<OTOTEN>「Qobuz Connect」が実際に試せるシステムを用意/フォステクス×OJASのスピーカーユニットを参考展示
日本オーディオ協会による、国内最大級のオーディオとホームシアターの祭典「OTOTEN2025」が、本日6月21日・22日の2日間に渡り、東京国際フォーラム(有楽町)で開催されている。本稿では、ガラス棟4階にあるXandrie Japan/フォスター電機/塩野義製薬/ピクシーダストテクノロジーズ(G402)、オヤイデ電気(G401)、ガラス棟5階にあるオーロラサウンド(G501)、ナガオカ(G503)、CSポート(G507)の出展内容をレポートする。

正式スタートした「Qobuz Connect」を実際に試せるシステムを構築
Qobuzブースでは、2025年5月17日に正式にスタートした「Qobuz Connect」を体験できるようになっており、1つ目のシステムではティアックのハイエンド・ネットワークプレーヤー「UD-701N」と平面磁界型とダイナミック型の特徴を兼備したfinalのハイグレード・ヘッドホン「D8000 DC」の組み合わせで、Qobuz Connectによる使用感を試せるようになっている。
2つ目のシステムでは、トップウイングサイバーサウンドグループが取り扱うVolumio(ボリューミオ)ブランドのネットワークプレーヤー「Motivo(モティーヴォ)」を使用していた。ヘッドホンは、final「D8000 DC」を組み合わせている。
2つのシステムは、できる限り高音質な環境を維持するために、OTOTEN会場のネットワークと混合しないようにブース内にネットワークを構築している。TOP WINGブランドのオーディオ専用無線アクセスポイント「OPT AP」とオーディオ専用ルーター「DATA ISO BOX」を設置することで、音質を追求したネットワーク環境において試聴できるようになっていたことも特徴だ。
国内統括マネージャー 祐成 秀信氏は、「サードパーティではなく専用アプリで操作できる『Qobuz Connect』を活用いただくことで、Qobuzの代表的なコンテンツである『Qobuzマガジン』を楽しめたり、専門家によるプレイリストも再生できるなど、Qobuzならではの機能を堪能できることが大きなメリットだ」とQobuz Connectならではの操作性について語ってくれた。
また、「現在、ストリーミングサービスの加入者が着実に増えてきている。今後はダウンロードユーザーも多く獲得していきたいと考えている。Qobuzで購入された音源は、ユーザー自身のスマホやPCなどに音源をダウンロードできるだけでなく、アプリからストリーミングでも再生することができるため、ストリーミングサービス会員になっていなくても、ダウンロードサービスを活用いただくことで、ストリーミング再生でも楽しめるため、ぜひ活用していただきたい」と、Qobuzのダウンロードサービスならではのメリットも説明してくれた。
新密閉型ヘッドホン「T50RPmk4CL」「T60RPmk2CL」を展示、参考展示ユニットも並ぶ
フォステクスブースでは、ヘッドホンとスピーカーを展示。ヘッドホンカテゴリーでは、2025年6月20日に発表された密閉型ヘッドホンから、モニター用「T50RPmk4CL」とリスニング用「「T60RPmk2CL」がいち早く並べられており、多数の来場者が試聴していた。両モデルとも自社開発の全面駆動型平面振動板を使用した第4世代「RPドライバー」が搭載されている。


スピーカーカテゴリーでは、独自技術「2層抄紙コーンペーパー」をはじめ、アルニコマグネットと銅キャップを採用した10mmフルレンジ・ユニット搭載のスピーカーシステム「GS103A-VB」に、本モデルのアドオン用に開発されたスーパートゥイーター「GS17H」の組み合わせが展示されていた。
またコンパクトなアクティブスピ―カーにラインナップされている「PM0.1B」「PM0.3BD」「NF04R」、HR形状振動板を採用した新開発の6.5インチ・ウーファーと1インチ・チタニウムリッジドーム・トゥイーターが導入されているパッシブタイプのブックシェルフ型モニタースピーカー「NF06」も試聴できるようになっていた。
参考展示として、米・ニューヨーク発祥のプレミアム・オーディオブランド「OJAS(オージャス)」から依頼を受け、フォステクスとのダブルネームで開発しているスピーカーユニットが披露されていた。OJASの創業者であるDevon Turnbull氏(デヴォン・ターンブル)が日本のオーディオブランドのファンであるため、開発依頼があったという。フォステクスでの販売はないが、今後搭載したスピーカーが登場する予定だとしている。


認知機能障害を防ぐ音変換技術「ガンマ波サウンド」
塩野義製薬とピクシーダストテクノロジーズの合同ブースでは、両社の共同開発によって誕生した音変換技術「ガンマ波サウンド」の特徴を紹介していた。
「ガンマ波サウンド」は、音声をリアルタイムに検知し、ガンマ波に同期する音へと変換、40Hz振幅変調音として再生する技術だという。40Hz振幅変調音は、脳波(40Hzガンマ波)の惹起、あるいは同期がみられるとしており、ガンマ波が減弱することで発症する認知機能障害を防ぐことに期待できる音変換技術だとしている。
ブースでは技術説明だけでなく、実際に「ガンマ波サウンド」をオンにした音を聴ける視聴体験も実施。パートナー企業としてNTTドコモ、学研ココファン、SOMPOひまわり生命保険、三井不動産などが参加していると明かす。
電源タップの代表格「OCB-1」誕生40周年にちなんだセミナーを実施
小柳出電気商会(オヤイデ電気)ブースでは、“音が良くなる電源タップ”というキャッチフレーズの基に開発された、同社の代表的な電源タップである「OCB-1(オヤイデコンセントボックス1号)」が誕生40周年を迎えることをアピール。ブース内では“OCB-1シリーズ”のラインナップが展示されており、上位モデルの「OCB-1 EXs II」「OCB-1 DXs II」をはじめ、店舗限定モデルの「OCB-1 AX」「OCB-1 RX」などが並んでいた。


誕生40周年にちなんだセミナー「OCB-1発売40周年企画 OCB-1シリーズのすべて」というセミナーも実施しており、OCB-1シリーズの4機種と店舗限定モデルの2機種とを加えた全6機種の一斉比較視聴を行ったという。
また、オーディオに興味をもって、はじめてオーディオアクセサリーを変えてみたいと検討しているビギナー向けのセミナーも実施しており、「電源ケーブルで音が変わるの? 電源ケーブル選びのポイント」や「XLRケーブル vs RCAケーブル、選ぶならどっち?」といったセミナーも開催。オーディオアクセサリーの魅力を幅広いユーザーに届ける取り組みを行っていた。


真空管「EL34」が搭載されたオーロラサウンドのプリメインアンプが参考展示
オーロラサウンドのブースでは、同社ブランドのAurorasoundをはじめ、Analog Relax、Paradigm、THORENSの製品がセッティングされていた。
Aurorasoundは、大型の真空管「EL34」が4本、プリ真空管「12AU7 ECC82」と「12AX7 ECC83」が採用されたステレオプリメインアンプ「HFSA-02」(仮)を参考展示。出力32W+32WのEL34ppプリメインアンプとしており、リリースは8月頃、価格は未定だという。
Analog Relaxは、針先に無垢ダイヤの「SCスタイラス Ver.3」を採用した最上位カートリッジ「AR-MCC-EX2000」をはじめ、「AR-MCC-EX1000」「AR-MCC-EX500」「AR-MCC-EX300」の高級カートリッジ4機種の聴き比べを実施していた。
試聴機には、Paradigmの “PERSONAシリーズ” から中核モデルであるフロア型スピーカー「PERSONA 5F」、新開発の「12極高精度ダイレクトドライブ・モーター」を搭載したTHORENSのハイエンド・アナログプレーヤー「TD124DD」がセッティングされていた。


ハイエンド・カートリッジ「MP-700」をはじめ来場者のリクエストに応えた試聴ができる
ナガオカブースは、来場者のリクエストによってカートリッジを切り替えて試聴できるようになっており、会場にはカートリッジ “MPシリーズ” の各モデルが並んでいた。
2025年5月に発売されたフラグシップモデル「MP-700」をはじめ、ハイグレードモデル「MP-500」、音質重視モデルと銘打つ「MP-300」、アワード「WHAT HI-FI? AWARD 2024」での受賞歴をもつ「MP-200」、パワフルサウンドが特徴的な「MP-150」、手が届きやすいエントリーモデルとして人気を博す「MP-110」「MP-100」を展示。
また、同社の創業80周年を記念して開発された音質とデザインの両面でこだわりをみせる「JT-80 BK」「JT-80 LB」が設置されているほか、アナログレコードの音源を忠実に再現するMP構造の音質的特徴をモノラルでも楽しむことができる「MP-MONO」もブースに並べられていた。
モノラルパワーアンプ「212PAM2」とステレオパワーアンプ「GM70PA」切替試聴が可能
CSポートブースでは、花崗岩を使用した40kgのベースと28kgの真鍮製プラッターを導入した超重量級の高剛性筐体を採用しているハイエンド・アナログプレーヤー「TAT1M2」を中心に、フォノイコライザーには真空管「C3g」を取り入れた「C3EQM2」、理想的なエアーフロートとリニアトラッキングを実現するリニアアーム「AFU1-2」、カートリッジの摩擦によって生じる静電気の影響を抑えるスタティックエリミネーター「IME1」を組み込んだ再生システムを設置。
アンプは、真空管「C3g」や抵抗切替式アッテネーターを投入したステレオプリアンプ「C3PR」をはじめ、直熱3極管「GM70」を搭載した出力30W+30W(4Ω負荷)/20W+20W(Ω負荷)のステレオパワーアンプ「GM70PA」、そして大型3極管「212W」搭載の出力40W+40W(4Ω/8Ω負荷)のモノラルパワーアンプ「212PAM2」が切り替えられる試聴システムがセッティングされていた。
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