公開日 2014/08/14 13:56

AB級プリメインアンプ「L-505uX」の特徴と魅力を徹底検証

最新設計導入で上級機に迫る音質性能に
ラックスマンのプリメインアンプは、純A級アンプ「L-590AX」を頂点に、AB級アンプ、純A級アンプ、そしてAB級の505シリーズという4グレードのラインアップがされている。

「L-505uX」¥238,000

今期の新製品「L-505uX」は、2007年春に開発された「L-505u」をグレードアップさせた、トランジスター式プリメインアンプ“Xシリーズ”第3弾製品である。ラックスマンの入門モデルであるが、最新の設計を導入したことで、音質性能は上級モデルに迫る魅力を備えた。

505uXはAB級動作100W+100W(8Ω)出力のパラレルプッシュプル電力増幅部を装備。旧505uのフロントデザインを継承しながら、横幅を467mmから440mmに変更している。

背面端子部

大きなポイントは、メカ式ボリュームから電子制御アッテネーター「LECUA」をこのクラスに初めて採用したことだ。また、独自の高音質、負帰還方式「ODNF」に高S/Nバージョン2.3を搭載したことも挙げられる。

加えて、EI型ハイレギュレーション電源トランスと、10000uF×4本の大容量コンデンサーによる高慣性電源部を採用。出力経路のリレーは今回、並列動作として直流抵抗を低減させ、ダンピングファクターは180に向上。最高級セパレートアンプと同じ高音質セレクタースイッチICによるセパレーションや、クロストーク性能の強化も実現している。さらに、リアのスピーカーターミナルは左右に分離させ接続しやすくなった点にも触れておきたい。

イコライザーアンプ入力はMC/MMに対応。RCA入コネクター間のピッチを18mmとして、プラグ径の太い高級ケーブルも装着しやすいよう配慮したほか、バランスXLR入力端子も装備。このように、回路構成、筐体構造、配線レイアウトなどはXシリーズの上位モデルと同様の技術が投入されている。

なお、電源ケーブルにはラックスマンの標準ケーブルである平行構造の「JPA-10000」を付属。デザインカラーはシャンペンゴールドも選ぶことができる。

同社独自機能についてもう少し詳しく見ていこう。メカ式ボリューム(可変抵抗器)は、抵抗体に接触するブラッシで位置を変化させ音量を調整するが、高級機で使う高性能製品の調達が困難になってきた。また構造による限界もあるため、これを打開するため開発されているのが電子化による高性能アッテネーターによる方法だ。

ラックスマンのLECUAは、最高級プリメインアンプ「L-590AX」用に抵抗列構成をコンパクト化することに成功したが、本機ではディスクリート構成ではなく抵抗アレーを使う方法を開発した。

聴感的に高SN、解像度が高く、帯域の広い性能を備えていることは、トータルした音質から確認できる。この部分、機能はプリメインアンプ、プリアンプでは、極めて重要な信号経路に直列に、レベルコントロールをする回路である。

また、ラックスマンのアンプで最も大きな特徴になっているのはODNFといってもいいだろう。これは「オンリー・ディストーション・ネガティブ・フィードバック(Only Distortion Negative Feedback)」の略だ。

ODNFの“NF”は「負帰還の」意味で、出力された信号の一部を入力に戻し、帯域特性や歪を改善する便利で強力な働きを持っている。現在、ネガティブフィードバックについてはメリットもデメリットも研究が進み、低負帰還、ノンフィードバック方式などの製品もみられるが、ODNFでは、出力信号全体の内容を戻すのではなく、問題となる歪成分だけを分離してフィードバックすることが特徴だ。これにより、広帯域、スルーレート(瞬間的応答スピード)の高速化など有利な特性を備える。

今回、ODNFは回路初段、セカンドステージをパラレル回路構成とした高SN化バージョンを採用しているのが特徴である。なお、この方法は最高級モデルL-590AXでも使われている。

実際に音を聴いてみると、その音質は従来のモデルに比較しても、また、客観的なこのクラスのアンプの性能としても、極めて斬新な音を感じる。

強力に引き締まる中低域、低域のダンピング、コントラストの高い音像描写。ニュートラルに一定したバランスで帯域が広く、明瞭、明確な構成力、繊細な解像度で冴える高域のニュアンスも備えている。

極めてシャープで曖昧な様子がなく、緊迫感のある、高速レスポンスで精度の高いサウンドを表現するのが魅力である。

すっきりとした抜けのいい高域、力強いダイナミックな低音。この音は大変強力な内容だ。ラックスマンはXシリーズが狙い目になるだろう。


【SPEC】●連続実効出力:100W+100W(8Ω)、150W+150W(4Ω) ●全高調波歪率:0.005%以下(1kHz/8Ω)、0.04%以下(20Hz〜20kHz) ●入力、録音入出力、セパレート入出力:ライン×4、フォノ×1(MM/MC切替)、バランス・ライン×1、録音入出力×1、セパレート入出力×1 ●スピーカー出力:A、B2系統 (AB同時出力可能) ●増幅回路、出力構成:ODNF2.3、バイポーラ・パラレルプッシュプル ●S/N比:ライン105dB以上 ●周波数特性:20Hz〜100KHz(+0、-3.0dB) ●消費電力:270W ●外形寸法:440W×178H×454Dmm(前面ノブ20mm、背面端子27mm含む) ●質量:22.0Kg

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 パナソニック、レコーダー愛用者へ録画保存に関する調査を実施。約7割が将来の保存手段に不安
2 『ARASHI LIVE TOUR 2014 THE DIGITALIAN』などライブ映像3タイトルがPrime Videoで配信開始
3 全録×クラウド保存のメリットとは? パナソニック、ブルーレイレコーダー「全自動ディーガ」2026年最新モデル
4 女子プロゴルフ「富士通レディース 2026」10/15から4日間の放送・配信予定
5 令和版“ラジカセ”から中古カセット、修理工房まで。カセットラバーが集う「CASSETTE WEEK MARKET」レポート
6 「iPhone Air」をAmazonプライム感謝祭でさらにお得に買う方法
7 8万円台で本格7.1ch!JBLサウンドバー「BAR 800MK2」が史上最安値、プライム感謝祭
8 Bluetooth、2027年めどに「次世代Hi-Fiワイヤレスオーディオ規格」を確立へ。日本法人も設立
9 マツダ「CX-5」は音も“5つ星”。居心地の良さを追求したBoseサウンドを体験
10 カリモク家具、オーディオデザイナーDevon Turnbullとの新ブランド「音の家具」
10/16 14:05 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー 202号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.202
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
ケーブル大全2026
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.34 2026 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.34(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • AEX
  • AA AWARD
  • analog Grand Prix