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公開日 2019/05/03 07:30

ベルリン・フィル首席指揮者に就任するペトレンコ、19/20シーズンの予定発表。「第9」からスタート

最初の共演CDも発売決定
季刊AudioAccessory編集部
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2019年8月にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任するキリル・ペトレンコが、4月29日に行われた同オーケストラの年間記者会見で、最初のシーズンのプログラムを発表した。

8月23日に開催される就任演奏会のメインプログラムは、ベートーヴェンの「交響曲第9番」。同曲はその翌日、ベルリンの壁崩壊30周年を記念して、東西分断の象徴であるブランデンブルク門前の野外コンサートでも演奏される。シーズンでは、2020年の生誕250周年に向けて、ベートーヴェンがプログラムの中核を占めており、ペトレンコはほかにオペラ《フィデリオ》、ミサ・ソレムニスという大作を取り上げる。


ベルリン・フィルの記者会見がドイツ時間4月29日に開催された©️Stephan Rabold
ベートーヴェンと「第9」について、ペトレンコは以下のように語っている。

もし人類を代表する音楽、人間の酸いも甘いも包括し、表現した音楽というものがあるならば、それはベートーヴェンの「第9」だと思います。この作品こそ、私とベルリン・フィルの新しい時代のスタートになるべきだと考えました。来シーズンでは、3つのメッセージを持つ3つの作品が演奏されます。歓喜(Freude)を表現した「第9」、自由(Freiheit)を表現した「フィデリオ」、平和(Frieden)を表現した「ミサ・ソレムニス」です。この「ベートーヴェンの3つのF」は、我々の時代にとって、非常にアクチュアルなテーマだと思います。

2019年の年間プログラムについて語るキリル・ペトレンコ©️Stephan Rabold

2019/20年シーズンでペトレンコは、計39回のコンサートと5回のオペラ公演を指揮する予定。登場回数が比較的少ないのは、本人が2019/20年シーズン一杯、バイエルン国立歌劇場の音楽総監督も兼任するため。ベートーヴェン以外では、スークの交響曲第2番《アスラエル》、ラフマニノフの交響的舞曲、ストラヴィンスキーの3楽章の交響曲、マーラーの交響曲第4番と第6番、さらにB・A・ツィンマーマンの《アラゴアーナ》など、東欧やロシア、演奏頻度の少ない近現代ものを取り上げる。もちろん、ベルリン・フィルが自身のレパートリーと考える独墺の作曲家の作品も大きな位置を占める。

前任者のサイモン・ラトルが創設した教育プログラムは、ベルリン・フィルで引き続き重要な位置を占める予定。ペトレンコは青少年やベルリン・フィル・オーケストラ・アカデミー団員等と取り組む演目として、プッチーニのオペラ《修道女アンジェリカ》を選んだ。著名なオペラ指揮者である彼が、自らの経験を若い世代の人々に伝えるという意図のもと行われるものだ。

レコーディングに慎重な姿勢で知られるペトレンコだが、今後ベルリン・フィルとは録音活動も行っていくという。さっそく第1弾として、両者の最初の共演CDが5月11日にリリースされる。演目は、チャイコフスキーの交響曲第6番《悲愴》。これは2015年夏にペトレンコが首席指揮者に選出された後、最初に客演した機会(2017年3月)にライブで収録されたものだ。


ペトレンコとベルリン・フィルによる「チャイコフスキー:交響曲第6番《悲愴》」。日本ではキングインターナショナルから販売
ベルリン・フィルとの関係について尋ねられたペトレンコは、こう答えている。

「ベルリン・フィルは、私にとって絶大なエネルギーの源です。私が志しているのは、その圧倒的な力と正しいあり方で向き合い、それを正しい流れに向けてゆくことです。私は演奏会のライブの「生」の瞬間で、その絶大なエネルギーを解放させられたら、と思っています。というのは、ライブの瞬間こそが、可能性として秘められていたものが奔流となって流れる場所だからです」。

オーケストラ側からは、オラフ・マニンガー(ソロ・チェロ奏者/メディア代表)が、ペトレンコとの相性についてこう語った。

「ペトレンコさんが首席指揮者に選ばれてから、ほぼ4年が経とうとしていますが、新シーズンから、ようやく彼を首席指揮者に迎えることができます。彼との波長は完璧に合い、ショックのように恋している状態がずっと続いています。我々は彼と共に、我々が音楽家になった理由を実現したいと考えています。つまり聴く人々が、コンサートの前と後とでは、別の人間になっているような演奏を実現することです。聴衆がホールから出てきた時、彼らのなかで日常を超える、何か特別なことが起こっていることを、彼と共に目指していきたいと思っています」。

ペトレンコの就任を前に、ベルリン・フィルは、彼の話題を集めた特設ページを発表した。ここでは、チャイコフスキー《悲愴》のCD抜粋が聴けるほか、同楽団の映像配信サービス「デジタル・コンサートホール」のコンサート映像を無料で聴けるプレイリストが公開されている。

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