公開日 2016/01/13 13:17

<CES>Polk Audio/Definitive Technologyの最新製品を同社幹部に聞く

米国屈指のスピーカーブランド
編集部:風間雄介
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
日本でも人気が高まりつつあるPolk Audioと、Polkとは少し異なる製品展開を行っているDefinitive Technology。この両ブランドを手がけている会社が、SOUND UNITEDだ。

1月9日までラスベガスで開催されたCES 2016において、SOUND UNITEDのブースを訪問。グローバルマーケティングを担当するAaron Levine氏に両ブランドの特徴や製品について聞いた。

Sound Unitedでグローバルマーケティングを担当するAaron Levine氏

Polk Audioの歴史と最新製品

まずPolk Audioについて紹介していこう。Polk Audioは、日本ではまだそれほど知名度が高くはないが、アメリカでの人気は非常に高い。HI-FI/シアター向けスピーカーの米国内市場シェアで、あのKLIPSCH(クリプシュ)と1、2を争っているといえば、そのポジションがおわかり頂けるだろう。当サイトでもレビュー記事の集積ページを掲載している。

ブースにはPolk Audioのスピーカーが文字通りところ狭しと並べられていた

日本ではPolk Audioと言えばヘッドホンやイヤホンのイメージが強い。それはいまのところ日本ではヘッドホン/イヤホンしか正規輸入販売が行われていないからなのだが、実はアメリカでは40年以上の歴史を持つブランドなのだ。

Polk Audioが創業したのは1972年。創業の地はメリーランド州ボルティモアだ。創業者のマシュー・ポーク氏が、「ロックスターが家でライブするような音を届けたい」という思いから、製品をつくりはじめたのがきっかけ。その後は「良い音を手が届きやすい価格帯で届ける」ことをモットーに製品を投入してきた。

スピーカーのラインナップは129ドル程度のエントリー機からスタート。高級モデル「LSIMシリーズ」も用意され、LSIM707という製品は2,000ドル程度となる。LSIMは前面バッフルにベースラジエーターを2基搭載するなどかなり特徴的な構成で、低域を強化している。

Polkは高級モデル「LSIMシリーズ」も展開

CESのブースには、Polk Audioのサウンドバー「SB1 Plus」(699.95ドル)も出展。特徴はサウンドバーの中央に、人間の声の帯域に特化したドライバーを搭載したこと。声をはっきりと再生するためにDSPも内蔵し、ボーカルやセリフの再現に力を注いだ。リモコンも、全体のボリュームとは別に、声のボリュームを独立で調整するボタンが用意されている。

Polk Audioのサウンドバーシステム

サイズによって何製品かのバリエーションを用意


中央にボーカル帯域用のスピーカーを搭載している

ボリュームもセリフだけを独立して操作できる
そのほか、ワイヤレススピーカーも展示。Wi-Fi/Bluetooth両対応の「Omni S2」や、Wi-Fiオンリーでステレオスピーカーの「S6」など、多彩なラインナップが並んでいた。

「Omni S2」

「Omni S6」

ヘッドホンは、日本でも売られているワイヤレスヘッドホン「Hinge Wireless」やイヤホン「Nue Era」などを出展。またゲーミングヘッドホン「Striker Pro」のContract Editionも展示していた。ただしケース内に飾られており、ヘッドホンの試聴は行えなかった。

Definitive Technology

Definitive Technologyの製品は、ブラックを基調としたシンプルなデザインのものが多く、Polk Audioに比べてクールなイメージだ。このブランドも25年の歴史を持ち、米国では高い認知度を誇る。

Definitive Technologyのスピーカーも、かなり個性的なものが多い。まず、ほとんどのスピーカーにアクティブサブウーファーやDSPを内蔵している。これによりダイナミックレンジと、深い低音を実現しているのだ。

Definitiveのスピーカー。一見すると普通だが一風変わったモデルだ

アクティブサブウーファーを内蔵している


ドルビーアトモスのイネーブルドスピーカーと一体化している

イネーブルドスピーカーを外したところ
一般的にサブウーファーを内蔵しているというと、横幅が大きいスピーカーを連想しがちだが、Definitiveの製品は違う。通常のスピーカー並み、いやそれ以上にスッキリとしており、背面の端子部を見なければサブウーファー内蔵とは思えないほどだ。

これらの製品はもちろんHI-FI用途で使えるが、SOUND UNITEDブースでは、Definitiveのスピーカー5本を使ったマルチチャンネルシステムを展開。しかもイネーブルドスピーカーを使い、ドルビーアトモス再生のデモを行っていた。

Definitive Technologyのスピーカーを使ったドルビーアトモス再生デモ

ドルビーアトモスのデモ自体は珍しいものではないが、イネーブルドスピーカーの幅や奥行きがスピーカーと同じで、デザイン的に完璧に一体化しているため、一見すると少し背の高いスピーカーに見える。なおイネーブルドスピーカーはフロントスピーカーだけでなくリアスピーカーにも付けられていた。

もう一つの特徴は、スピーカー本体にサブウーファーを内蔵しているため、あの大きく四角いサブウーファーが存在しないことだ。イネーブルドスピーカーとサブウーファーがスピーカーと一体化しているため、シンプルかつスタイリッシュなサラウンドシステムを実現できる。デモではドルビーアトモスにおける「5.2.4」スピーカー配置を実現していたのだが、システムの見た目からはとてもそうは見えない。

POLKと同じく、Definitiveもサウンドバーやワイヤレススピーカーを展開している。

テレビの下の細い棒状のものがサウンドバー。細くて設置しやすいのが特徴だ

中でも興味深かったのは「W7」という製品。サウンドバーのワイヤレスリアスピーカーとしても使えるモデルで、マルチルームでの使用にも対応している。ふだんは他の部屋でマルチルームスピーカーあるいはワイヤレススピーカーとして使い、シアター再生のときだけリビングに持ってきてリアスピーカーとして活用する、などといったことができる。

Definitiveのワイヤレススピーカー「W7」

ヘッドホンでは「Symphony 1」という製品に注目だ。オーバーイヤータイプの密閉型ヘッドホンで、Bluetoothとアクティブノイズキャンセリングに両対応している。バッテリー持続時間は約15時間。50mmドライバーを備えている。

Definitiveのヘッドホン「Symphony 1」

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 レコードの音楽を読み取って光るターンテーブル。オーディオテクニカ「Hotaru」一般販売スタート
2 ダイソンとPORTERがコラボした特別デザインのヘッドホンとショルダーバッグ。全世界380セット限定販売
3 LUMINの進化は終わらない。初のディスクリートDAC搭載「X2」の思想を開発担当者に訊く!
4 Spotif、2025年に最も聴かれた邦楽は「ライラック」。国内外で最も聴かれた楽曲・アーティストの年間ランキング発表
5 DUNU、7ドライバー/トライブリッド構成を採用したイヤホン「DN 142」
6 カセットテープとともに過ごすカフェ「CASSE」。12/17渋谷でグランドオープン
7 Vento、3次元特殊メッシュを採用したハイブリッド拡散パネル「DAP180 / DAP120」
8 AVIOT、最大120時間再生と小型軽量を両立したオンイヤー型Bluetoothヘッドホン「WA-G1」
9 サンワサプライ、省スペース設置できる木製キャビネットのサウンドバー「400-SP120」
10 アイレックス、ALBEDO/AUDIAブランド製品の価格改定を発表。2026年1月1日より
12/5 10:47 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX