高まる電源関連機器

<香港オーディオショウ>STROMTANK最新モデル「S 1000」アジア初披露/バーチャルアース注目モデルも

2019/08/11 オーディオ編集部:浅田陽介
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8月9日から11日の3日間、香港コンベンションセンターにて開催されている香港ハイエンドオーディオビジュアルショウ2019。今年の同会場で注目したいのが、高まりつつある電源関連機器への関心だ。

香港は220Vと、世界的にも高い電圧の場所であるため、オーディオにおける電源環境としてはかなり有利となっている。しかしここ数年、香港をはじめとした東アジアのオーディオシーンでは電源環境の改善にも大きな注目が集まっている。

■STROMTANKの最新モデル「S 1000」がアジア初登場

アジアでは初登場となるSTROMTANKの最新モデル「S 1000」

mblの創設者であるヴォルフガング・メレツキー氏が立ち上げたオーディオブランドとして知られる独STROMTANK。リチウムイオン電池を使用したクリーン電源システムで瞬く間にハイエンドユーザーからの人気を集めた同社の製品は、世界的に見てもユニークな存在として注目を集めている。

現在開催中の香港ハイエンドオーディオビジュアルショウでは、ドイツMunich HIGH END2019で発表された同社の最新モデル「S 1000」がアジアでは初めて展示されている。

S 1000はSTROMTANKの中でも1,000Whと最も小さい容量となるモデルで、連続出力は450A、最大出力は700VA、瞬間最大出力は2,000VA。質量も41kgと小型化に成功した。

内蔵される8個のリチウムイオン電池は、LiFePO4テクノロジーによって長寿命と高い安全性を実現したリン酸鉄リチウムイオン電池を搭載。内部のプロセッサーにてクリーンで安定した電源をシステムへ供給することができる点など、基本的な技術や機能面では上位モデルを踏襲した内容となっている。

注目したいのは背面に搭載されたコンセントで、Hubbell製×4、FURUTECH製×4という同社ラインアップの中では最も多い合計8口のコンセントを搭載している。フロントエンドのプレーヤーや消費電力の少ないアンプ類であれば、一台ですべての電源を供給できる使いやすさも備えた電源システムとなっている。また、電源インレットにもフルテックのNCFを採用したものを装備。剛性の高い筐体デザインもあいまって、細部まで徹底的にこだわり抜いた仕様となっている。

会場では香港でのディストリビューターとなるJadis Electronics Ltdのブースにてデモンストレーションを実施。価格帯もぐっと身近になった本機への関心は非常に高く、電源事情が日本とは大きく異なるここ香港でも、STROMTANKが手掛ける電源システムは多くの来場者の注目を集めている。

■徐々にその数を増やすバーチャルアース関連製品

同じく電源関連で今年注目が集まっていたのが、バーチャルアース関連製品だ。日本でも高い評価を受けるTELOS AUDIO DESIGNやENTREQの製品に加えて、今年は新製品が多く登場している印象だ。まだ日本には導入されていないものの、イギリスで製造されるImperial Melodyのアースボックス「D.A.P.」や「No.19」、ノードストの「QKORE」といった製品も高い関心を集めている。

メイド・イン・イングランドを掲げるImperial Melodyのバーチャルアース「D.A.P」

Imperial MelodyのD.A.Pは、その型番の頭文字が示すようにデジタル/アナログ/パワーへのアースを設置できるもの。内部にはそれぞれの入力に合わせて調合された特殊な素材が充填されており、それぞれの機器がアースラインから受けるノイズに配慮した構造となっている。また、No.19はアナログ機器に特化したアースボックスとなるなど、用途に合わせてラインアップを用意している点も興味深い。

NordostのバーチャルアースQKORE(写真左奥)

一方、日本でも高い評価を集めるNordostのバーチャルアースQKOREは、電気的なアプローチ、機械的のアプローチの両方から、システムへ理想的なアースを提供すべく開発された並列設置のアース機器。

Nordostの特許技術となるモノフィラメント技術と独自の配合による金属を採用したアトラクタープレートを装備し、高周波ノイズや電圧によって生成される磁場をアースポイントに引き込むことで、クリーンな基準電圧を残す設計としている。

今回の香港の展示では、電源関連機器がいままで以上盛り上がりを見せているということだ。今後の各社から登場する製品にも注目したい。

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