300万円近いSOtMのハイエンドサーバーなども目を引く

<OTOTEN>テクニカ「AT-VMxシリーズ」/テクニクス「SL-1300G」はじめ最新製品が積極デモンストレーション

公開日 2025/06/21 18:37 編集部:成藤正宣
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国内最大級のオーディオ/ホームシアターイベント「OTOTEN2025」が、本日6月21日(土)と明日22日(日)の2日間、有楽町の東京国際フォーラムにて開催中(入場無料/要事前登録)。本稿では多彩な出展内容のうち、発売したばかりのカートリッジやターンテーブルを披露するオーディオテクニカ/テクニクスブースなどの模様をお伝えする。

オーディオテクニカは9年ぶり刷新のVMカートリッジ/アクリルターンテーブルが目玉に

G404のオーディオテクニカブースの目玉のひとつは、5月23日にフルモデルチェンジされたVM型カートリッジ “AT-VMxシリーズ” 。VM型はMM型の一種に位置づけられる同社独自の方式で、磁気回路のマグネットをL/Rそれぞれ1つずつ、計2つをV字に配置する設計により、帯域の広さやチャンネルセパレーションを高めたものだ。

“AT-VMxシリーズ”

この度9年ぶりに行われたフルモデルチェンジでは、より多くのトーンアームに取り付けやすいデザインへの刷新や、発電コイルへの新導体の採用、ラインコンタクト針の形状のブラッシュアップなどを実施。一部の上位モデルには無垢ボロンカンチレバーも導入され、さらなる音質向上が図られている。

会場では、アルミダイキャストハウジング採用の “AT-VM700x”、樹脂製ハウジング採用の “AT-VM500x”、モノラル再生用の “AT-VM600x” という3ラインをすべて展示。さらに、製品発表会など限られた機会にのみ披露されているカートリッジの大型模型もあわせて登場。昨年発表のフラグシップMCカートリッジ「AT-ART1000X」に続き製作された大型模型だが、同社スタッフによれば「普段見ることのできないカートリッジの仕組みが分かりやすい、と来場した方からは好評です」とのことで、作られた役割を十二分に果たしているようだ。

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“AT-VM700x” の大型模型。普段は見ることのない内部構造がよく分かる

またカートリッジに並ぶもうひとつの目玉が、5月23日発売のターンテーブル「AT-LPA2」(33万円前後)。ひときわ目を引くアクリル製の透明筐体は、音質に悪影響をおよぼす反響を抑制する効果も備え、またコントロール/電源部を別筐体に分ける徹底的なノイズ抑制設計も行うなど、見栄えだけでなくサウンドにもこだわられている。

「AT-LPA2」

このほか、前述したAT-ART1000Xや、ハイエンドオーディオシステム「鳴神(NARUKAMI)」の真空管アンプ部「HPA-KG NARU」をプリアンプとして組み込んだ試聴システムなども用意。同社のエンジニアや、角田郁雄氏/小原由夫氏/三浦考仁氏/小野寺弘滋氏らオーディオ評論家によるセミナーも開かれ、新製品に限らずアナログオーディオ全般について知識を深められる場となっている。

「HPA-KG NARU」やアキュフェーズ製品を組み合わせた試聴システム

テクニクスは新ターンテーブルなど一斉展示、アナログ盤製作の裏側に迫るトークセッションも

G602のテクニクス(パナソニック)ブースでは、同ブランドが展開してきたターンテーブルやスピーカー、オールインワンオーディオなどを幅広く展開。昨年発売のダイレクトドライブ・ターンテーブル「SL-1300G」(約39.6万円)も交え、試聴会やセミナー、トークイベントが幅広く催されている。

テクニクスブースでの試聴の模様

注目製品となるSL-1300Gは、シンプルながら操作しやすく、上品さの感じられるミニマルなデザインを採用。その内部には、フルデジタルアンプの技術を活用したモーター駆動技術「ΔΣ-Drive」や、新設計の「ツインローター型コアレス・ダイレクトドライブ・モーター」、ノイズや電圧変動を排除する設計の電源回路などを搭載しており、レコード再生の音質を損なう回転ムラや微振動の徹底的な抑え込みが図られている。

「SL-1300G」

試聴会やセミナーとしては、エンジニアや評論家による解説を交えた各製品の試聴や、高級車ブランド ランボルギーニとコラボレーションしたターンテーブル「SL-1200MK7B」を用いたDJ nan氏によるパフォーマンスが開催。

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歴代ターンテーブルの一斉展示、「SL-1200MK7B」を用いたDJパフォーマンスも行われた

また、シンガーの井筒香奈江氏、ディスクメディア製造やレコードプレスを手掛けるメモリーテック社の勝間田和樹氏、カッティングエンジニアの北村勝敏氏を招いたトークセッションを実施。井筒氏が7月9日にリリースするアナログ盤『窓の向こうに&Another Answer』の製作背景を明らかにしつつ、テクニクスのシステムを用いて先行試聴することができた。

本トークセッションは、明日22日(日)11時からも実施予定。また、会場D棟 5階に出展している弊社音元出版の販売ブースでは、『窓の向こうに&Another Answer』の先行販売も実施する。

ワイヤレス対応のEversoloネットワークプレーヤー、約300万円のSOtMネットワークサーバーが披露

G608のブライトーンは、同社が取り扱うオーディオブランドEversolo、およびSOtMの新製品を出展した。EversoloからはHDMI ARCやリニア電源の搭載、Wi-Fi/Bluetooth対応を果たしたストリーミングプレーヤー「DMP-A6 Master Edition Gen 2」(約25.3万円、7月1日発売)が披露。

7月1日発売となるEversolo「DMP-A6 Master Edition Gen 2」(写真中段)。上位モデルの「DMP-A10」(上段)、「DMP-A8」(下段)もあわせて出展

SOtMからは、同ブランドがこれまで培ってきた技術をふんだんに投入し、Diretta出力にも対応したネットワークサーバー「sMS-2000PSMC(銀線仕様)」(約297万円)を設置。(株)PROSTOが取り扱うデンマークAUDIOVECTORブランドのスピーカーと組み合わせてデモンストレーションを行った。

「sMS-2000PSMC(銀線仕様)」。標準モデルにあたる「sMS-2000」にさらなるチューンナップを施した特別仕様となる

このほか、7月1日以降の受注分からWi-Fi/Bluetooth対応仕様にアップデートされるEversolo「DMP-A8」(約36.3万円)や、ZMF headphonesブランドの平面磁界ヘッドホン「Caldera」「Caldera Closed」(約64.9万円)といった既存製品もあらためてプッシュされた。

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試聴システムにはAUDIOVECTORブランドのスピーカーを使用。ZMF headphonesブランドの平面磁界ヘッドホンのスペースも設けられた

 

G601 クボテックブースでは、同社HANIWA Audioのシステムで、海外評論家の故ハリー・ピアソン氏のLPアーカイブを再生

 

D502 六本木工学研究所は、SB Acousticsのスピーカーをデモンストレーション。インドネシアのSINAR BAJA ELECTRIC社のホームオーディオブランドで、同社のユニットは車載用/業務用としても使われているという

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