PR 公開日 2025/05/15 17:00

オーディオテクニカ「AT-VM700xシリーズ」最速レビュー! 9年ぶりに生まれ変わったVM型カートリッジの実力は?

音質にも使用感にも手を加えた4モデル

あらゆるニーズに応える4種のラインナップ。描き出す音の違いに注目

試聴は自宅システムで行なった。ターンテーブルはテクニクス「SP10R」、トーンアームはオーディオテクニカ「AT150」だ。フォノイコライザーアンプはアキュフェーズ「C-47」をMMポジションに設定。ヘッドシェルはオーディオテクニカ「AT-LT10」で揃えた。針圧は2gで統一。

アルミニウム製の軽量ヘッドシェル「AT-LT10」。シバタ針採用の「AT-VM750xSH」、およびマイクロリニア針の「AT-VM740xML」は、AT-LT10付属のバンドルパッケージも用意する

試聴曲は、サマラ・ジョイのアルバム『ポートレイト』から<ラヴバードの蘇生>。ヒラリー・ハーンの『パリス』から<ショーソン:詩曲>の2曲。

「AT-VM740xML」はマイクロリニア・スタイラス。フラットな帯域バランスでクセがない。ヴォーカルは瑞々しさを宿しつつ、芯のある音。エネルギーバランスの重心も低く、発声が安定して聴こえる。

「AT-VM740xML」39,600円(税込)

クラシックではコントラバスのボウイングが力強く、管と弦のハーモニーがリッチに響く。独奏ヴァイオリンの旋律には、骨格の確かさを感じる。

「AT-VM745xML」は、「AT-VM740xML」と同じマイクロリニア・スタイラスだが、ボロン・カンチレバーの組み合わせによるのだろう、トランジェントの良さが感じられる。加えて情報量が高まったことで、デリケートな情緒感がより明瞭に引き出されている印象だ。また、S/Nのアップにより、音像フォルムの隈取りがさらに克明になった。リズムセクションが繰り出すビートも躍動的だ。

「AT-VM745xML」55,000円(税込)

ヴァイオリンは一段と細やかで、表情がより繊細かつ精巧。オーケストラのダイナミックレンジもさらに広く感じる。

「AT-VM750xSH」はシバタ針の採用。このタイプのスタイラスは70年代に設計されたものだが、その高域の抜けの良さや分解能の高さから近年見直されており、他社での再用例も多い。音場の広がりは、特に奥行き方向に広々としている印象で、<詩曲>の調べが美しく、旋律の緩急さ、ハーモニーのカラフルさがいい。サマラ・ジョイでは声の質感がよりしなやかで伸びやか。シンバルの音が煌びやかに響き、4管編成のブラスセクションの音像定位が揺るぎない。

「AT-VM750xSH」60,500円(税込)

特殊ラインコンタクト針の「AT-VM760xSL」は、これはもう圧倒的な情報量である。オーケストラの再現は精巧かつ重厚。見通しのよい音場感に、ヴァイオリンは一段と細やかで旋律のダイナミクスが際立つ。コントラバスも一層力強い。声のトーンは穏やかで、表情が多彩。色艶も申し分ない。語尾のニュアンスや発声のイントネーション、ビブラートも実に鮮明だ。

「AT-VM760xSL」96,800円(税込)

世界規模のレコード復権で、今アナログオーディオは再び活況を呈し始めている。昔聴いたレコードをまた引っ張り出してみようというシニアファンのみならず、新しいレコード愛好家も増えてきた。そうした中で、以前聴いていた時よりももっといい音で聴きたい、あるいは友達に負けない音を出したいというニーズに、「AT-VM700x」シリーズはバッチリ応えてくれることだろう。

■「AT-VM500x/600x」シリーズのレビューはこちらから

(提供:オーディオテクニカ)

前へ 1 2

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 BRAVIAが空飛ぶ時代? 動画コンテンツの楽しみ方に押し寄せた大きな変化を指摘するソニーショップ店長。超大画面はさらに身近に
2 ネットワークオーディオに、新たな扉を開く。オーディオ銘機賞の栄えある“金賞”、エソテリック「Grandioso N1」の実力に迫る
3 Nothing、最大40%オフのウィンターセール開催
4 LG、世界初のDolby Atmos FlexConnect対応サウンドバー「H7」。オーディオシステム「LG Sound Suite」をCESで発表へ
5 「ゴジラAR ゴジラ VS 東京ドーム」を体験。目の前に実物大で現れる“圧倒的ゴジラ”の臨場感
6 衝撃のハイコスパ、サンシャインの純マグネシウム製3重構造インシュレーター「T-SPENCER」を試す
7 AVIOT、“業界最小クラス”のANC完全ワイヤレス「TE-Q3R」。LDAC、立体音響にも対応
8 ソニー「WH-1000XM5」に“2.5.1”アップデート。Quick AccessがApple Music/YouTube Musicに対応
9 「HDR10+ ADVANCED」が正式発表。全体的な輝度向上、ローカルトーンマッピングなど新機能も
10 クリプトン、左右独立バイアンプ機構のハイレゾ対応アクティブスピーカー「KS-55HG」新色 “RED”
12/19 11:02 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX