公開日 2022/04/18 17:59

『スーパーマリオ』の10コインブロック、実は「16枚」のコインが出せる。ただし激ムズ【Gadget Gate】

プログラムの処理とタイミングがカギ
Munenori Taniguchi
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
1985年に発売された超名作ファミコンゲーム『スーパーマリオブラザーズ』には、まだまだ人々が知らない謎が残っているようだ。

このゲームには、主人公キャラのマリオがパンチをするとコインが飛び出る、通称「10コインブロック」があることは、プレイした方ならご存じだろう。その名のとおり、連続パンチをすればおおむね10枚のコインが取得でき、マリオはこれを100枚貯めることで1UP、つまり残りキャラ数を1つ増やせる。

ゲームプレイヤーのKosmic氏は、この10コインブロックから出るコインの数が、最大で16枚にもなることを解析。これについて解説する動画をこのほどYouTubeで公開した。

Image: Nintendo

仕組みをしっかり理解するには、このゲームのコンピューター上の処理における「21フレームルール」を知っておきたい。このルールは、ゲームのクリア時間を競うリアルタイムアタック(RTA)競技について詳しい方ならご存じだろう。

大まかに説明すると、スーパーマリオのゲームプログラムは、21フレームを時間的な1つの単位として取り扱うように処理されている。たとえばステージクリアをした際、次のステージが始まるまでの時間は、21フレーム×6サイクルごとに区切られて遷移するのだ。

ただしクリアした瞬間は、どの時点でも1サイクルにカウントされる処理になっているため、仮にサイクルの20フレーム目でクリア判定が入れば、最初のサイクルは1フレームだけになり、残りの21×5フレームを足して106フレーム(約1.8秒)で次のステージが開始される。一方、クリア判定がサイクルの最初のフレームで発生すれば、次のステージ開始までに126フレーム(約2.1秒)の時間をプレイヤーは待たなければならない。ステージ間の遷移だけで、約0.3秒の時間差が生じるわけだ。

そして今回の題材となる10コインブロックもまた、このルールに則って動作する。Kosmic氏の説明によると、10コインブロックはマリオが最初にパンチした直後から21フレーム×11サイクル、つまり230フレーム(約3.8秒間)の間だけ、繰り返しパンチを受け付ける。そして、マリオが10コインブロックをパンチしてから再びパンチするまでにかかるフレーム数は、最短で16フレームである(間隔が短すぎてもブロックはパンチを受け付けない)。

したがって、時間内に最も多くのパンチを当てた場合を計算(230÷16)すると、最大14回のパンチが可能で、14枚のコインが取得できるということだ。これに最初のパンチで出た1枚と、空ブロックに変わってコインが出なくなる最後の1枚を足した合計16枚が、10コインブロックから得られる理論上の最大枚数ということになる。



Kosmic氏は、自身でも実際にNintendo Switch版『スーパーマリオブラザーズ 35』で16コインを出したことがある。また他にもスーパーマリオのスピードランナーとして知られるAndrewG氏が、2016年にハイスコアランを実行中に16コインを出した例があると、Kotakuは伝えている。

AndrewG氏のプレイを眺めていると、実際に10コインブロックからコンスタントに14枚程度は出しているのがわかる。我々がプレイしていた際も、枚数をしっかり意識していなかっただけで、実は10枚以上のコインが出ていたのかもしれない。理屈の上では最大16枚のコインが出せるということなので、もし手もとにスーパーマリオブラザーズをプレイする環境があれば、試してみてはいかがだろうか。

現在、スーパーマリオブラザーズは「Nintendo Switch(Switch Online)」や、「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」、「ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ」などがあればプレイできる。

Source: Kosmic(YouTube)
via: Kotaku



※テック/ガジェット系メディア「Gadget Gate」を近日中にローンチ予定です。本稿は、そのプレバージョンの記事として掲載しています。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 レコードの音楽を読み取って光るターンテーブル。オーディオテクニカ「Hotaru」一般販売スタート
2 ダイソンとPORTERがコラボした特別デザインのヘッドホンとショルダーバッグ。全世界380セット限定販売
3 LUMINの進化は終わらない。初のディスクリートDAC搭載「X2」の思想を開発担当者に訊く!
4 Spotif、2025年に最も聴かれた邦楽は「ライラック」。国内外で最も聴かれた楽曲・アーティストの年間ランキング発表
5 DUNU、7ドライバー/トライブリッド構成を採用したイヤホン「DN 142」
6 カセットテープとともに過ごすカフェ「CASSE」。12/17渋谷でグランドオープン
7 Vento、3次元特殊メッシュを採用したハイブリッド拡散パネル「DAP180 / DAP120」
8 AVIOT、最大120時間再生と小型軽量を両立したオンイヤー型Bluetoothヘッドホン「WA-G1」
9 サンワサプライ、省スペース設置できる木製キャビネットのサウンドバー「400-SP120」
10 アイレックス、ALBEDO/AUDIAブランド製品の価格改定を発表。2026年1月1日より
12/5 10:47 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX