公開日 2011/09/16 10:07

“クラウド + HTML5” がもたらすオーディオビジュアル「次の一歩」

CDの登場により幕開けしたオーディオのデジタル化も、コンピュータの普及とインターネットの登場というタームを過ぎ、ポータブルオーディオやネットオーディオという新潮流を生み出すに至った。これからもオーディオが進化し続けるとすれば、気になるのは「次の一歩」だ。

本稿では「クラウド」と「HTML5」がその方向性に大きく影響すると仮定し、近い将来、我々の目前に提示されるはずのオーディオ関連サービスについて考察する。

■オーディオ/ビデオとクラウドの関係

クラウドという言葉は、明確な定義や共通の規格がないままに普及したという見方もあるが、「実体がどこにあるか意識せず使えるインターネット上のサービス」という意味においては、クラウドを標榜する商用サービスのすべてに共通していると言っていい。

ファイルをインターネット上のファイルサーバで保管する「オンラインストレージ」を例に考えてみよう。サービスの提供を受けるためのアドレス(URL)にWebブラウザなどでアクセスし、ユーザIDとパスワードによる認証を済ませれば、ファイルのアップロード/ダウンロードが可能になる。

容量や転送速度、保管期限など条件は運営元次第だが、サーバが地球上のどこに設置されているか、どのようなハードディスクを何台設置しているか、といった運営元の事情を知る必要はない。ユーザーは「インターネットの向こう側にある機能」程度に認識されていればよく、その比喩として「クラウド(雲)」なる言葉が用いられているというわけだ。

これまでは、オンラインストレージのように、パソコンが担ってきた機能をオンラインに置き換えたようなクラウドサービスが多かったが、ここ数年でそのバリエーションが増している(表1)。

表1:クラウドサービスのおもな構成要素
名称 概要 事例
IaaS(Infrastructure as a Service、イアース) 仮想マシンを貸し出すサービス。HaaS(Hardware as a Service)とほぼ同義 Amazon EC2
PaaS(Platform as a Service、パース) アプリケーションの実行環境を提供するサービス Force.com Platform、Windows Azure
SaaS(Software as a Service、サース) ネットワーク経由でソフトウェア/コンテンツの提供を受けるサービス 各種Webメール(Gmail、Yahoo!メール)、Googleドキュメント


Amazonが米国で展開する「Amazon Cloud Player」、Googleがベータ公開中の「Google Music」はSaaSに分類することができ、すでに多くの音楽ファン(ただし米国のみ)に利用されている。

自分でCDから取り込んだ音楽(MP3/AAC)またはAmazonのWebサイトで購入した楽曲をクラウド上で保管し、Webブラウザやスマートフォンアプリで聴くことができる「Amazon Cloud Player」

Googleが北米在住のユーザに提供している「Google Music」(ベータ版)

ロスレスコーデックは現在のところ未サポートなど、クオリティ面は後回しにされている感も否めないが、オーディオ/ビデオ愛好家にしてもクラウドが無縁の存在でなくなりつつあることは確かだ。

Webアプリの本格普及をにらみ、Googleが整備したWebアプリ販売センター「chrome ウェブストア」

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