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公開日 2019/09/19 17:36
同社初&“世界初”ハイブリッド型ドライバー搭載

【速攻レビュー】“初”が満載の注目機!オーディオテクニカの新イヤホン「ATH-IEX1」を聴いた

海上 忍
ブランドの名を賭け、各社がしのぎを削るイヤホンのプレミアムクラス。なかでも激戦区は10万円台、そこへ技術的にも音質的にもインパクトがある"サムシング・ニュー"を投入することが、各社喫緊の課題といっても過言ではないだろう。

“世界初”パッシブラジエーター搭載ハイブリッド型イヤホン「ATH-IEX1」

そこへオーディオテクニカが満を持して投入したのが、カナル型イヤホンの新フラグシップ「ATH-IEX1」(関連ニュース)。外観からしてインパクトは大きく、一見してチタンとわかる鈍い光沢が印象的。カナル型なだけになりは小さいものの確とした重厚感と凝縮感があり、軽々しさとは無縁の佇まいだ。以貌取人、容貌で人を判断してはいけないという言葉はあるが、これは期待せざるを得ない。

チタニウムハウジングは、鍛造や切削加工など5つの工程を組み合わせて製造される

まずは、井筒香奈江「リンデンバウムより」に収録の「氷の世界」を聴く。冒頭のピアノは最初のタッチから長く続くサスティーンまで、凛とした空気を感じさせる。途中から加わるウッドベースはシャープな輪郭を描きつつもまろみを思わせ、しかもズンと沈む。ボーカルはフォーカスよく潤いがあり、口もとの動きも滑らかに描写される。重厚そうな外観に比べると緻密で軽快な音傾向からは、これまでのオーディオテクニカのカナル型イヤホンにはなかった新境地を感じる。

その背景にあるのは、オーディオテクニカ初のハイブリッド型モデルという看板だ。搭載されるデュアルフェーズ・プッシュプルドライバーは、新開発のφ9.8mmダイナミック型ドライバーとφ8.8mmパッシブラジエーターを、真鍮スタビライザーを挟んで対向配置したもの。そこへ覆い被さるように配置された2基のBAドライバーは超高音域用、という位置付けなのだそう。説明員に訊くと、BAドライバーはネットワークを使用していないという。見通しとバランスのよさは、そこにも理由がありそうだ。

ATH-IEX1の内部構造

パッシブラジエーターを利用した意図については、「ダイナミック型ドライバーの駆動力を高め、音に厚みを加える」ことにあるという。超高音域の描写をBAドライバーに委ねる構造があるからだろうが、高域にある種のアトモスフィアを漂わせつつも中低域の量感を出したいという開発側の狙いは、しっかりと製品の音に反映されているようだ。

続いて、Meta Roos & Nippe Sylwens Bandの同名アルバムから「The Real Thing」を聴く。縦横に駆け回るラテンテイストのギターは流麗な響きで、弦の光沢まで目に浮かぶよう。控えめながらも隙間なくスネアやコンガが刻まれ続ける曲だが、音がいわゆる団子状になることなく、キレよく清涼感も保ちつつ最後まで一気に聴かせてくれる。Doobie Brothersの「Listen to the music」は、イントロのカッティングギターが適度にほぐれた感じで、新しいデュアルフェーズ・プッシュプルドライバーのレスポンスのよさ、軽快さを再確認できた。

ATH-IEX1を装着したところ

試聴をおこなう海上氏

装着感も上々。耳に入れた直後には金属的な塊感を覚えるものの、イヤーフックの径と柔らかさがほどよくフィットしやすい。イヤーピースは2タイプ付属するうえ、2段階調整機構でフィット感を調整できるという、心憎い気遣いだ。

付属のケースは非常に重厚なつくり

ステムに設けられた段差により、イヤーピースの深さと装着感を2段階で調節できる

発表会場では時間の都合上、3.5mmシングルエンド接続しか試すことができなかったが、ATH-IEX1には4.4mm端子のバランスケーブルも付属する。4.4mmジャックを装備するDAPのバリエーションが増えた現在、これも製品の魅力といえるのではないか。細部まで配慮を感じられる気魄の1台だ。

AD2Cコネクターを採用

ケーブルは3.5mmステレオミニプラグのほか、4.4mm端子のバランスケーブルも付属する

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