公開日 2007/05/16 19:13

ソニー、2006年度決算を発表 − エレキ増収増益もPS3がブレーキに

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ソニー(株)は、2006年度の連結決算を発表した。本日都内で決算発表会が行われ、同社執行役EVP兼CFOの大根田伸行氏、コーポレート・エグゼクティブSVPの湯原隆男氏が出席した。

執行役EVP兼CFOの大根田伸行氏

コーポレート・エグゼクティブSVPの湯原隆男氏

2006年度の連結売上高は、エレクトロニクス、映画およびゲーム分野が増収したことにより、前年度比10%増の8兆2,957億円と過去最高を記録した。

一方、連結営業利益は、エレキと映画分野が増益となったものの、PS3の導入に伴う大規模な損失計上があったため、前年度比68.3%減の718億円にとどまった。純利益は1,263億円と、前年度とほぼ同水準だった。

2006年度の業績と2007年度の見通し

●マインド・リセットで増収増益を記録したエレキ分野


エレクトロニクス分野は大幅な増収増益を記録
エレキ分野の売上高は16.9%増の6兆505億円。BRAVIAが世界で630万台を出荷し、全地域で大幅な増収を果たしたほか、VAIO、サイバーショット、ビデオカメラなどが増収となった。営業利益も前年度の69億円から1,567億円とジャンプアップした。大根田CFOは、この増収増益について、「中鉢体制になって、『これまで独りよがりに商品開発を行っていたのではないか』と反省し、ユーザーの視点に立った商品作りにマインド・リセットを行った。これが販売好調につながっていると思う。また、BRAVIAを急速に立ち上げることができたことも大きい」と説明した。

またウォークマンなどポータブルオーディオについて大根田CFOは、「アメリカではまだまだで、戦いになっていないが、前にも申し上げたとおり、映像機能を盛り込んだ製品を投入してキャッチアップしたい」と説明。

Blu-ray Disc関連の売り上げでは、「PS3を除いた、エレクトロニクス分野でのハード売り上げは正直に言ってまだ小さい。ソフトは既に200タイトル以上が発売しており、『007/カジノ・ロワイヤル』など大作ソフトが売り上げを牽引している」とした。

そのほか、映画分野でも、売上高が7,459億円から9,663億円と29.5%の増収を記録。営業利益も427億円と55.7%増えた。「ダ・ヴィンチ・コード」、「007/カジノ・ロワイヤル」、「もしも昨日が選べたら」などヒット作が続いたことが貢献した。

●ゲーム分野の黒字転換は2008年度以降に持ち越し

ゲーム分野では、PS3の価格設定で、販売価格が製造コストを下回る逆ざやが発生。このことが大きな原因となり、2,323億円という巨額の営業損失を計上した。売り上げはPS3発売が寄与して1兆168億円と、6.1%の増収だった。

なお同社は当初、2006年度のPS3全世界出荷600万台を目標としていたが、生産の遅れにより550万台に目標設定を変更していた。この計画通り2006年度の生産出荷台数は550万台をクリアしたが、店頭への出荷台数(Sell-inデータ)は360万台にとどまったという。差し引き190万台を中間在庫として抱えていることになる。

2007年度のPS3の出荷は1,100万台を見込み、生産台数の増加などによりコストダウンを行っていくが、コストが販売価格を上回る逆ざやの解消は2008年度以降に持ち越される。このことにより、2007年度もゲーム事業は赤字になり、2008年度の黒字転換を見込む。

PS3については、販売テコ入れのために、さらなる値下げを行うのではないかという観測がある。記者から値下げの可能性について聞かれた大根田CFOは、「価格については重要な戦略なのでコメントを差し控えたい」と回答を避けた。

●今期の営業利益は5%に回復の見込み

2007年度の業績見通しでは、売上高が6%増の8兆7,800億円、営業利益が513%増の4,400億円と増収増益となる見込み。エレキ分野では液晶テレビや半導体の増収を予想するほか、2006年度に計上したノートPC用電池パックの回収費用として512億円の引き当てを行っていたことから、増収増益となる見込み。ゲーム分野も黒字にはならないものの、PS3のコスト削減やソフトの販売増により、営業損失は大幅に縮小すると予想している。

(Phile-web編集部)

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 レコードの音楽を読み取って光るターンテーブル。オーディオテクニカ「Hotaru」一般販売スタート
2 ダイソンとPORTERがコラボした特別デザインのヘッドホンとショルダーバッグ。全世界380セット限定販売
3 LUMINの進化は終わらない。初のディスクリートDAC搭載「X2」の思想を開発担当者に訊く!
4 Spotif、2025年に最も聴かれた邦楽は「ライラック」。国内外で最も聴かれた楽曲・アーティストの年間ランキング発表
5 DUNU、7ドライバー/トライブリッド構成を採用したイヤホン「DN 142」
6 カセットテープとともに過ごすカフェ「CASSE」。12/17渋谷でグランドオープン
7 Vento、3次元特殊メッシュを採用したハイブリッド拡散パネル「DAP180 / DAP120」
8 AVIOT、最大120時間再生と小型軽量を両立したオンイヤー型Bluetoothヘッドホン「WA-G1」
9 サンワサプライ、省スペース設置できる木製キャビネットのサウンドバー「400-SP120」
10 アイレックス、ALBEDO/AUDIAブランド製品の価格改定を発表。2026年1月1日より
12/5 10:47 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX