iPhone/Android対応の“パーソナルクラウド” 「Pogoplug Mobile」を試す

スマホで撮った写真の自動バックアップ＆管理もかんたん

スマホで撮影した写真は、Wi-Fi/3G経由で自動的にクラウドにアップロードしておくよう設定できる。スマホで撮影した写真は、ついバックアップを怠ってしまうことがあるが、常時オンラインストレージに自動保存できれば、スマホのトラブルでデータが飛んでしまう不安から解放される。

なお、スマホからの写真アップロードは一枚単位でも行える。アップロードした写真・動画は、後からスマホ側から選択して消去もできるので、万が一公開したくない写真が自動で上がってしまっていてもやり直せる。アップル「iCloud」のフォトストリームでは現状、iPhoneなどで撮影した写真データすべてが同期され、アップロード後は一枚ずつ削除できないため、この点の使い勝手の良さはPogoplug Mobileの方が上手だ。


動画・音楽のストリーム視聴も可能。スマホの場合は要Wi-Fi環境

クラウドにアップロードした音楽や動画ファイルは、各デバイスにアプリ経由でストリーミング再生できる。音楽ファイルは、再生時にジャケット写真の表示も対応する。なお、iOS版モバイルアプリはAirPlayにも対応している。

音楽のストーミング視聴は、PogoplugブラウザとWebインターフェースからは、多少読み込みに時間がかかるものの再生はできた。一方スマホでの再生は、どこかにボトルネックがあったのか、Wi-Fi/3Gの両環境を、職場と自宅で試してみたが、ローディングの状態でストップしてしまい、今回のテストでは再生できなかった。

動画ファイルはデジタルカメラで撮影したフルHDサイズのMP4動画をアップロードして再生を試みたが、アップロード時にトランスコード処理による最適化が行われるため、画質・音質ともに品質が落ちる。ストリーミング視聴は、Wi-Fi環境では映像がたまにコマ落ちするものの、基本的に問題なく再生できたので、クラウド上のファイルを友人たちに披露したい時など、十分に使えると感じた。一方3G環境では、今回のテスト環境では動画再生が行えなかった。


オンラインにアップロードした写真データは快適に視聴、共有することができた。アップロードしたデータを、例えば友人宛にメールでリンクを送ったり、ツイートすることもできる。WebインターフェースからはFacebookやGoogle+と連携もでき、それぞれのサービス上にポストすることも可能だ。


とにかく気楽に「クラウド」を利用したい人に

とにかく驚くほど簡単にセットアップができて、クラウドサービスの魅力を気張らず体験できることが「Pogoplug Mobile」の最大の魅力と実感した。7,000円台後半の実勢販売価格や、本体がコンパクトなので省スペースに設置できるのもポイントだ。

多くのクラウドサービスの場合、初期導入時に無料で使えるストレージが用意されているものの、当然ながら活用していけばすぐに容量がいっぱいになってしまい、容量アップを余儀なくされる。多くの場合、ここで増量を申し込む出費や手間が面倒になりがちではないだろうか。

また「オンラインストレージはセキュリティが不安で」といったネガティブな気持ちから、そのうち使うのをやめてしまうということもありそうだ。「Pogoplug Mobile」の場合、手持ちのUSB-HDDやUSBメモリー、SDカードなど、使わずに持て余しているストレージもそのまま活用できる分、容量増設時の気分的な負担から解放される。これもクラウドビギナーにとって心強く感じられるはずだ。

様々な機能を、OSに縛られず、Android/iPhoneの両プラットフォームから利用できるのも良い。モバイル機器がますます便利に使いやすくなる一方、写真をはじめ手元のデジタルデータがかさんでいくばかりで困っていたという方に、入門機として本製品をおすすめできそうだ。