公開日 2024/01/30 18:29

AI搭載の“プロ向けレタッチツール”「Evoto」が日本上陸。90項目以上の美顔補正をリアルタイム編集

空の置き換えや服のシワ取りも
編集部:平山洸太
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AIを用いたプロ向けの画像編集ソフト「Evoto」を展開するTruesight Japanは、同ソフトの日本上陸をアナウンスする発表会を開催。AIによって何が実現できるのか、そしてEvotoの強みについて語られた。

「Evoto」が日本上陸

EvotoはAIエンジンを搭載し、AIによってレタッチが簡単に行えるというソフトウェア。主にプロや企業向けに開発されているが、一般のユーザーでも利用することが可能だ。また、OSはWindowsとMacの両方で利用できる(iOSやAndroidのモバイル端末には非対応)。

プロに向けて開発

本ソフトのメリットは主に3つ。上述の通りAIエンジンを搭載することと、プロ向けに高精度を追求していること、そしてポートレート(人物)の写真に特化していることとなる。海外では2年前に発売されて以来、ユーザーからの要望を取り込みつつ、30日に1回のペースでアップデートを重ねてきたそうだ。

ポイントはAI Engine、Portrait、Profession

料金はチケット制となっており、画像を書き出した際にカウントされるかたち。インストールして作業するだけなら無料で、最初の5枚までは無料分として出力できる。チケットを購入する場合は、1,200チケットで12,600円(以下、税込表記)、3,200チケットで34,200円、9,000チケットで77,400円、24,000チケットで180,000円、75,000チケットで525,000円となる。1,200チケットの場合、1枚あたり10.5円で利用可能。なお、同じ画像であれば何度書き出しても1枚としてカウントされる。

料金一覧

同社代表取締役 社長のウィリアム ワン氏は、「外注すると数百円から1000円だが、それが10.5円」になるとし、ビジネスにおいてコスト削減になると説明。さらにAIで複雑なレタッチも数分間で行えるため、作業の効率化にも繋がるという。また、すでに世界で1万社以上の導入実績があるそうだ。

業務効率改善をアピール

株式会社Truesight Japan 代表取締役 社長 ウィリアム ワン氏

ちなみにEvotoを展開するTruesightは、シンガポール発のAIベンチャー企業で、2020年に設立した。50か国でビジネスを展開しており、昨年6月には日本法人を立ち上げている。またEvotoを開発した経緯として、写真のデジタル化により、撮影する枚数が増えたものの、一方で処理が追いつかない現状があるとのこと。そのような状況の中、ワン氏は「従来の編集ツールは複雑な技術習得とスキルが必要」とし、「効率的にAIをつかって何ができるかと考えてEvoto AIを開発した」と説明した。

■レタッチ結果を確認しながらリアルタイムで作業



Evotoで使えるAI補正機能は、主にAI色補正、美顔補正、空の置き換え、AI服補正、切取りの5つ。調整の結果はリアルタイムで確認することができ、操作自体もスライダーを動かすだけで行えるようになっている。なお、手動補正も別途用意されている。

Evotoのインターフェース

まずAI色補正では、9つの項目から色を補正することが可能。マスク機能も搭載し、背景や人物だけでなく、パーツを検出して細かく部分的な補正が行える。続いて美顔補正では、AIエンジンが顔/性別/年齢を認識し、ナチュラルな補正が行えるとのこと。調整項目は90項目以上が用意されており、1つの補正結果を他の写真にも同期可能。さらに最大50人まで人物認識ができ、集合写真で同一人物だけ補正結果を同期させる、ということも可能だ。

美顔補正機能

空の置き換えでは、空だけでなく反射した水面にも置き換えを反映させることが可能で、これはAIだからこそできる処理だという。またAI服補正については、AIが大きなシワと小さなシワを検出し、服のシワを調整できる。最後に切抜きについては、豊富なサイズ設定を備えているため、証明写真など用途に応じて使えるとのこと。

空の置き換え機能

AI服補正

これらAI機能については、敵対的生成ネットワーク(GAN)を用いて実現しており、学習に使うデータは正規のルートで入手しているという。同社ではセキュリティを重視しており、ユーザーが画像編集に使ったデータは保存せず、学習にも使用しないそうだ。また同社従業員もデータには一切アクセスできない仕組みを構築しているとのこと。

敵対的生成ネットワークを採用

セキュリティ面にも配慮

またワン氏は、AIを開発するにあたり、あえて大規模言語モデル(LLM)を使用していないこともアピールした。その理由として、LLMを使うことで重くなるため、プロが効率的に作業ができなくなるためだという。あえてGANを採用することで、リアルタイムで結果を確認できるほか、エントリークラスのCPUでもソフトを実行できる。ただ、一部の計算はサーバーを活用したハイブリッドな仕組みということもあり、ソフトを使用する際にはインターネット接続が必須となっている。

そのほか発表会では、同社がユーザーの声を大切にしていることをアピール。実装された機能の9割は要望によるものとし、たとえば上述の「AI服補正」はECサイトから要望があって開発したものだという。さらにワン氏は、日本のユーザーからの意見によって「うなじの後毛除去」を開発中であることも紹介。「日本独特の美意識をサポートしていきたいと考えている」と述べ、日本展開への姿勢を強調した。

日本独特の美意識をサポート

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