公開日 2025/10/28 06:30

「やっぱCDでしょ!」モノ好きオヤジの心をくすぐる、オーレックスの一体型コンポが熱い!

<連載>「オーディオを、遊ぼう!“ザ・良音計画”」第5回
前田賢紀
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オーレックスから“音質重視”の一体型コンポ登場!

「オーディオを、遊ぼう!“ザ・良音計画”」は、楽しく、真面目に、そしてずるずるとオーディオの楽しさに誘惑しちゃうぞ、というコンセプトで皆さんに提案を行う連載だ。

キリ番となる第5回の主役はラジカセ、いやCD/FMワイヤレススピーカーシステムのオーレックス「AX-XSS100」。「オーディオお帰りなさい」層にも「すでに沼ってる音の仲間たち」にも役立つだろう“音の十徳ナイフ”の実力やいかに。

やっぱりCDも聴きたい!そんな時に大活躍する一体型コンポがオーレックスから登場!

令和的ラジカセ≒BTスピーカーなのか?

小型で、迫力ある音が出て、防塵防滴で、スマホの充電もできるBluetoothスピーカー(以下BTスピーカーと略)は便利である。アウトドアやキャンプシーンとの親和性も高く、往年のラジカセニーズを満たす製品と言えばこれ一択だ。

もとより「ラジカセ化」という表現は音響機器に限らず「複数の機能をまとめて小型化する」ことを指す。1982年のCD登場を号砲として、音環境のラジカセ化が推し進められ、CDラジカセが生まれた。メディアの優勝劣敗にともない間もなく「カセ」が脱落しCDラジオに。さらに「CD」も脱落して現在のBluetoothスピーカーが令和的ラジカセのひな型となった。

ECは言うに及ばず、家電量販店でもずらり並んで一大勢力の観があるBluetoothスピーカーはもはや、ナンバーワンでもあり、かつオンリーワンホームオーディオの地位に上り詰めたのである。

 

「だけど、やっぱり、CDが聴きたいんだ!」

オーレックスの「AX-XSS100」は現在求められるニーズのど真ん中スペックを備えて誕生した8月生まれの夏漢。価格はオープン、実勢価格は4万9500円前後。 

オーレックス CD/FMラジオ再生対応一体型ミニコンポ「AX-XSS100」(オープン価格、市場想定価格は49,500円前後/税込)

ご覧の通りのCD/FM ワイヤレススピーカーシステムで、ソースはBluetooth、CD、USBメモリ、FMラジオ、AUX(背面のミニジャックより)の5系統。USBメモリであればハイレゾ音源の再生にも対応。スピーカーは6.4cmウーファーに2cmトゥイーターの4スピーカー構成で、出力は25W+25Wと十分だ。

USBメモリのデータならハイレゾ再生可能。6.4cmウーファー+2cmトゥイーター。保護ネットを外すとこんな顔で、コーンはカーボン素材だ

先ほどからBluetoothスピーカーが普通の人にとってのオーディオイメージと書いてきたし、スマホは結局のところサブスクにつながっているのだから、膨大な音源は手のひらにある。聴きたい音楽はすべてある。あるけど聴ききることなどできない。

しかし「聴ききれるかも知れない」のが個人コレクション。すなわちCDだ。

CDの登場から今年で43年。かつて期待に胸を膨らませてCD発売日を待った記憶のある方もおられよう。「CDを手放すわけにはいかない」ご意見には全面的に賛成!

CDはおなじみのトレイ式

仕事場からキッチンまで、いろんなところに置いてみた!

幅400mmで質量約4.5sというひょいと運べるサイズ感。据え置き型だけど据え付けなくてもいいぞ、というわけで、あちこちに置いてみた。

まず仕事部屋。MUJIの「ユニットシェルフ」の上にドン。天板サイズ的にもぴったりだ。ネットワークプレーヤーやAVアンプの類と違って、つなぐのは電源コードだけというのもラクでいい。本機のサウンドコントロールはBASSのオンオフのみで、入れるとかなりブンブンくる。ウーファーは6.5cmだから、ロックやポップスのベースラインのおいしいところを小気味よく鳴らしてくれる印象だ。

MUJIのラックに乗せてみた。右下はリファレンスで使っているECLIPSEのTD512。奥にぶら下げているVWバンのトートバッグは雑誌『DIME』のフロク(笑)

さらにリビングのTVラックの上に乗せてみる。これまたMUJIで「REAL FURNITURE」シリーズだ。AUX-INがあるためテレビの音声をサポートする使い方もいいなと感じられた。「HDMI ARCなら音質もよく操作もらく……」など言わぬが花。スタンドアローンで完結するのが本機のフットワークの良さなのだ。

木製であるためか良質の響きが上乗せされた気がする

最後にキッチンでBGMを流してみる。いつもはイヤホンをして調理しているママが「やっぱりオーディオで音楽流すといいね」と言う。たぶん今日の晩御飯はいつもよりちょっと美味いだろう(笑) むろん水がかからないよう置き場所には注意すべし。

ママはスチャダラパーを聴いてご機嫌でした

ナメてかかっちゃいけない、スッキリと分離のよいサウンド

「AX-XSS100」はたぶん、オーディオ関心層のみなさんなら取説を読まなくても操作できるオーディオだと思う。本体のボタンは電源、CDトレイ開閉、ジョグダイヤルしかないし、すべての操作はリモコンでできる。ちなみにリモコンは日本語表記。このあたりからもターゲットユーザー像が見えてくる。

日本語表記のリモコン。「AX-XSS100」のすべてを操作できる

既述のようにBASSポジションの効果は大きい。個人的にはオフの方が好みだが、ジャズヴォーカルやクラシックなら入れておいた方がリッチに聴こえる。ポートの形状の工夫もあり小口径バスレフっぽさを抑え、角を落とした筐体デザイン「カッティングエッジエンクロージャ」によって周波数の乱れを軽減している。

バスレフポートは背面に設置。ポートノイズを減らすよう形状にもこだわっている

さらに圧縮音源をハイレゾ相当へアップコンバートしたり、再生帯域の周波数特性をフラット化するDSP「AUREX SOUND PROCESSER」の働きによって、ラジカセ形状にありがちなダンゴっぽい音でなく、スッキリと分離のよいサウンドになっている。「とはいえラジカセでしょ?」ってナメてるとちょっと驚かれると思う。ぜひご試聴を!

そういえばかつてコインインシュレーターがブームになった。収納家具等の不要な響きを手軽に調整できたためだ。そこで試してみると“硬貨だけに驚きの効果”が……ということは特になく(笑)、逆に言うと「AX-XSS100」の脚がしっかり設計されていると判った。気負わず使えるライフスタイルオーディオゆえ、ある程度、置き場所に左右されることがないよう調整されているのだろう。 

ついでにヘッドホンでも聴いてみた。サウンドはともかく、当方愛用のフォステクス「RP KIT50」では能率の低さゆえかパワー不足気味。一般的なイヤホンならその心配もないだろう。

「〜に置く」のではなく「〜を置いて」みた

先ほどは「AX-XSS100」を家のあちこちに置いてみたが、今度は「AX-XSS100」に置いてみよう。そう、天面はおよそ横450mm、奥行き約235mm程度の敷地面積がある。

そこでまずミニカーを置いてみた。ご存じ「tomica」と英国Matchboxの「SuperKings」だ。サイズ感もいい。まだ数台置けそうだ。車庫証明も不要な青空駐車場。もし私が「AX-XSS100」オーナーになった暁には、人形なども並べてジオラマ化してみたい。

一番手前はNo.64-1「トヨタハイラックス郵便車」

続いてトイラジコン戦車の出陣だ。これは1980年代前半頃のTOMYラデオレーサーシリーズ「BIG THUNDER TANK」。電源を入れるとエンジン音を発し、前後左右はもちろん、砲塔旋回、主砲発射音、機銃掃射音を発することができる。プロポと並べてこれまたちょうどいい。普段は箱にしまっているが、サウンドインテリア(?)として活かす道が拓けた(笑)

戦車兵などのフィギュアを並べたい気分(笑)

CDコレクションを聴きまくろう!

四角四面形状だからどこにでも置きやすく、電源コード一本で準備完了。デスク周りはもとより、寝室でも、もしかしたら小規模なバーや店舗(いまどきの古書雑貨店なんか似合いそうだ)のBGM用途にもいいだろう。

そして我ら音の仲間にとっては、令和7年のCD聴きまくりに絶好なマシーンでもある。聴きたい部屋に持って行ける。操作簡単、音もいい。

ご自慢のCDコレクションを聴きまくろう! 今日の一枚、明日の一枚はお決まりですか?

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