CDを聴こう!レコードもサブスクも聴こう!Eversoloの最新機「PLAY CD Edition」で遊ぼう!
楽しく、真面目に、そしてどっぷりとオーディオの楽しさに誘惑しちゃうぞ、というコンセプトでみなさんに提案していく連載。第4回のテーマは “Eversoloの「PLAY CD Edition」で音源どんとこい!” である。
Eversolo「PLAY CD Edition」ってどんなマシン?
第4回の主役であるEversolo「PLAY CD Edition」をざっと説明しよう。製品ジャンルとしてはオールインワンミュージックストリーマー。これはHDD等に格納した音楽ファイルに加え、ストリーミング音源やCDを操り、アンプまで一体化したコンポだ。
昨今ハイレゾ音源は12cmディスクの容量を超える細密化、緻密化、つまりはデータの大容量化が進んでいるため、この意味でハイレゾ=配信で楽しむのが主流となっている。
またパッケージメディアを再生しないことから、ミュージックストリーマーの多くは、見た目がツルっとして操作部材が少ない。それもそのはず、ほとんどの操作はアプリを入れたスマホなりタブレットなりで行うためだ。
そんな「ツルっ」としたミュージックストリーマーをアンプ一体型としたのが「PLAY」。さらにCDプレーヤーを盛ったのがPLAY CD Editionである。ハイレゾ音源やサブスクはネットワークから、長年かけて構築してきたCDコレクションはそのままディスクで楽しめる。加えてドライブはリッピングマシンとしても活用できるのだから堪らない。
スペースパフォーマンス最高!
PLAY CD Editionのすごいところ、というかむしろオーディオ好きとしてのオソロシイ点は、ミュージックストリーマーwithアンプ+CD……だけではないこと。背面パネルを見れば一目瞭然、なんでもござれだ。HDMI(テレビとの連携もどんとこい!)、同軸デジタル、光デジタル、LINE INとここまでは分かるが、PHONO INまである! しかも内蔵フォノイコはMM/MC両対応と「だったらいいな」を実現したとことん出木杉君なのだ。
ちょっと面白いのは、CDトレイがわき腹から出入りすること。正面から見ると「あれ? CDプレーヤーがない」と戸惑う。大丈夫、正面から見て左側にあります。だから設置の際はビル谷間の駐車場よろしく、本体左に20cm程度空き地を作っておく必要がある。
というわけで、長くオーディオにまみれてきたみなさんの音源資産はほぼ再生できることがお分かりいただけたと思う。本稿担当者も【各種音源、捨てない派】なので、最新のネットワーク音源に加え個人的レガシーもまるごと楽しめるのは有り難く、なによりスペパも最高である。
ネットワーク化「はじめの一歩」にも
オーディオ好きの方は一般にメカ好きであるからネットワーク関連にも強い。ただオーディオシステムにネットワークを取り込むことについては「現状で充分」とか「面倒くさい」とか「なんでスマホで操作するわけ?」とさまざまご意向があり、結果としてネットワークオーディオに進出していないベテランは少なくない。
しかしPLAY CD Editionなら、いまPCに引き込んでいるLANケーブルをルーターから分岐して差し込むだけでOK! ワイヤレスとか考えるから難しくなるわけで、ケーブル引っ張ってきちゃえば楽なのだ。Androidを搭載してるので操作性はスマホにも近く、通勤中などに「スマホ+イヤホン」で楽しんでいるAmazon MusicやQobuzなどがスルっと聴けちゃう(それぞれサインインしてね)。
しかも愛聴CD盤も最新の再生品質で楽しめるし、フォノイコまで搭載!だから「なんとなく手を出していない」というネットワーク音源一歩手前の方にもPLAY CD Editionは最適だ。操作は独自アプリ「Eversolo Control」を入れたスマホ、タブレットのほか、本体ディスプレイでも行える。
せっかくなのでオーディオテクニカの「サウンドバーガー」を接続した。ミュージックストリーマーにレコードプレーヤーをつなげるのはどこか背徳的(笑)だが、自宅の小さな再生環境でも充分に楽しむことができた。
サウンドバーガーは内蔵フォノイコの入/切ができないため、PLAY CD Editionとの接続はLINE INとなるが、ターンテーブルを使う方、MM/MCカートリッジをお持ちの方なら、PLAY CD Edition内蔵フォノイコと音を聴き比べるのも興味深いはずだ。
ディスプレイをカスタマイズできる楽しみも
PLAY CD Editionのオーディオ機器としての多才さについて記してきたが、実はそのツルっとした見た目を裏切る、表情の豊かさをもっている。つまりディスプレイによる “機械的百面相” である。アルバムジャケット画像やトラック表示、経過時間などの一般的な表示のほか、何種類ものVUメーター、グラフィックイコライザーのデザインが選べるのだ。もし今後、このメーターやグライコの新規デザインが追加されダウンロードできるようになれば、ユーザーとしてはなお嬉しい。Eversolo社よ、ぜひ実現を!
加えてボリューム/セレクトダイヤル周囲の照明カラーも選択可能だから、お好みのVUメーター、グライコと揃えるのもいい。ミュージックストリーマーらしいエクステリアデザインでありながら、それに反するような豊かな表情、それがPLAY CD Editionの “もうひとつの個性” といえるだろう。
「PLAY CD Edition」を、どう遊ぶ?
ここまで「〜できる」点について触れてきたが、じゃあ連載のテーマである “オーディオを、遊ぶ” はどうするか?と知恵を絞りまして、「1986年製CDプレーヤーとのサウンドチェック」を遊んでみた。試みの内容はこうだ。
筆者が長年使っているCDプレーヤー、ケンウッド「D-3300P」を基準に、以下の4パターンを聴き比べてみた。
- そのままLINE接続で聴く
- トラポとして使い同軸(Coaxial)接続で聴く(PLAY CD EditionのDACを使用)
- トラポとして使い光(Optical)接続で聴く(PLAY CD EditionのDACを使用)
- PLAY CD Edition搭載のCDプレーヤーで聴く
試聴盤はCDと同じ頃にデビューしたバンド「グラスバレー」のデビュー35周年(2022年発売)リマスター盤とした。
まずトラポ使いの2と3から。出し側は当時のCD品質44.1kHzの16bit固定。1と聴き比べた際の変数は、同軸か光か、そしてどちらのDACを使うかにある。
1986年当時のケンウッドCD最高音質(D-3300Pは当時の最上位機)である1については、2や3よりまろみがあるように感じた。ステレオ感は充分だが奥行きによる前後感表現はあまいか。「CDの音はカタい」「デジタル臭い」と言われた当時の機種だが、現在のハイレゾ耳には優しく(というかレトロに?)聴こえるから面白い。
2と3については、シンバルやギターのカッティングなど高域が目立つのが同軸、中低域でベースの存在感を感じリズミックに聴こえるのが光……とはいえ、両者の相違はきわめて小さく、上記は「粗探しをするなら」というレベル。ただ1と聴こえが違うのは明らかだから、「今あるCDプレーヤーを活かしたい!」という方なら、CDプレーヤーレスのPLAYを導入してDAC遊びをするのもいいだろう。
最後に4だが、これは一聴してフレッシュ。特に1との比較で判りやすく、80年代のオリジナルCDとリマスターCDの違いと記せばイメージが伝わりやすいだろうか。半面、いろいろな音が前に前にと出過ぎかな?なんてこれは贅沢な言いがかりです(笑)
「PLAY」か「PLAY CD Edition」か、それが問題だ
PLAY CD EditionとPLAYの違いはCDプレーヤーの有無。価格差は税込18万7000円と16万5000円=2万2000円の差……アナタならどちらを選択するだろうか?
私の場合、愛器D-3300Pが現役である以上CDプレーヤーレスのPLAYで用は足りる。しかしドライブはリッパーとしても使えるため、やはり最終的にはPLAY CD Editionを選ぶだろう。現行DACによるフレッシュなサウンドの魅力も大きい。
PLAY CD Editionを導入すると、いくつかの機器が整理できる算数になる。早い話が空き地ができる。すると「前から気になっていた大型スピーカー、この際いっときますか!」と妄想特急が出発してしまう。なんだ、やっぱりオーディオ趣味に終わりはないのだ。
さあ、みなさんもEversolo PLAY CD Editionで “オーディオを、遊ぼう!”

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