公開日 2020/08/07 06:30

ライブ配信も“プロ現場と同等のサウンド”で楽しめる。RME×GENELEC「ADI-2 DAC STUDIO」は理想のシステムの1つだ

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生形 三郎
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モニター製品をリスニング向けにカスタム「Gシリーズ」「ADI-2 DAC FS」

今回はADI-2 DAC FSとG Oneのシステムをメインに試してみた。では、実際に本システムを見ていこう。

今回は「G One」との組み合わせをメインに試聴した

GENELECの“Gシリーズ”は、録音やミックスの際に、全体のバランスやディティールなどを確認する為にエンジニアが使用する「ニアフィールドモニター」を、ホームオーディオ向けにアレンジした製品だ。ホーム向けといっても、内容としてはプロ/クリエイター用モデルの“8000シリーズ”と同一で、違いは、入力がバランス入力のXLR端子ではなく、アンバランス入力のRCA端子となっていることだけだ。

その中で「G One」は、同社の中でも最も小型となる3インチ(約8cm)のウーファーユニットを搭載した2ウェイスピーカーである。同社のモニタースピーカーは、小型ウーファーの搭載機であっても、十分なローエンドの量感が確保されていることが特徴で、本機も、小型ながら低域は-6dBで67Hzまで確保されている。

シリーズ最小ながらしっかりしたローエンドを鳴らしてくれる「G One」

本体後方にはディップスイッチが配され、設置環境に合わせてサウンドの微調整が可能。台座には独自開発のスピーカーベースとなるIso-Podが装備されており、最適なパフォーマンスが得られるようになっている。

もう一方のRME「ADI-2 DAC FS」は、DSD 11.2MHz、PCM 768kHz/32bitという最新フォーマットに対応した、ホームオーディオでの使用まで想定して開発されたDAC機器である。プロ用のAD/DAコンバーター「ADI-2 Pro FS」をリスニング向けにカスタムしたもので、リスニング用途では不要となるA/D部分を省略し大幅なコストダウンを実現している。さらには、新たにRCA出力を搭載し、ADI-2 Pro FSよりも低歪み化、高S/N化を実現しているというから驚きである。接続機器に併せて4段階の出力レベル切り替えが可能なことも、実に理にかなった仕様だ。

A/Dコンバーターの省略やRCA出力搭載など、リスニング向けのカスタムが施された「ADI-2 DAC FS」

本機の再生音質の要の一つとなるのが、最新世代のSteadyClockである「SteadyClock FS」だ。デジタル再生のクオリティを大きく左右するクロックの精度がより一層高まり、より透明度の高い音楽表現を実現する。

入力機能としては、USBに加えて同軸及び光デジタルにも対応するほか、MacやiOSデバイス(iPad、iPhone)の標準OSドライバに対応するクラス・コンプライアンス・モードを実装するため、それらに接続するだけですぐに使用することも可能だ。

つまり、パソコンからスマートデバイス、そしてAV機器等まで、あらゆるデジタルソースを高音質で楽しむためのハブとして機能してくれる製品と言えるだろう。加えてヘッドホン用とイヤホン用とで、インピーダンスの異なる2系統の出力を持っていることも特筆に値する。

ミニマムながら「制作の現場で作り手が聴いているサウンドと同等の音」

実際に自宅に設置してみると、まずは、その省スペース性に驚かされる。同時に、ヘビーデューティでありながらも洗練され、なおかつキュートなG Oneは、ホームインテリアとの親和性も高い。ADI-2 DAC FSも、天面にRMEのロゴが刻印されたブラックボディやイルミネーションが洗練された印象をもたらしている。

そして肝心のサウンドを聴いて、さらに驚愕させられた。ソースの隅々までを見渡せる緻密で明晰なサウンドが、このミニマムなシステムから、いとも易々と繰り広げられていくからだ。G Oneそのものは手の平にも乗ってしまうコンパクトスピーカーのため、ローエンドの伸びや量感こそ大きなスピーカーに譲るものの、そのバランスの良さや分解能の高さは、まさに“音楽制作の現場で作り手が聴いているサウンド”と言っていいだろう。

省スペースなシステムながら明晰なサウンドを鳴らしてくれる

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