公開日 2021/09/10 13:29

Netflix、アニメ制作現場をサポートする新拠点「アニメ・クリエイターズ・ベース」開設

当面はコンセプトアート開発に注力
編集部:杉山康介
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Netflixは、クリエイター・アニメ制作会社などのパートナーへの支援強化に向けた新拠点「Netflix アニメ・クリエイターズ・ベース」を、本日9月10日にNetflix東京オフィス内に開設する。

「Netflix アニメ・クリエイターズ・ベース」チーフプロデューサーの櫻井大樹氏(写真右)と所属デザイナー石舘波子氏(左)

Netflixは、現在全世界で2億世帯以上の会員を有しており、日本でも昨年500万人を突破。中でも1億2千万世帯は年に1回以上アニメ作品を視聴しており、世界的にもアニメは人気のコンテンツだという。

これまでにもNetflixは、アニメ制作会社・WIT STUDIOと共に「WITアニメーター塾」を開講するなど、業界スタンダードの引き上げに寄与してきたが、新拠点もその取り組みの一環となる。

脚本家などが集う「ライターズ・ガレージ」、デザイナーなどが集う「デザイナーズ・ガレージ」、現時点では未使用の状態だが、将来的にVRやモーションキャプチャーといった新技術を試せる場にしたいという「ラボ」の3つの空間を用意。国内外からクリエイターが集うコミュニティとして専門性高く作品づくりを支援したり、制作会社が必要とするツールや技術を提供し、サポート体制を強化していく予定だとしている。

ライターズ・ガレージ

デザイナーズ・ガレージ

当面はコンセプトアート開発に注力。「忙しい制作会社をサポートしたい」

本日9月10日には、オンライン上で記者説明会が開催され、チーフプロデューサーの櫻井大樹氏が登壇し、その意気込みを語った。

VRなどの新技術を導入する予定だという「ラボ」

開設当初のうちは、「コンセプトアート」の開発に注力すると説明。コンセプトアートは、作品の企画段階において映像化の仮イメージとして制作されるもので、これがあることで関係者は原作へのアクセスを広められ、またクリエイター陣も世界観やビジョンを共有でき、チームとして目指す絵を明確にできるという。

櫻井氏は「コンセプトアートは『プリプロダクション(脚本など、アニメ制作の序盤に位置する工程)』より前に来る、制作過程の根幹かつ最終的な映像の土台となる工程だが、現在の忙しい制作環境では省略されることも多い。だからこそNetflixが引き受けることで、制作会社をサポートしたい」という。

実際に制作された『グリムプロジェクト』(左)/『エデン』(右)のコンセプトアート

また、本発表会にはNetflixと新作アニメ『グリムプロジェクト』を制作しているWIT STUDIOのプロデューサー・宍戸翔洋氏も登壇。「コンセプトアートは脚本に影響を与え、さらにその脚本が絵作りにも影響を与える存在。『グリムプロジェクト』でもコンセプトアートを貰えたことで脚本の制動などが上手くいった面があるので、クリエイターズ・ベースにも期待している」とコメント。

現時点の所属は石舘波子氏、サイナ・シセ氏のデザイナー2名だが、年内に2人が合流する予定。将来的には「脚本家や編集など、さまざまな職種のクリエイターに所属してもらいたい、コンセプトアート以外の機能を拡充するつもりだ」と櫻井氏は語った。

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