公開日 2016/09/06 12:06

エソテリック初のネットワークプレーヤー「N-05」を聴く - 専用アプリで操作性も追求

USB-DAC機能やUSBストレージ再生にも対応
1987年のブランド誕生以来、一切妥協のない音質クオリティを徹底させてきたエソテリック。そんな同社がネットワーク再生においても最上級を実現すべく登場させた、待望のネットワークオーディオプレーヤー「N-05」。多くのフォーマットに対応し、USB-DACやミュージックサーバーとしても活用できるマルチな側面を備える本機を山之内正氏がレビューする。

ESOTERIC「N-05」¥550,000(税抜)

K-05Xと同等の回路構成、クロックの外部入力も装備

ネットワークプレーヤーが登場してから早くも10年。英国のリンがデジタルストリーム再生に先鞭をつけた2007年以降、次世代を先取りした再生スタイルが着実に支持を広げている。同社をはじめとする海外ブランドを中心に参入が相次ぎ、日本メーカーも複数の製品を投入しているが、例外は一部の国内ハイエンドメーカーで、導入に慎重な姿勢を保ち続けてきた。

しかし、ただ静観していただけでは、もちろんない。ネットワーク再生のメリットを正しく見極め、それを確実に引き出すための技術を磨く。そうしてエソテリックが得た答えが、同ブランド初のネットワークプレーヤー「N-05」である(関連ニュース)。

本体の操作キーは最小限に抑えられ、リモコンも付属しないので、選曲操作等は基本的にiPadアプリ「ESOTERIC Sound Stream」で行うことになる

こだわりのポイントは2つ、音質と使い勝手に集約される。まず音質については、エソテリック品質をネットワークプレーヤーでも実現することが大前提だ。オーディオ回路の構成と規模は一体型SACDプレーヤーの「K-05X」とはほぼ同等で、AK4490を採用したデュアルモノ構成のDAC部は、パラレル/差動構成(チャンネルあたり4回路8出力)で高い変換精度とS/Nを確保。

DACやアナログ回路は一体型SACDプレーヤー「K-05」の構成を踏襲し、優れたチャンネル・セパレーションを実現。DACの安定化電源部にはGrandioso C1の技術を投入。500,000μF/chのスーパーキャパシターEDLCを搭載する

34bitのD/AプロセッシングやHCLD Type2など、デジタル及びアナログ回路の構成はGrandiosoシリーズ直径の最新世代に相当し、クロック信号の外部入出力対応など、装備もハイエンドきにふさわしい内容だ。PCM再生時、デジタルフィルターの設定をオフ以外に4種類から選べるなど、エソテリック製ディスクプレーヤーやD/Aコンバーターでおなじみの機能ももちろん利用できる。

大型のカスタムトロイダルトランスと大型コンデンサーを組み合わせた電源回路。各回路ブロックへクリーンかつパワフルな電源を供給する

デジタル回路とD/Aコンバーター以降のアナログ回路はアイソレーターで分離し、徹底したノイズ対策を実施

操作性を徹底追及した専用アプリにも注目

本機のもうひとつのハイライトは徹底した操作性の追及である。iPadで動作する「ESOTERIC Sound Stream」は、優れたレスポンスと柔軟かつ高精度な検索機能を同時に提供し、Kinskyなど定番のUPnP対応アプリに匹敵する使い勝手が手に入る。FLAC、WAV、AIFF、ALAC、DSDなど主要ファイル形式全てでギャップレス再生に対応するほか、柔軟なプレイリスト再生、高速でスムーズなスクロールなどを実現。評価位の高い既存アプリをベースにカスタマイズしただけに、完成度の高さが際立っている。

iPadアプリ「ESOTERIC Sound Stream」は、操作ボタンやプレイリストなど各情報が見やすく配置され、直感的に操作できる。高い検索性や並べ替えも行いやすい。iPnone/Android版も順次開発予定とのこと

エソテリックは定額のロスレス音楽ストリーミング「TIDAL」と公式パートナーとなっている。本機も日本国内でのサービスが始まった段階で利用できるようになる見込み

TIDALとQobuzのログイン画面が用意されているが、こちらは日本国内でのサービスが始まった段階で利用できるようになる見込み。Androidを含むスマホ版のアプリは鋭意開発中とのことだが、試しにiPhone版Kinskyでは、DSDファイル以外は問題なく動作した。複数端末からの平行した操作にも対応するようだ。

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