• ブランド
    特設サイト
公開日 2014/04/26 12:35

<IFA GPC>プロダクトセミナー開催 ー イベント本番に向けてテレビメーカー各社が4K注目機を用意

TCLは110型曲面テレビの発表を予告
山本 敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
IFA2014グローバル・プレスカンファレンスの2日目、欧州のテレビメーカーであるGRUNDIG、VESTEL、およびTCLによるプロダクトセミナーが開催された。製品展示のコーナーではパナソニックが最新の4Kテレビや今年のCESに出展した4Kウェアラブルカメラを紹介していた。

イベントのスポンサー企業によるプロダクトセミナーは開催2日目の午前中、各メーカー30分ごとのスケジュールで開催された。

スタイリッシュな4Kテレビを展開するグルンディッヒ

トップバッターはGRUNDIG(グルンディッヒ)。Director Brand ManagementのChristian Struck氏が登壇して、同社の事業内容を説明した。

グルンディッヒ Christian Struck氏

ドイツの音響メーカーとして1908年に創業したグルンディッヒは、やがてテレビをはじめコンシューマーエレクトロニクスの分野に製品分野を拡大し、ヨーロッパを代表する家電メーカーに成長を遂げた。現在はトルコのKoc Holdingのグループ企業として事業を展開する。

2009年に同社が欧州で行った市場調査の結果、当時はまだ扱いがなかったのにも関わらずホームアプライアンス製品のリーディングブランドとしてグルンティッヒの名前を挙げる声が多かったことから、技術力と安心性のイメージが深くコンシューマーに浸透していると判断。高いブランドイメージを足がかりにしてホームアプライアンス市場への参入を開始した。現在はオーディオビジュアルのほかにも、洗濯機や調理器具、冷蔵庫などのアプライアンス製品も展開している。

オーディオ製品にも幅広いラインナップが揃う

ホームアプライアンス製品にも進出。成功を収めている

テレビ製品については、昨年から65/55インチの4Kテレビ「FINE ARTS」シリーズを欧州市場で発売。フルアルミニウムのデザインなどが欧州を中心に評判を集め、独自のスマートTV機能のユーザーインターフェース「SMART INTER@CTIVE 3.0」によるサービスも提供している。

4Kテレビ「FINE ARTSシリーズ」

今年の展開について言及したStruck氏は、「当社テレビ製品のコアバリューはデザイン・画質・サウンド。コンシューマーの利益を最優先としながら、IFAに向けて新しいテレビやオーディオの製品を紹介していく」という考えを示した。


テレビから白物家電まで多彩な事業を展開するトルコのVESTEL

続いてトルコのVESTELからCEOのTuran Erdogan氏が壇上に登り、同社の事業内容を説明した。

Vestel CEOのTuran Erdogan氏

日本では馴染みのないVESTELだが、IFAには毎年大規模なブースを出展している常連ブランドだ。メインの事業カテゴリーの一つであるテレビ製品は、自社ブランド製品のほかにも、日本の有名ブランドを含む他社製品のOEM/ODMも大規模に請け負っている。現在はトルコのZorluホールディングカンパニーのグループ企業であり、欧州にテレビ製品製造のためのメガファクトリーを構えている。

テレビなど映像機器はコンシューマー向けの製品以外にも、プロフェッショナル用のディスプレイやデジタルサイネージ、ビデオウォールなども手がける。事業領域はホームアプライアンスからLED照明器具にまで幅広く及び、スマートホームやスマートグリッドの技術開発研究にも注力している。

Erdogan氏は「トルコはエネルギー産出国ではないので、当社の製品はとくにエネルギー効率に関する研究開発技術に優れている。ホームアプライアンスも消費電力の高効率化を図った製品を多く揃えていることが特長だ」として、同社の照明器具やアプライアンス製品における技術力をアピールした。

テレビ製品については4K化と曲面化への取り組みに注力する。一方でスマートテレビに関しては「対応しているテレビを買ったのに、使っているというユーザーは全体の30%ほどしかいない。中には購入しても家にインターネット環境がないという人も多い」とし、現在の優先順位は4Kであると語った。

Vestelの4Kテレビ

大型の4Kモデルもラインナップに揃える

またエレクトロニクス市場でいま、携帯性とコネクティビティを軸とした革新が各所に起こりつつあるとしながら、今後タブレット製品に力を注いでいくとも説明。「IFA2014までにはVESTELブランドのタブレットも商品化したい」と意欲を示した。


TCLはIFA2014に110型曲面LEDテレビの出展を予告

中国のTCLは今回のカンファレンスには製品を出展せず、欧州マーケティング・ディレクターのAntoine Salome氏がプレゼンテーションにより同社のビジネスの内容を説明した。

TCL Antoine Salome氏

中国最大のLCDパネルメーカーであるTCLは、現在テレビ用で世界No.3、モバイルデバイス用で世界No.5のシェアを持っている。2015年までには液晶パネルの生産設備の増強、並びにOLEDの生産工場を立ち上げる計画があるとSalome氏は語る。

欧州ではTHOMSONブランドのテレビ製品も展開する。35歳以上のファミリー層をターゲットに、4Kテレビのハイエンドモデルをラインアップする。今年4月にはZ8766シリーズの85/55/49型4Kテレビを発売。85型が9,000ユーロ(約127万円)で販売されている。同ブランドの4Kテレビについては「第4四半期を目標に65V型の曲面テレビを発売する予定。ナローベゼル化など、ファミリー層のニーズに応えるデザイン性も追求していく」(Salome氏)という。

トムソンから65型4K曲面テレビを第4四半期に発売。IFAにも試作機が展示されるものと見込まれる

一方のTCLブランドのテレビでは、20〜35歳までの比較的若い層に合わせた付加価値を提案する。中でもユニークなのが110型のJUMBO UHDシリーズや多彩なカラーバリエーションモデルを揃えていることだ。ベゼルサイドに配色した「Color Touch Design」のシリーズなどがその一例だ。

若年層向けに液晶テレビのカラバリ展開も用意

TCLブランドのJUMBOシリーズ

4Kテレビは40/49型のS7606シリーズとして4月から発売する。価格は49型で1,000ユーロ(約14万円)と手頃なことも特徴だ。HDCP2.2対応も図っている。さらに大型モデルの「Jumbo TVシリーズ」は110/85/75型を揃える。今年のIFAでは110型の曲面ディスプレイを搭載する4Kテレビを発表する計画があることも明らかにされた。

110型4K曲面テレビの発表を予告


パナソニックは欧州向け4Kテレビを展示

パナソニックは、先頃国内発表が行われた新しい4K液晶VIERA「AX800」シリーズのヨーロッパモデル「58AXW804」(58型)を出展した。欧州での発売は5月中旬を予定している。今回のイベントでは、本機に4Kアップコンバート機能を搭載したBDプレーヤー「DMP-BDT700EG」とのセットで4K映像のデモンストレーションを行っていた。

パナソニックの4Kテレビ「58AXW804」

BDプレーヤーとともに4K映像のデモを実施

また4K動画撮影対応のデジタル一眼レフ「GH4」や、今年のCESにも出展した4Kウェアラブルカメラ「HX-A500E-D」の試作機も紹介。欧州での発売は6月が予定されている。

4Kウェアラブルカメラも参考出品された


IFA2014では4Kテレビの百花繚乱に期待

今回のIFAグローバルプレスカンファレンスに登場したブランドの展示、あるいはIFA2014に向けたプレゼンテーションの内容からも、9月に本番開催となるIFA2014には曲面ディスプレイ搭載機や、スマート機能を融合させたモデルなど多種多彩な4Kテレビが各社から出展されるはずだ。

また後ほど別項で詳しくお伝えするが、フィリップスのテレビ製品を扱うTP Visionも今回のイベントに参加しており、Android OSを搭載するスマートテレビ機能を特徴とする「8000シリーズ」を今夏に向けて市場投入することを発表した。同社の展開にも注目が集まるだろう。

TP VisionはフィリップスのAndroid搭載テレビを参考展示

他にもホームアプライアンスのBSH/Bosch & Siemensは、今回のプレスセミナーで新しいホームネットワーク対応の白物家電の開発を発表するとともに、コントローラーアプリ「Home Connect」の開発を進めていることを明らかにした。

BSHのHome Connectプロジェクトリーダー Claudia Haepp博士

様々なブランドのネットワーク対応ホームアプライアンス機器がHome Connectでコントロールできるようになる

独自のプロトコルにより、ホームネットワーク内にあるマルチブランド/マルチデバイスを単一のアプリで制御できる点を特徴としており、ARや音声操作などの機能も対応する計画があるという。既に昨年のIFA2013時点で、同社以外にもLGやフィリップスなどもホームネットワーク対応のホームアプライアンス製品とサービスのプロトタイプを多くのメーカーが紹介していたが、今年はそれらがサービスのプラットフォームとともに具体的な商品のかたちに落とし込まれてくることが予想される。コンシューマーエレクトロニクス、ホームアプライアンスともに内容の充実したIFAになりそうだ。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 Beats、ブランド史上最小の完全ワイヤレス「Solo Buds」。ケースにバッテリー非搭載
2 2023年後期朝ドラ『ブギウギ』の総集編放送。GW期間中にNHK総合とBSプレミアム4Kで
3 Apple Musicも聴ける高コスパ ネットワークプレーヤーeversolo「DMP-A8」。音質と使いこなしを徹底検証
4 オスカー受賞『ゴジラ-1.0』4K UHDをフラゲ!特典盛りだくさんのパッケージ開封の儀
5 女子プロゴルフ「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」、5/2からの放送・配信予定
6 英・コード製プリメインアンプの実力恐るべし!「Ultima Integrated」をB&W「800 D4シリーズ」で徹底検証
7 【moraアニソンTOP10】本当に令和? 「ツバサ」「Get Wild」がまさかのランクイン!
8 Amazon Prime Videoの人気8チャンネルが2ヶ月間99円に!GW期間中キャンペーン
9 Dolby Vision&Atmosでゴジラの圧倒的迫力と世界屈指のVFXを堪能!4K UHD BD版『ゴジラ-1.0』徹底レビュー
10 (nb)の耳を塞がないイヤホン「Open+」、発売日が5/17に決定。割引キャンペーンも
5/2 10:40 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー192号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.192
オーディオアクセサリー大全2024~2025
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2024~2025
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.21 2023 WINTER
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.21
プレミアムヘッドホンガイド Vol.31 2024 SPRING
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.31(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2023受賞製品お買い物ガイド(2023年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2023年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX