ガジェット 公開日 2023/05/09 15:51

ChatGPTを悪用、中国で初の逮捕報道。列車事故のフェイクニュース拡散疑い

AI規制によりハイテク企業への締め付けも?
Gadget Gate
多根清史
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
中国警察がChatGPTにより生成したフェイクニュースを拡散した男性を逮捕したと、香港の英字メディアSouth China Morning Post(SCMP)が報じている。中国当局はディープラーニングによる合成技術、いわゆるディープフェイク悪用を防止するとの声明を発表し、今年1月から規制を施行しているが、その初の事例となる可能性がある。

中国北部・甘粛省の警察は、4月25日に9人が死亡した列車事故に関する偽記事を作成した疑いで男を逮捕したと発表。SCMP報道によると、「Hong」と呼ばれる容疑者はChatGPTを使って虚偽の事実と異なる情報をでっち上げ、中国のネット大手Baidu(百度)が運営する個人向けプラットフォーム「百家号(Baijiahao)」に20以上のアカウントから同時に投稿したとのことだ。これらの記事は当局に見つかるまでに、1万5000回以上がクリックされたそうだ。

そもそもChatGPTは中国のグレート・ファイアウォールによりブロックされているが、VPN接続が確保できれば中国ユーザーもアクセスできるという。

注目すべきは、Hong氏が「喧嘩を売り、トラブルを誘発した」罪を犯した疑いも掛けられていることだ。英The Guardianによれば、この法律は反体制派や活動家を一網打尽にするために使われていたが、2013年からはフェイクニュースをネット上に投稿・拡散した人にも適用が拡大されたという。有罪となった場合は、最大で10年までの懲役刑が科される可能性があるそうだ。

今年4月、中国はChatGPTを含むAIチャットボットを制限するガイドラインを発表している。一般的には、利用者の質問に対してAIが習近平指導部に批判的な回答をしかねない懸念があるから、と見られている。

だが、中国当局にはそれ以外の意図が2つあるとの推測を、米Gizmodoは紹介している。1つには、チャットボットによって翻訳された外国の記事や、中国人ユーザーがVPNなどのツールを使ってグレート・ファイアウォールによるコンテンツ規制を回避しようとする動きを締め付ける可能性だ。

もう1つは、世界的な人権団体アムネスティ・インターナショナルが指摘する懸念だ。すなわち権威主義的な政府が、人権侵害に関する正しい報道の信用を落とすために「すべてはAIによるねつ造に過ぎない」と主張するのではないか、というわけだ。

中国政府はChatGPTへのアクセスを遮断してはいるが、国内ではBaiduやアリババ等のハイテク大手が独自の生成系AIシステムの開発に注力している。こちらも当局がAIモデルにガイドライン違反の疑いをかけ、摘発することに利用する(より簡単に規制できる)との懸念も浮上しているが、それでも中国テック企業は生き残りのためにも邁進せざるを得ないのだろう。

Source: South China Morning Post
via: Gizmodo(US)

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 Paramount+、3月末で日本での提供終了へ。「権利元の都合」により
2 携帯性バツグンの“ブリティッシュ・サウンド”プレーヤー。ONIX「Tocata XM2」レビュー
3 4K UHD BD 『劇場アニメ ルックバック』、配信やBDではできない映像体験。最高画質で味わう“原動画”
4 配線/ペアリング不要で楽しめるホームシアター体験。Ankerのプロジェクター「Soundcore Nebula P1」を徹底レビュー!
5 あの“JPLAY”がなんとiOSに帰ってきた!? UPnP対応再生ソフト「JPLAY for iOS」をテスト!
6 NHK交響楽団の最新ドルビーアトモス音源、Apple Music Classicalにて配信開始
7 アンカー、AI機能特化のイヤーフック型完全ワイヤレス「Soundcore AeroFit 2 AI Assistant」
8 <大阪オートメッセ>パイオニア「Grand Resolution」大好評&“カスタムの楽しさ”を広げるカロッツェリア
9 ナガオカ、イヤリングのように身につける“新感覚”ながら聴き完全ワイヤレス「NRING30」
10 アンカー、片耳約5.5gの軽量設計イヤーカフ型完全ワイヤレス「C50i」
2/19 11:05 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX