降、据え置き型ヘッドホンアンプのハイエンド機というジャンルを切り拓いてきた。そして2017年6月、さらなる進化を遂げた新たな最上位ヘッドホンアンプ「P-750u」を発表。独自の増幅帰還回路「ODNF」バージョン4.0を4ch分搭載など、最新技術を盛り込みブラッシュアップされた本機を岩井 喬がレビューする。

LUXMAN「P-750u」 ¥300,000/税抜 (ヘッドホンはゼンハイザー HD800)

“ハイエンド”据え置き型ヘッドホンアンプの登場とこれまでの進化

2000年以降、「iPod」の登場でヘッドホン/イヤホンを取り巻く状況が一変した。この流れはポータブル環境にとどまらず、インドアユースのオープン型モデルをはじめとする高価格帯ヘッドホンをも巻き込み、現在に至るムーブメントを形成してゆく。

そうした中、老舗オーディオブランド・ラックスマンからハイエンド据え置き型ヘッドホンアンプ「P-1」が2002年に発表され、大きな話題となった。この当時はまだまだ据え置き型のヘッドホンアンプという概念が定着する以前の話であり、純A級構成の出力段を持ったフルサイズ・コンポーネントの本格派であるP-1は、リファレンスヘッドホンアンプとしての地位をいち早く確立し、ラックスマンの名がマニアの間で浸透してゆくのである。

2002年発売のハイエンド据え置き型ヘッドホンアンプ「P-1」

その後、P-1は8年にもわたりロングセラーを記録。セパレート機並みのこだわりと、独自の高音質帰還回路技術「ODNF」バージョン2を採用したこともあり、音質の良さや安定感だけでなく、揺るぎない信頼度の高さもあり、マニアのみならずヘッドホンメーカーやラックスマンに続いて製品を発表してきたアンプメーカーにとっても、P-1は一つの基準として確固たる存在となっていた。

そして2010年、P-1の後継機「P-1u」が誕生。この頃になると10万円以上のハイエンドヘッドホンが各ブランドのフラッグシップとして発売されるようになり、その性能を十二分に引き出すため、据え置き型ヘッドホンアンプのニーズが高まり始めていた。ラックスマンもその流れを受け、新世代のヘッドホンに応えられる性能の向上、そしてハイインピーダンス機への対応を実施。ODNFもバージョン3.0Aへとアップデートされ、誤差検出回路の低インピーダンス化によって歪率やS/Nを大幅に改善したのだ。来るハイレゾ時代に向け、ワイドレンジ&高解像度なサウンド性をより推し進めたのである。

P-1の後継機「P-1u」

それからほどなくしてニーズが高まってきたのが、ヘッドホンの左右ドライバーに対して、+側(HOT)/−側(COLD)各々に個別のアンプを設けてBTL接続させるバランス駆動の動きだ。グラウンドを分離させることにも繋がるため左右セパレーション向上の他、S/Nも圧倒的に改善され音場のリアリティが増す。

ラックスマンもこの動きに機敏に対応し、P-1uをベースにバランス駆動対応を果たした後継モデル「P-700u」を2012年に発売した。ODNF バージョン3.0A構成の出力段を左右合わせて4ch分積み込んだ豪勢な作りとなった他、上位クラスのアンプに搭載していた電子制御アッテネーター「LECUA」も採用し、左右レベル偏差を抑え込んだ。P-1uから筐体サイズは1cmほど高くなったものの、回路構成の規模が倍になったことでボディ内部は高密度に中身が詰まった仕様となった。

バランス駆動に対応した「P-700u」

バランス駆動によって混変調歪の低減や電源レギュレーションの改善も実現しているが、従来のシングルエンド駆動においては4ch分のアンプを左右2つずつ束ねたパラレル接続とすることで、より安定的なドライブ能力の向上を図っている。このP-700uの登場により、トレンドにも寄り添ったリファレンスアンプとして、より盤石な体制ができ上がったといえるだろう。

次ページP-700u発売から約5年、新たに登場した最上位機「P-750u」

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