公開日 2021/01/26 06:30
ソニーがついに本気を出す!? 立体音響技術「360 Reality Audio」の最新情報を聞いた
<山本敦のAV進化論 第198回>
360 Reality Audioとは、ソニーが2019年のCESで初めて発表したオブジェクトベースの独自立体音響技術を活かしたイマーシブオーディオ体験だ。Dolby Atmosにアップルの空間オーディオ、ゼンハイザーのAMBEOなど他社のイマーシブオーディオ体験にも注目が集まる中、ソニーの360 Reality Audioで今何が楽しめるのだろうか。CES 2021の最新発表を振り返りながら現在地を確認してみたい。
今回はソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ(株)で360 Reality Audio(以下:360 RA)のプロジェクトリーダーを担当する岡崎真治氏、コンテンツ開発課の統括課長である鹿田英一氏と新しい制作ツールアプリケーションを担当する花田祐氏に、360 RAの現状に関連する踏み込んだ話をオンライン取材によりうかがった。
360 RAが発展してきた経緯については、筆者が過去に取材したレポートとPHILE WEBの記事を合わせて参照してほしい。
【2019年】
・ソニーが360 Reality Audioを発表:CES 2019レポート
https://www.phileweb.com/interview/article/201901/09/626.html
・スマホアプリによる360 Reality Audio体験を初披露:IFA 2019レポート
https://www.phileweb.com/news/d-av/201909/07/48380.html
・Amazon Music HD、Deezer、nugs.net、TIDALが2019年秋に(海外で)対応する音楽配信サービスを開始
https://www.phileweb.com/news/d-av/201910/16/48702.html
・ソニーのサラウンド技術「360 Reality Audio」対応楽曲、12/5からAmazon Music HDで提供開始
https://www.phileweb.com/news/d-av/201912/04/49141.html
【2020年】
・ソニーが360 Reality Audio対応スピーカーの試作機を発表:CES 2020レポート
https://www.phileweb.com/interview/article/202001/08/711.html
・ソニーが発表したコンセプトカー「VISION-S」、実は360 Reality Audio搭載:CES 2020レポート
https://www.phileweb.com/news/d-av/202001/10/49428.html
・ソニーPCLが360 Reality Audioコンテンツの制作が可能なスタジオを立ち上げ
https://www.phileweb.com/review/article/202002/19/3751_3.html
・ソニーモバイルが360 Reality Audioのハードウェアデコーダーを載せた「Xperia 5 II」を発表
https://www.phileweb.com/news/mobile_pc/202009/17/2131.html
■360 Reality Audio初のビデオ付きコンテンツを「Artist Connection」アプリに公開
ソニーの360 RAは、ユーザーの360度・全天球に広がる音場空間に音源をオブジェクトとして配置できる斬新な立体音響技術だ。その効果はスピーカーだけでなくヘッドホンでも楽しめる。
これまで日本国内ではアマゾンのスマートスピーカー「Echo Studio」を使って、Amazon Music HDで配信されている360 RA対応のミュージックコンテンツが体験できた。年初のCES 2021開催とともにソニーは360 RAを通常のステレオ仕様のヘッドホンで体験できる新しいアプリ「Artist Connection」を発表。女性ボーカリストのザラ・ラーソンによる没入感あふれるステージを配信している。
Echo Studioで再生できる360 RAのコンテンツはオーディオオンリーのものだが、ザラ・ラーソンのステージは「ビデオ付き」に進化した。岡崎氏は「TIDALやDeezerなど海外の音楽配信サービスで楽しめるコンテンツも音声のみ。2020年のCESではイベント限定で動画付きのコンテンツも披露しているが、一般音楽ファンの皆様に広く体験してもらえるビデオ付きの360 RAコンテンツを公開する機会はこれが初めて」であると新作の意義を説いている。
今回は、ウイルス感染予防対策とソーシャルディスタンスに万全の対策を施した環境でコンテンツを収録。ボーカルを中心に置いて、周囲をバンドのメンバーが取り囲むようなフォーメーションで演奏をワンカットの長回しにより撮影した。一風変わったミュージックビデオが制作された理由は「視点がアーティストの間をすり抜ける時、同時に音が素速く移動する感覚をより鮮やかに味わってもらうことも意識したから」なのだと鹿田氏が答えている。
カメラがギターやキーボードの演奏に寄ると、ボーカルが左右に振られた状態で聴こえてきたり、360 RAならではの迫力ある空間再現を存分に楽しめる。 “ビデオ付き360 RA対応コンテンツ” という今までにない体験の記念すべきトップバッターになったザラ・ラーソンは ソニーが制作した本作のメイキングビデオの中で「“音楽の未来” ってこんな感じだといいな!」と360 RA体験を絶賛している。また鹿田氏によると、制作に携わったスタッフからは「視覚情報が付くと音の定位、配置を含めて表現力が大きく向上する。これでライブ体験を作り直したい」といったポジティブな反響が返ってきたという。
今回はソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ(株)で360 Reality Audio(以下:360 RA)のプロジェクトリーダーを担当する岡崎真治氏、コンテンツ開発課の統括課長である鹿田英一氏と新しい制作ツールアプリケーションを担当する花田祐氏に、360 RAの現状に関連する踏み込んだ話をオンライン取材によりうかがった。
360 RAが発展してきた経緯については、筆者が過去に取材したレポートとPHILE WEBの記事を合わせて参照してほしい。
【2019年】
・ソニーが360 Reality Audioを発表:CES 2019レポート
https://www.phileweb.com/interview/article/201901/09/626.html
・スマホアプリによる360 Reality Audio体験を初披露:IFA 2019レポート
https://www.phileweb.com/news/d-av/201909/07/48380.html
・Amazon Music HD、Deezer、nugs.net、TIDALが2019年秋に(海外で)対応する音楽配信サービスを開始
https://www.phileweb.com/news/d-av/201910/16/48702.html
・ソニーのサラウンド技術「360 Reality Audio」対応楽曲、12/5からAmazon Music HDで提供開始
https://www.phileweb.com/news/d-av/201912/04/49141.html
【2020年】
・ソニーが360 Reality Audio対応スピーカーの試作機を発表:CES 2020レポート
https://www.phileweb.com/interview/article/202001/08/711.html
・ソニーが発表したコンセプトカー「VISION-S」、実は360 Reality Audio搭載:CES 2020レポート
https://www.phileweb.com/news/d-av/202001/10/49428.html
・ソニーPCLが360 Reality Audioコンテンツの制作が可能なスタジオを立ち上げ
https://www.phileweb.com/review/article/202002/19/3751_3.html
・ソニーモバイルが360 Reality Audioのハードウェアデコーダーを載せた「Xperia 5 II」を発表
https://www.phileweb.com/news/mobile_pc/202009/17/2131.html
■360 Reality Audio初のビデオ付きコンテンツを「Artist Connection」アプリに公開
ソニーの360 RAは、ユーザーの360度・全天球に広がる音場空間に音源をオブジェクトとして配置できる斬新な立体音響技術だ。その効果はスピーカーだけでなくヘッドホンでも楽しめる。
これまで日本国内ではアマゾンのスマートスピーカー「Echo Studio」を使って、Amazon Music HDで配信されている360 RA対応のミュージックコンテンツが体験できた。年初のCES 2021開催とともにソニーは360 RAを通常のステレオ仕様のヘッドホンで体験できる新しいアプリ「Artist Connection」を発表。女性ボーカリストのザラ・ラーソンによる没入感あふれるステージを配信している。
Echo Studioで再生できる360 RAのコンテンツはオーディオオンリーのものだが、ザラ・ラーソンのステージは「ビデオ付き」に進化した。岡崎氏は「TIDALやDeezerなど海外の音楽配信サービスで楽しめるコンテンツも音声のみ。2020年のCESではイベント限定で動画付きのコンテンツも披露しているが、一般音楽ファンの皆様に広く体験してもらえるビデオ付きの360 RAコンテンツを公開する機会はこれが初めて」であると新作の意義を説いている。
今回は、ウイルス感染予防対策とソーシャルディスタンスに万全の対策を施した環境でコンテンツを収録。ボーカルを中心に置いて、周囲をバンドのメンバーが取り囲むようなフォーメーションで演奏をワンカットの長回しにより撮影した。一風変わったミュージックビデオが制作された理由は「視点がアーティストの間をすり抜ける時、同時に音が素速く移動する感覚をより鮮やかに味わってもらうことも意識したから」なのだと鹿田氏が答えている。
カメラがギターやキーボードの演奏に寄ると、ボーカルが左右に振られた状態で聴こえてきたり、360 RAならではの迫力ある空間再現を存分に楽しめる。 “ビデオ付き360 RA対応コンテンツ” という今までにない体験の記念すべきトップバッターになったザラ・ラーソンは ソニーが制作した本作のメイキングビデオの中で「“音楽の未来” ってこんな感じだといいな!」と360 RA体験を絶賛している。また鹿田氏によると、制作に携わったスタッフからは「視覚情報が付くと音の定位、配置を含めて表現力が大きく向上する。これでライブ体験を作り直したい」といったポジティブな反響が返ってきたという。
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