オンラインへの接続に加えて「音」を重視

カロッツェリア・秋の新製品発表会。「はじめて」のカーオーディオファンに向けスピーカー「Fシリーズ」を体験!

公開日 2025/11/17 12:23 編集部:筑井真奈
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「音を重視した」製品開発を仕掛ける

パイオニアは、カロッツェリアの秋の新製品発表会を開催、スピーカー “Fシリーズ” やトヨタ専用同軸スピーカーなど、秋のカーオーディオの新製品を体験することができた。

カスタムフィットスピーカーの “Fシリーズ” は7年半ぶりのフルモデルチェンジ

発表会に先立ち、パイオニアのマーケティング推進部部長 兼 ブランドマネージャーの紺野賢一氏は、カーオーディオにおける「音を重視したい」と強調。オンラインにつながってさまざまなコンテンツへのアクセスを広げることに加えて、パイオニアの祖業でもあるスピーカー、“良質な音の体験を提供したい”と力を込める。

その言葉通り、昨年よりカロッツェリアはカーオーディオ製品を精力的にリリース。この秋は、カスタムフィットスピーカーのエントリーグレードとなる “Fシリーズ” が7モデル登場した。

“Vシリーズ”、“Cシリーズ” の弟機という位置付けで、セパレート2ウェイモデルが3機種、同軸2ウェイが3機種(それぞれウーファーの口径が異なる)と、単体トゥイーター1機種として構成される。トゥイーターは共通で、取り付けたい車種のウーファーサイズに合わせて選択することになる。

本機のこだわりについて、販売戦略課の蒲牟田洋明氏は、「はじめてカーオーディオを交換しよう」と考える若いユーザーに対してアプローチしたい製品と説明。普段聴いている音楽からの新鮮な変化を感じてほしいということで、デモカーでもVaundyやヨルシカなど、今旬のアーティストの楽曲を中心にセレクトされていた。

製品開発のコンセプトとして、上位グレードと同様に「Open&Smooth」を掲げる。音質上のこだわりポイントとして、特にセパレートモデルについて、トゥイーター側に中域を多く担当させる設計となっているという。

ウーファーは多くの場合ドアに装着されるため、どうしても耳より下の位置になってしまう。トゥイーターは(車種にもよるが)耳に近い高さに設置できることが多く、若い音楽ファンが聴きたいボーカルをしっかり届けるという狙いがあるという。

同軸/セパレートの2ラインについて、ウーファー違いを3機種ずつラインナップ。また単体トゥイーターも用意

トゥイーターは振動板の素材も再検討し、29mm口径のマイカ強化抄紙ダイヤフラムを採用。強力なネオジムマグネットを採用することで、パワー感と共に小型化も実現したという。また「頂点駆動方式」として、ボイスコイルと振動板の接触面積を減らし、よりロスなくコイルの駆動を振動板に伝える技術も搭載されるという。

トゥイーター部へのこだわり

ちなみにCシリーズの振動板はアルミ、Vシリーズの振動板はチタンを採用しており、グレードによって素材も使い分けがなされている。

上位グレードからVシリーズ、Cシリーズ、Fシリーズを用意。素材や構造もそれぞれ差別化されている

ウーファーの振動板にはカーボン含有IMCC振動板という軽くて硬い素材を採用。バスケットフレームも再設計し、不要振動を吸収するとともに空気の抜ける穴を設けることで、よりパワフルな低域を実現したという。

ウーファーユニットへのこだわり

Fシリーズの「TS-F1750S」という、170mmウーファーとトゥイーターによるセパレート2ウェイスピーカー(ドアの純正から交換)を装着した、スズキの「スペーシア」の音質を体験。

スズキの「スペーシア」にてFシリーズの音質を体験

トゥイーターには、スペーシア専用の取り付けキットも活用されており、手軽に、また内装のデザイン性を損なわずに音質のグレードアップができるもの。送り出しにはディスプレイオーディオの「DMH-SF900」を使用、サブウーファー「TS-WX140DA」も座席下に装備されている。

専用のトゥイーター取り付けキットで装着したところ

純正位置からウーファーも交換

エド・シーランの「Shape Of You」では、声の艶やかさや輪郭がしっかり描きこまれたサウンドが印象的。サカナクションの「怪獣」ではピアノとボーカルの溶け合いが美しく、深いベースの刻みもしっかり引き出しているように感じられた。

 

トヨタ車専用の同軸ユニットも登場

さらに、トヨタ車専用の90mm同軸スピーカーユニット「TS-H100TY」も登場。プリウス、シエンタ、アルファードなど適合機種も多い。ダッシュボード上に取り付けて使うものとなっているため、トゥイーターの角度を耳の方向に向けて微調整できる可動式台座がセットとなっている。

トヨタ車専用の「TS-H100TY」

配線をそのまま使うため、特別な工具も不要で、DIYでも交換できるという。実際に触ってみると、カチカチと簡単に角度を調整ができる。実際に耳で確認しながらベストなポジションを探ることができそうだ。

こちらはプリウスに装着して体験、こちらも専用のマウントキットを活用するとともに、12月に発売を予定している車載用DSPアンプ「DEQ-2000A」も活用している。米津玄師&宇多田ヒカルの「JANE DOE」は、宇多田ヒカルの声の伸びやかさと、内省的に沈む米津の声の対比が非常に面白い楽曲。それぞれの声の質感を存分に味わわせてくれる。

プリウスにて音質を体験

ダッシュボード上のスピーカーから交換して使用する

他にも「TS-H100TY」&「DEQ-2000A」を装着したランドクルーザー250や、「DEQ-2000A」を装着したホンダのシヴィックTYPE R、Cシリーズのユニットを装着したホンダ・フリード、全部で5台のデモカーが用意。カロッツェリアの展開の幅広さを体験させてくれた。

「TS-H100TY」&「DEQ-2000A」を装着したランドクルーザー

12月に発売されるDSP内蔵アンプ「DEQ-2000A」

ほかにも、トヨタの「プリウス」専用、スズキ「スペーシア」専用のトゥイーター取り付けキットなども用意。ジムニー用、ハイエース用は特に人気が高いそうで、デリカミニやカローラクロスとラインナップを増やしてきた。純正のデザインを損なわずに、ユーザー側でも簡単に取り付けてグレードアップができると好評を博しているという。

車種別のスピーカーユニット取り付けキットも大人気

また、ドライブをサポートするアクセサリーとしてカロッツェリアブランドのUSBケーブルtypeCとLightningを用意する。マグネットタイプで車内にスマートに収納できるものとなる。またUSB typeCとtype Aの充電ができるシガーソケットも用意。スマートフォンとの連携がよりスムーズにできるものとなる。

シガーソケットやUSBケーブルなども用意

パイオニアのチームも、「DIYでカーオーディオの音を良くする提案を積極的に仕掛けたい」と熱く訴える。専門の工具があれば、比較的簡単にドアの内張を剥がし、ウーファーを交換したり、制振シートを張り込むといった対策が可能になる。操作工程を収めた動画も公開しており、カーオーディオファンの獲得に大きく力を入れていた。

DIYで「音をよくする」提案を積極的に仕掛けている

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