• ブランド
    特設サイト
公開日 2023/05/01 14:07

今年のIFAは「CESにない強みを伸ばす」。激動する情勢のなか変わるIFA

新責任者のオリバー・メルラン氏が語る
山本 敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
世界最大級のエレクトロニクスショー「IFA」が、今年もドイツの首都ベルリンで、9月1日から5日までの5日間開催される。プレスデイは8月30日から2日間を予定する。

IFAは今年から、ドイツ民生通信エレクトロニクス協会(gfu)と、英国の見本市主催会社であるClarion Events傘下のグループ企業、IFA Managementが主催するイベントになる。展示会・見本市の会場は、従来通りベルリン市内のメッセ・ベルリンのホールがメインだ。

4月末にIFA Management主催によるオンラインプレスカンファレンスが開催され、同社のマネージング・ディレクターであるオリバー・メルラン氏が、現在までに決定しているIFA2023のコンセプトや出展の内容を説明した。

IFA ManagementのMarketing Director、Oliver Merlin氏

■CESにはない「IFAの強み」を伸ばす



メルラン氏は「IFAはコンシューマーエレクトロニクスの分野で、世界で最も強い影響力を持っている。gfuとIFA Managementは今後もそのポジションを守り続ける」と宣言した。

周知の通り、毎年初にはアメリカのラスベガスで世界最大のエレクトロニクスショー「CES」が開催されている。メルラン氏は「CESはIFAのライバル」であるとしながら、IFAの強みは「その年のクリスマスシーズンまでに発売を迎える商品やサービスを網羅するグローバルトレードショーであることと、一般来場者とも一体になった “フェスティバル” としての色彩をより強く持つイベントであること」を挙げた。そして「今年はエレクトロニクス分野の “イノベーション” を掘り下げる。世界中から多くのスタートアップが出展するイベントにしたい」と意気込みを語った。

IFAは2020年から世界に拡大した新型コロナウイルス感染症の影響を受け、以降2度に渡ってオンラインプラットフォームを活用したり、従来と違う形でイベントを開催してきた。昨年は久しぶりに軸足をリアル開催にシフトしたが(IFA2022開幕のニュース)、当時はまだ日本を含む世界各地で海外への渡航制限があり、さらにロシアによるウクライナ侵攻の情勢不安定が折り重なったことから、IFAの開催期間中にベルリンまで足を運ぶことが困難だった。筆者もIFA2022の取材を断念した1人だ。

IFAの会場となるメッセ・ベルリン。モビリティやロボティクス、サステナビリティなどのテーマエリアが加わることが発表された

現在、パンデミックの方は落ち着きを見せてきたことから、今年は久しぶりにIFAの開催に合わせてベルリンに足を運べる可能性が高まりそうだ。

■今年のIFAに出展する企業は?



そうなると、IFA2023のコンテンツや出展する企業の顔ぶれが気になるところだ。オンラインプレスカンファレンスでは、IFAの概要が以下の通り発表された。

メルラン氏によると、IFA2023に出展を決めている参加社の数と、契約済み展示スペースの規模は、予約時点で既に2022年のそれを超えたという。大手企業では、BSH(ボッシュ/シーメンス)、ミーレ、LGやサムスンが出展に向けた最終調整に入った。日本から出展を予定する企業の名前はまだ明らかにされていない。なおIFAヘ新規出展する企業の割合は、昨年の22%から30%に拡大する。

IFA2023の出展申し込みは既に昨年の規模を超えているという

ドイツ国外からIFA2023に出展を見込む海外企業の数は、中国やトルコ、米国のほか欧州近隣国が多い。中国の出展企業が多い背景としては、IFAの同時開催イベントである「IFA Global Markets」に多くのサプライヤー、OEM/ODM企業が集まるからだ。2023年もメッセ・ベルリンの会場内、もしくは近隣のイベントスペースでIFA Global Marketsの開催が予定されている。

展示の内容は従来通り、IT通信、オーディオビジュアルからホームアプライアンスまで、エレクトロニクスを幅広くカバーする。ほかにもゲーミングにAI、サステナビリティ、Women in Techなどにも積極的に領域を広げる。また、IFA2023には新たに「Gaming & eSports Arena」「House of Robots」「Digital Content」など特定のテーマに絞り込んだ展示エリアが加わる。

新規のテーマ展示スペースとして「Sustainability Village」もメッセ・ベルリンの会場内「ホール2」に設けられる。家電メーカーや関連する様々なサービスプロバイダーによる、エネルギーマネージメントへの取り組みが多数集まるようだ。

Sustainability Villageのホールのイメージ

ロボティクスに関連する展示が集まるエリアも新設される

■世界の有力スタートアップが集うIFA NEXT



最先端のエレクトロニクスのトレンドについて、業界のリーダーを集めて、セミナーやパネルセッションなどカンファレンス形式のイベントを集中開催する「IFA+SUMMIT」は、名称を「IFA Leaders Summit」に変更する。既にAIやロボティクスなどの領域における欧州のキーパーソンが参加を決めている。欧州の人気YouTuberも登壇を予定する。

カンファレンス形式のイベント、IFA Leaders Summitを開催

識者やYouTuberなどが登壇する

トレードビジターの来場を促進するため、サービスの質も高める。会場南側エントランスには、トレードビジターやジャーナリストがスムーズに入場できるよう、優先入場口を設ける。BtoBビジターが興味あるIFAの展示を素早く回れるように、テーマごとのガイドツアーも実施する。トレードビジターのためのラウンジスペースも従来通り用意される。

世界のスタートアップ企業が集まる「IFA NEXT」は、メッセ・ベルリンのなかで最も新しくキャパシティも大きい「ホール27」で開催する。アムステルダムに拠点を構えるベンチャー支援企業、The Next Webが、勢いのあるスタートアップを今年のIFA NEXTに呼び込むという。またドイツ・テレコム主催によるスタートアップのイベント「Berlin Start up Night」が、IFAにあわせて9月1日から開催されるようだ。ほかにもIFAの開催期間中は、Berlin Tech Weekとして、市内の様々な場所でプライベートイベントやコンサートが行われる予定だ。

IFA NEXTには世界中から有力なスタートアップが集まる

IFAの運営体制が変わり、本格的なフルサイズ開催になることで、最先端のエレクトロニクスに関わるテーマがどう発信されるのか。参加する出展社、キーノートのプログラムなど、引き続きイベント本番に向けて明らかになる情報に注目したい。

スタートアップのイベント「Berlin Start up Night」にも注目したい

IFAの期間中は市内の各所がBerlin Tech Weekとして盛り上がる

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 King & Prince、サブスク解禁。まずはニューシングル表題2曲から
2 Amazonの読み放題「Kindle Unlimited」が2ヶ月99円!表示された方のみ対象
3 いらない「非通知着信」を一括シャットアウト!すぐできる設定方法
4 <HIGH END>フルテック、弩級電源タップ「NCF POWER VAULT」/シルテックのフラグシップライン「Master Crown」
5 ハイセンス、4K液晶テレビ新エントリー帯「U7N」。上位機譲りの144Hz駆動や機能を搭載
6 【ミニレビュー】オルトフォンのアルミ無垢材スタビライザー「Record Stabilizer」
7 Bluetoothもレコードもイケる「今ドキ」スピーカー。カナダ発・Kanto Audio「YU4」のコスパがスゴい
8 この謎が解けるか?『007』シリーズのダニエル・クレイグが探偵を演じるノンストップ・ミステリー
9 高まった装着感とリーズナブルな価格。Shokz「OpenFit Air」は“ながら聴き”イヤホン最良の選択肢
10 「2024 東京インターナショナルオーディオショウ」5/29 10時より来場予約受付スタート
5/21 10:50 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー192号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.192
オーディオアクセサリー大全2024~2025
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2024~2025
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.21 2023 WINTER
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.21
プレミアムヘッドホンガイド Vol.31 2024 SPRING
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.31(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2023受賞製品お買い物ガイド(2023年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2023年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX