一体型ダイヤモンドカンチレバーやチタン削り出しハウジングなど搭載

オーディオテクニカ、創業60周年記念MCカートリッジ「AT-MC2022」を11/25発売。132万円

2022/11/01 編集部:成藤 正宣
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オーディオテクニカは、同社創業60周年を記念したMCカートリッジ「AT-MC2022」を、2022年11月25日に発売する。価格は1,320,000円(税込)。数量限定生産となり、同社公式オンラインストアおよび一部販売店にて取り扱われる。また、予約受付は11月7日 10時より開始する。

オーディオテクニカ60周年記念カートリッジ「AT-MC2022」の詳細が発表

同社が1962年にカートリッジの製造/販売を開始してから今年で60周年を迎えたことを記念し、限定生産される5種類の製品のうちの1つ。本モデルの概要は今年9月に先行発表されており、この度詳細が明らかとなったかたちだ。

スタイラスチップまで一体となった、0.22mm角ダイヤモンド製カンチレバーを搭載。一般的な構造では、ダイヤモンドで作られたスタイラスチップと、アルミニウムやボロンなどの材質で構成されるカンチレバーを接着して組み立てるのに対し、本モデルでは継ぎ目の無いワンピース構造とすることで、境界面で生じる歪みを徹底的に抑制。これにより、レコードの音溝の動きをより正確に発電コイルへ伝達できるという。

スタイラスチップ一体型のダイヤモンドカンチレバーを採用した

またカンチレバーにダイヤモンドを採用したことで、優れた振動伝播速度による音の立ち上がり/立ち下がりの速さや、明確な音像定位を実現。音像はソリッドで密度が高く、低音はシャープで深く沈み込むように感じられ、“2つのスピーカーの真ん中に定位するボーカルの音像は、まるで布切れ一枚も介さず、あたかも目の前で歌っているかのような緊迫感がある”とのこと。

ダイヤモンドはCVDという手法で製作された、いわゆる“Lab-Grown-Diamond(実験室生まれのダイヤモンド)”を採用。非常に純度が高いため無色透明で美しく生成されているだけでなく、ダイヤモンドの採掘に伴う社会問題や地球環境にも配慮したとしている。

ボディは、ベースにアルミニウム、アンダーカバーにエラストマー、ハウジングにはチタニウムとそれぞれ異なる素材を組み合わせ、共振を抑制。中でもハウジングには、最先端の5軸切削加工機を用いたチタン削り出しハウジングを採用。精密加工により複雑で微細なデザインを実現するとともに、肉厚を最小限とすることで剛性と軽量さ、音響特性を兼ね備えたとする。

表面はひとつひとつ職人の手作業により鏡面に仕上げた後、イオンプレーティングという手法を用いて耐久性を大幅に向上。美しい光沢のある金の発色により、60周年記念モデルにふさわしい外観を追求している。加えて側面の三角部には“七宝”風の黒色装飾を施すことで、引き締まった印象を与えるデザインとした。

チタン削り出しハウジングは、鏡面加工とイオンプレーティング、七宝風の装飾で彩られる

磁気回路は、同社の鉄心型MCカートリッジのハイエンドモデル「AT-ART9XI」のものをベースに、フロントヨークを0.6mm厚くすることで磁束密度を向上。発電効率を高めることで、よりリアリティのある音質を実現したとする。また、コイルの巻数やインピーダンスはそのままに、15%以上の出力電圧の効率化も図った。ほか、ターミナルピンは接触抵抗の低減と音質強化のため、金メッキ部分の厚みを従来モデルの約30倍に増した。

保管用ケースとして、天然無垢材ウォルナットとクラロウォルナットを採用したウッドケースが同梱し、内部のアクリルプレートにはシリアルナンバーと60周年記念ロゴがレーザー刻印される。また、フタを開けるとアクリルプレート越しに収納したカートリッジが見える構造で、視覚的にも楽しめるとしている。これに加えて、高級感と耐久性のあるイタリア・アルカンターラ社製の人工皮革ポーチも付属する。

保管用ケースは、シリアルナンバーなどが刻印されたプレート越しに製品を眺められる造り

パッケージも60周年記念モデル共通の専用デザインで、日本の伝統的技法である越前和紙を用いたスリーブが採用されている。

パッケージは60周年記念モデル共通のデザイン

再生周波数範囲は20Hz - 50kHz、出力電圧は0.55mV。セパレーションは30dB(1kHz)、出力バランスは0.5dB(1kHz)。針圧は1.6 - 2.0g(標準1.8g)。コイルインピーダンスは12Ω(1kHz)。質量は9.5g。

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