公開日 2014/07/17 11:00

OPPO「HA-1」を全方位レビュー。USB-DAC/ヘッドホンアンプに新たな注目機登場

【特別企画】OPPO「HA-1/PM-1」徹底検証<第1回>
岩井喬
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<3>ヘッドホンアンプのサウンドを確認する

■きめ細やかかつ濃密な質感描写が得意なヘッドホンアンプ部

HA-1の大きなフューチャーであるヘッドホンアンプは、A級ディスクリート構成ということもあり、きめ細やかでありながら濃密な質感描写を得意としている。純度が高く、音像の存在感をたくましく表現。ハイインピーダンス&低能率なヘッドホンの駆動に関しても、ゲイン切り替えの“High”側で問題なくドライブできるだろう。

ヘッドホン出力の音質はステレオ標準端子、バランス端子のそれぞれを検証した

バランス駆動については、制動力がより向上し、立ち上がり&立下りのレスポンスが早くなる。高域のエッジはさらに鋭利さが増し、定位もシャープになるが、耳に刺さるような変化ではない。音離れが良く、余韻のグラデーションも極めてきめ細やかに描かれる。一方で、音像の密度感、中低域のリッチさも増す方向に働き、高分解能でありながら、同時に肉付きのよいサウンドを楽しむことができた。

「HA-1」×人気ヘッドホン4機種で組み合わせテスト


この「HA-1」が、実際に主要なヘッドホンをどのように鳴らすのかという点には多くのユーザーが関心を持つと思う。ここからはヘッドホンの人気モデルを「HA-1」と組み合わせたサウンドレビューをお届けしたい。

<組み合わせ1>SENNHEISER「HD800」
HA-1の制動力が際立つ再現性を発揮した
バランス駆動ではモニターテイストが際立つ


SENNHEISER「HD800」と組み合わせたところ

まずはSENNHEISERのフラッグシップ機「HD800」だ。ステレオ標準端子の接続のサウンドは高解像度で、音像をシャープにまとめる。ボーカルや弦楽器は張りがあり鮮やかだ。リズム隊は引き締まり、ハーモニーは高域まで付帯感なくクリアに描く。ハイレゾのオーケストラは旋律の透明感、余韻の瑞々しさが引き立ち、爽やかなサウンド。ハキハキとして音離れが良く、女性の声はクールな艶を持つ。音像の厚みも素直で、制動感の高さが際立っている。

純正ケーブル「CH800S」を用いたバランス駆動では、さらに解像度が高まったせいか、細部がより鮮明になり、音数が増したように感じる。アタックやリリースのスピードも速く、ベースのキレも鮮やか。ギターやシンセサイザーの音色も透明度が高く、音像定位も明確だ。S/Nも良く、クラシックの音場も広がり豊かに表現。ハーモニーの旋律は流麗で、混濁感は一切感じない。よりモニターライクなテイストが強まると言える。

<組み合わせ2>SHURE「SRH1540」
ゴージャスなサウンド傾向と好相性
持ち味の低域再現もしっかりと引き出す


SHURE「SRH1540」と組み合わせたところ

続いては密閉型の高級モデルとして人気の「SRH1540」だ。太くたくましいベースに、艶張りの良い華やかな高域の音色が加わり、ゴージャスな響きに包まれる。ボーカルは肉付きが良く、ボトムも厚い。口元の描写は耳当たりの良い柔らかさを持ちながら、倍音の艶によって輪郭感もきちんと出している。

ホーンセクションやピアノ、弦楽器は滑らかな張りを伴った音像となり、各々が分離良く展開。オーケストラのハーモニーは爽やかに響き、ローエンドはどっしりとリッチに伸びる。ウッドベースの胴鳴りもむっちりとしており、トリオ編成のジャズもゴージャスな音色を味わえる。

次はHA-1に、現行ヘッドホンの中で最も鳴らしにくい部類に入るbeyerdynamicの「T1」を組合わせてみた。

次ページ人気ヘッドホンをさらに組合わせて音質を確認する

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