「音楽表現にコクが増す」オーディオテクニカの新VM型カートリッジ「AT-VM500x/600x」シリーズ一斉チェック!
オーディオテクニカのVMシリーズ・カートリッジが、フルラインナップでリニューアルを遂げた。本稿では樹脂素材ハウジングを備えたエントリー帯「AT-VM500x」シリーズと、モノラルカートリッジの「AT-VM600x」シリーズについてのレビューをお届けしたい。
オーディオテクニカの大看板。新VM型カートリッジは何が変わったか
VMシリーズといえばエントリークラスの「AT-VM95」シリーズと並び、「カッターヘッドと相似形」の発電回路を持つVM型カートリッジの一大ラインナップを構成する、同社の大看板である。
まず目につく変更点といえば、型番であろう。これまでは、アルミハウジングの特殊ラインコンタクト針を装着したモデルなら「VM760SLC」が正式な型番だったが、今次の新作は同等グレードが「AT-VM760xSL」となる。あくまで個人的な印象だが、やっぱりオーディオテクニカ製品の型番には「AT」がトップについていた方が収まり良いように感ずる。
機構的な一番の変化は、発電コイルに用いる線材の刷新。前作は6N-OFCだったのが、今作は新世代のオーディオ線材PCUHDへと変更された。さらに、コイルの絶対的なターン数を少なくして、音の成分がほぐれ繊細かつ軽快な音の獲得につながったそうだ。

「AT-VM500x」シリーズにおいては、無垢楕円針の「AT-VM530xEN」が前作の円柱から角柱に。正方形断面で、頂角を正面へ向けた方向でストレート・アルミパイプのカンチレバーへ接合されている。また、接合丸針の「AT-VM510xCB」と接合楕円針の「AT-VM520xEB」も、PCUHDコイルとの相性が殊の外良好で、音楽性がさらに高まったという。
モノラル専用の「AT-VM600x」シリーズについても発電回路にPCUHDコイルを採用。LP/SPともより明るくがっしりとしたモノ再生を可能にしている。
交換針は前作に引き続き全モデルがまったく同じ形状で、針先の太さが違うSP用を除いてすべて厳密な互換性がある。「AT-VM500x」シリーズに「AT-VM700x」シリーズのシバタ針や特殊ラインコンタクト針をマウントすることも可能だし、例えば「AT-VM700x」シリーズのボディに接合丸針の「AT-VMN10xCB」を装着して音楽を楽しむこともできる。

