スピーカーやアナログプレーヤーの音質アップの方法とは?お金をかけずにスグできる4選
オーディオは実に奥深く、様々な要素が音に影響してくる。だからこそ楽しい趣味なのだが、初心者のうちは分からないことも多く、また熟練したファンであっても、詳しいことは意外と知らないなんてことがあるのではないだろうか。
そこで、オーディオ買取専門店「オーディオランド」のご協力のもと、オーディオにまつわる改めて知りたい基礎知識を炭山アキラ氏が解説する。本項では、お金をかけずに音質アップ可能なテクニックについて紹介しよう。

オーディオの楽しみとして、機材を買い替えることで音質を向上させることがあるのは間違いないだろう。それに次いで、アクセサリーを使って音質アップや風合いの変化を楽しむ、ということもあるに違いない。
しかし、金を使わずに音質向上する方法もある。具体的には、セッティングの変更だ。最もよく効くセッティング変更は、スピーカーとアナログプレーヤーといってよい。順に説明していこう。
スピーカーのセッティングで、金をかけずに行えるのは、左右と背後からの距離を整えることだ。スピーカーを壁に近づけすぎると、反射音が増えて中域以上が濁り、不自然さが増していく。
その一方で低域は量感を増すから、スピーカーの低音がどうも不足気味だと思ったら、中 - 高域の濁りやにじみとの折り合いをつけながら、徐々に壁へ近づけることでベストポジションを探ることができる。
また、もし環境が許すなら、左右のスピーカーを部屋から見て鏡面対称の位置にセットすることも薦められる。ただし、これは専用のリスニングルームでなければ、なかなか実現の難しい項目でもあろう。
かくいう私自身、L字型の変形リビングをリスニングルームと兼用しているから、そういうセッティングは覚束ない。
もう一つ、特に木造家屋は床が土台から直接支えられている部分とそうでない部分で強度の差が大きいから、できるだけ強度の高いところへスピーカーを置くとよい、という説もある。
しかし、これも他のセッティング条件との兼ね合いで、適切な妥協点を探していくしかない。
あと、これはまったく金がかからないわけではないが、もしブックシェルフ型のスピーカーを直接スタンドへ置いている人がおられるなら、スタンドとの間に硬貨を挟んでみられることを勧める。
1円玉で3点支持なら6円、10円玉で60円、500円玉なら3,000円の投資となる。硬貨のそれぞれで音質はかなり違うから、いろいろ実験してみるのも楽しい。それで好みに合わなかった “インシュレーター” は、原価で再び使うことができるのだから、損のない実験ともいえるだろう。
そして、その硬貨をどこへどう挟むかによっても、音質は大きく変わる。3点支持は原理的にガタつきが出ないが、しっかりガタを養生した4点支持はより力強くスピーカーを支える。
スピーカーをできるだけ隅で支えてやると音は開放的な傾向となり、内側へいくほど音はやや内向的な鳴り方になる、という印象だ。このあたりも、ご自分で試してみられることを薦める。
アナログプレーヤーについては、最も簡単な試行錯誤として、カートリッジの針圧を動かしてみることを薦める。といってもあまり大幅に上下させるのではない。
少数の例外を除いて、カートリッジにはそれぞれ適正針圧の幅があり、その範囲内ならメーカーは動作を保証している。一般的なカートリッジは、室温が20度で本来の性能を発揮するように設計されている。
しかし、特に夏場など室温を20度にしようとしたら、エアコンフル稼働で部屋はノイジーになるし、人間だって風邪を引きかねない。そういう時には、既定の室温よりも高い場合にダンパーのゴムが柔らかくなっていることを見越して、針圧をやや軽めに設定してみるのも一つの方法だ。
同じように、20度へ達しない冬場はやや針圧を高めに設定してみるのも、実験の価値があるだろう。
買ってきたカートリッジがちょっと期待と外れていた、という経験をされた人は少なくないのではないか。そういう場合、例えばちょっと低域不足に感じたら、アームの高さを上げてやると、少し低域が増して音に重厚さを加えるものである。
ちょっと高域の華やかさに欠けるなと感じられたら、ヘッドシェルとレコードが干渉しない範囲でアームの高さを下げてやると、高域方向の張り出しが増す傾向だ。これはミリ単位の違いで結構効く方策なので、皆さんもやりすぎない範囲でぜひ試してみてほしい。
トーンアームの先端とシェルのコネクターが接触する部位から針先までの距離は、52mmが適正とされている。しかし、これを少し前後させてやると、音の傾向が若干変わる。概して、短くすると若干力強さが増し、長くするとゆったりした鳴り方に変わる傾向だ。僅かの差だが、チューニングに使えるだろう。
ただし、この方策はピュアストレート・アームには適用できない。同方式のアームは針先の位置が極めてシビアで、適正から1mm外したら特に内周の歪みが激増した、などということになりかねないからである。
あとは、インターコネクトケーブルやスピーカー、電源などの端子をまめに磨いてやろう。オーディオ専用のクリーナーで水際立った性能のものもあるが、金をかけないならご家庭にある無水アルコールと耳掃除用の綿棒で十分だ。磨けば磨くほど音質がめきめき向上することを約束しよう。また、レコードと針先もこまめに掃除することをお忘れなく。

(提供:オーディオランド)

